《色々と》の敬語
「色々と」の敬語表現
「色々と」の敬語表現は「色々とありがとうございました」です。「色々と」の後には多くの場合、感謝の言葉が続きます。感謝を敬語で表す形にすれば、目上の相手にも使える文章になります。「色々と」の敬語の最上級の表現
「色々と」の敬語の最上級の表現は「諸々ありがとうございました」です。「色々と」と「諸々」はいずれも「たくさんの物事」を意味する言葉です。ただし、「色々と」は話し言葉に近く、目上の相手には使いにくい場合があります。「諸々」は日常的に使う言葉ではないので特別感があり、相手への敬意を示しやすいといえるでしょう。社外の人間とやりとりする際は、「諸々ありがとうございました」の形が使われます。「色々と」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「色々と」の敬語は、ビジネスシーンでも頻繁に使われます。以下、「色々と」の敬語表現をビジネスメールや手紙で使うときの例文です。「色々とありがとうございました。いただいたアドバイスも参考にしてみます。今週中には資料を作り直せると思います」
「いつものことながら、とても助かりました。おかげさまで、納期には間に合いそうです。色々とありがとうございます」
「まだインフルエンザからの回復は長引くと思います。ただ、みなさんからのメールは常にチェックしています。色々とありがとうございます」
「デザインを複数提案できたので、先方も喜んでいました。クリエイティブチームのみなさんのおかげです。色々とありがとうございました」
「諸々、感謝申し上げます。みなさまのお力添えで、弊社は今年も決算を迎えることができました」
「とても意義深い訪問になりました。現場を直接確認でき、今後の提案に生かせそうです。諸々ありがとうございましたと、社長にもお伝えください」
「おかげさまで、新店舗は本日から営業開始です。会員の皆様に諸々お礼申し上げます。これからもご贔屓にしていただければ幸いです」
「諸々ありがとうございました。そのうえで、一点だけご確認させていただけないでしょうか。御社のセキュリティサーバーについてなのですが」
「色々と」を上司に伝える際の敬語表現
上司とやり取りする際には、「色々と」ではなく「諸々ありがとうございました」を使いましょう。「色々と」では、なれなれしいニュアンスになってしまうからです。ただし、「諸々」を堅苦しいと感じる上司もいるでしょう。相手との信頼関係が築かれているのであれば、話し言葉では「色々とありがとうございました」を使うことも可能です。「色々と」の敬語での誤用表現・注意事項
「色々とありがとうございました」の誤用に「色々ありがとうございました」があります。「色々と」でひとつの言い回しなので、「色々」だけで使うのは間違いだといえます。もっとも、親しい人との会話では「色々ありがとうございます」と省略した形で使っても、失礼にはなりにくいでしょう。ただ、ビジネスシーンのように丁寧な言葉遣いが求められている場では、正確に「色々とありがとうございました」を使うのが適切です。次に、社外の人間とやりとりするときは「色々と」を使わないようにしましょう。「色々と」は話し言葉であり、丁寧な表現とは呼べません。取引先や顧客相手に使ってしまうと、失礼に思われる言葉です。社外の相手とのやりとりでは、関係性や付き合いの長さを問わず、「諸々ありがとうございました」を使うようにしましょう。なお、「色々と」のように「諸々と」と書くのは間違いです。「諸々」の後には「と」や「に」のような助詞をつけず、「諸々感謝申し上げます」のように書きます。
さらに注意したいのが、省略のために「色々と」や「諸々」を使わないことです。さまざまな点でお世話になった場合、それらを具体的に記すのがビジネスマナーです。そのうえで、「色々とありがとうございました」「諸々お礼申し上げます」と伝えるからこそ、丁寧な感謝の表現になりえます。それに対し、「色々の中に感謝したいことは含まれている」として、具体的な内容を省いてしまうと、失礼になりかねません。そもそも、何に感謝しているのか分からないケースもあります。文章であれば特に、感謝の対象をはっきり書くようにしましょう。
「色々と」の敬語での言い換え表現
「色々とありがとうございました」の類語には「何かとありがとうございました」があります。これらの意味はほとんど同じであり、「さまざまなことに対して感謝している」という文脈で使うフレーズです。ただし、「何かと」も「色々と」と同様に、話し言葉の一種です。そのため、「何かとありがとうございました」という表現を使えるのは、身内に限られるといえます。そのほか、「色々とありがとうございました」の言い換えには、「再三のご尽力、有難うございました」「手取り足取り教えていただきありがとうございました」などのフレーズがあります。これらの言い回しは「多くの物事に感謝している」という点が同じです。しかしながら、「再三のご尽力~」や「手取り足取り~」といった表現は、相手を非難する意味が含まれている印象があります。「重ね重ね感謝申し上げます」「重ね重ね御礼申し上げます。」などと表現するのがよいでしょう。
- 《色々と》の敬語のページへのリンク