《固執》の正しい読み方
「固執」の正しい読み方
「固執」は、「固」の音読み「こ」と「執」の音読み「しつ」または「しゅう」が組み合わさり「こしつ」または「こしゅう」と読まれる。「執」を音読みすると漢音で「しゅう」と読み、慣用音で「しつ」と読むため「こしゅう」も「こしつ」も誤った読み方ではない。 慣用音は中国由来である漢字音の呉音(ごおん)、漢音(かんおん)、唐音(とうおん)には属さない日本独自の漢字音であるが、今日では「こしつ」と読む方が一般的である。「固執」の意味解説
「固執」は「自分の考えを押し通すこと」、「他者の意見に耳を貸さず譲らないこと」などを意味する。「固」は「かたい」、「かたくな」という意味があり、「囗」と「古」が組み合わさった形声文字である。「古」は、神様に祈るために書かれた書簡を入れる容器を表す「ᆸ」と、その容器を守るための盾を表す「干」の組み合わせでできており、その周りをさらに「口」で囲いより頑丈な様子にしている。「執」は手かせを表す「幸」と、人が両手を出してひざまづいた姿を表す「丮(ケキ)」からできている。「幸」と「丮」が組み合わさることで、人が両手に刑具の手かせをはめている形が表される。そのことより「執」は「手にとる」、「捕らえる、捕まえる」といった意味をもち「固」と組み合わされることにより、「自分の意見を固く持ち続ける、捕らわれる」様子を表している。
なぜ「固執」と読むのか・理由
「かたい」、「かたくな」を意味する「固」の音読み「こ」と、「手にとる」、「捕らえる、捕まえる」を意味する「執」の音読み「しつ」が組み合わさり「こしつ」と読まれる。「固執」の類語・用例・例文
「固執」の類語には、「一つのことに心をとらわれてそこから離れられないこと」を意味する「執着(しゅうちゃく)」や、「自分の意見にいつまでもこだわり続けること、しつこいこと」を意味する「執拗(しつよう)」、「ある一つのことにとらわれた心、執着してはなれない心」を意味する「執念(しゅうねん)」などがあげられる。「固執」は、「考え方」、「意見」、「地位」「人やもの」と組み合わせ、「〇〇に固執する」というように動詞としても使用される。「自分の考えを押し通すこと」「他者の意見に耳を貸さず譲らないこと」という意味より、否定的なイメージの強い言葉であるが肯定的な意味として使用される場合もある。肯定的な意味の場合「自分の意見に固執し諦めなかったことが成功につながった」、「その素晴らしい意見はもっと固執するべきだ」などの使われ方をする。否定的な意味の場合「自分の考えにばかり固執せず周囲の意見も取り入れるべきだ」「あなたは彼女に対して一方的に固執している」などの使われ方をする。
「固執」の英語用例・例文
「固執」を英語で表すには、「しつこく主張する、言い張る」、「貫き通す、やり通す」を意味する「persist(パーシスト)」や、「粘る」、「拘る」を意味する「stick to(スティックトゥー)」などが使用される。「If you persist, you cannot see surrounding.」で「固執すると、周囲が見えなくなる。」、「I’ll stick to the work until I’m done.」で「仕事を終わらせるまで専念する。」と表現できる。《固執》の正しい読み方
「固執」の正しい読み方
「固執」の読み方は「こしつ」および「こしゅう」である。どちらかといえば「こしつ」と読まれることが多い。なお「こしつ」という読み方は、いわゆる慣用読みであり、本来は間違った読み方であるが広く一般に定着したことで許容されるに至った読み方である。その意味では「こしゅう」の方がより本来的な読み方であるといえる。
「固執」の意味解説
「固執」は、あくまでも自分の意見を曲げずに主張すること、あるいは、過去の出来事がいつまでも心の中に残っていて心や行動に影響を及ぼすこと、などを意味する語である。「固」という漢字には、人の心が動揺したり容易に変わったりしない、頑固である、融通がきかない、という意味がある。「執」という漢字には、物事を深く思い込みそれにとらわれる、という意味がある。どちらの漢字にも、自分の心の中にある思いや意見に対して深く思い込み、他人によってその思いや意見が左右されない、という意味がある。
なぜ「固執」と読むのか・理由
「固執」の「執」という漢字の音読みには、「しゅう」と「しつ」があり、「しゅう」は漢音(唐の長安を中心に使われていたもので、呉音に次いで日本に伝えられたもの)で、「しつ」は慣用音(漢音・呉音・唐音に属さないが、日本で広く使われ一般化しているもの)である。「しつ」という読み方が生まれた理由としては、「執(しゅう)」が漢語の熟語の上部にくると「しっ」と促音に読まれたため、やがて「しつ」という音が生じたと考えられている。そして、「固執」は「こしゅう」のほかに「こしつ」という読み方が一般に広く定着したと考えられる。「固執」の類語・用例・例文
「固執」の類語には、「頓着」、「執着」、「執拗」がある。「頓着」の意味は、深く心がけること、気にすること。「執着」の意味は、強く心を惹かれ、それにとらわれること。「執拗」の意味は、頑固に自分の意見や思いを通そうとすること、しつこいこと。どれも、心の中の自分の意見や思いにとらわれるという意味がある。- 《固執》の正しい読み方のページへのリンク