《良いですか》の敬語
「良いですか」の敬語表現
「良いですか」を敬語表現にすると「よろしいでしょうか」となります。「よろしい」は「よい」「いい」を丁寧にした言葉です。「よろしいですか」も間違った表現ではないですが、「です」という断定の助動詞が使われているため、相手によってはあまりいい印象を与えないこともあります。「よろしいでしょうか」と語尾を「でしょうか」に変えることで推し量るニュアンスが出るため、より相手に敬意を払った表現としては「よろしいでしょうか」が適切といえます。「良いですか」に代わる敬語表現としては、ほかにも「構いませんか」「差し支えないでしょうか」「いかがでしょうか」などが使えます。「構いませんか」は「問題ないかどうか」「気にしないかどうか」を尋ねる丁寧な表現です。自分の都合で何かを行う場合や、相手にとって不都合になるかもしれない行為の許可を得る場合に使います。「差し支えないでしょうか」も相手の都合を尋ねる意味の、気遣いが感じられる表現です。「いかがでしょうか」は相手の状況や感想を尋ねる場合によく使われます。単に「良いか悪いか」だけではなく「どのように」といった意味も含まれるため、シチュエーションによって様々な使い方ができる便利な表現です。
「良いですか」の敬語の最上級の表現
「良いですか」に代わる敬語の最上級の表現は「よろしいでしょうか」となります。ほかにも丁寧な表現として「よろしゅうございますか」というものがあります。「よろしいでしょうか」よりさらにかしこまった形の、多少古めかしい言い回しであり、ビジネスにおける使用頻度は高くありません。「良いですか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「良いですか」の敬語表現を取り入れた、ビジネスメールや手紙で使用できる例文を紹介します。・お忙しいところ恐れ入りますが、先ほどお送りしたメールをご確認いただいてもよろしいでしょうか。
・来週中にはお返事させていただきますので、それまでしばらくお待ちいただいてもよろしいでしょうか。
・明日のミーティングにつきましては、○時からとさせていただいてよろしいでしょうか。
・先日お送りしたデータについて、こちらに変更しても差し支えないでしょうか。
・当社は夏季休暇に入るため、○日以降の発送となりますが差し支えないでしょうか。
・申込用紙は手書きで記入しても差し支えないでしょうか。
・こちらからお伺いしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。
・ご希望であれば新しい商品をお送りいたしますが、いかがでしょうか。
「良いですか」を上司に伝える際の敬語表現
「良いですか」を上司に伝える際にも「よろしいでしょうか」や「いかがでしょうか」といった敬語表現が使えます。「明日の○○社訪問にあたって資料を作成したので、確認いただいてもよろしいでしょうか」や「明日の△△社との打ち合わせにご同行願いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」といった形で使えば、上司に対して敬意を払った丁寧な表現といえるでしょう。親しい間柄の上司であれば「よろしいですか」のような多少カジュアルな言い回しが好まれることもあります。「良いですか」の敬語での誤用表現・注意事項
「良いですか」の敬語表現を使う際には、誤用や注意事項について知っておく必要があります。「よろしいですか」をさらに丁寧に表現しようとして「よろしかったでしょうか」と言ってしまう人がいますが、これはほとんどの場合誤用となります。「よろしかった」という過去形が使われているため、過去のことを確認したいとき以外に使用すると不自然な印象になります。正しい使用例としては、過去の注文内容を再確認するにあたっての「以前ご注文されたのはこちらの商品でよろしかったでしょうか」などです。上司に対して予定を確認する際に、「本日お伺いするのは○○社でよろしかったでしょうか」などと言うのは不適切です。現在進行形の物事に対しては「よろしいでしょうか」とするのが適切です。
「構いませんか」についても「構わないでしょうか」としてしまうケースが見受けられますが、適切な表現とはいえません。「構いません」は「構わない」を丁寧にした言葉で、疑問文にすると「構いませんか」となります。「構いませんでしょうか」も時々耳にする表現かもしれませんが、「ません」「でしょうか」という二つの丁寧語が入った二重敬語です。
「良いですか」の敬語での言い換え表現
「良いですか」は、ほかにも「お間違いないでしょうか」「可能でしょうか」といった敬語表現で言い換えることができます。「お間違いないでしょうか」にはそれで合っているかどうか、誤りがないかを確認するニュアンスがあります。「選択いただいた商品はこちらでお間違いないでしょうか」「こちらの資料は○○様にお送りするとのことでお間違いないでしょうか」のように使うことができます。
「可能でしょうか」には物事ができる見込みがあるかどうかを尋ねるニュアンスがあります。「こちらの資料をもう一部頂くことは可能でしょうか」といった使い方ができます。ただし「可能でしょうか」は多少強気な印象を与える表現であり、上から目線に感じられる場合もあるため、目上の相手に使うには注意が必要です。
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