M60機関銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 03:24 UTC 版)
民生用バージョン
セミオートマチック(連射不可能)にしたバージョンが、アメリカ国内で市販された。連射を不可能にするために、広範囲の箇所に修正が施された。アメリカ国内においては、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(BATFE)により、これらはベルト給弾式自動小銃として取り扱われる。しかしながら、州法や条例は適用対象となる。
サコー・ディフェンスから軍用M60と、その部品について生産委託を受けたうち主要なメーカーはU.S.オードナンスである。しかしながら、U.S.オードナンスは、生産設備を軍用に優先使用し、民生版半自動M60の販売を2006年まで延期した。民間人向け半自動M60の価格は約8,000ドルである。
多数の旧型フルオート版が市場に流通しているが、購入には多くの法的要件を満たさなければならない上に、銃の本体価格が20,000-30,000ドル以上とかなり高額になる。これは、アメリカにおける1986年以降の銃規制強化により、民間人が所持可能なフルオート武器は1986年以前に製造されたものに限られ、施行から30年以上が経過し正常に動作するフルオート武器の現存数が減っていき、プレミアがつくためである。
使用国
- オーストラリア - ベトナム戦争中、オーストラリアSASが使用。
- 北朝鮮 - 特殊部隊で配備されていることが明らかとなった[要出典]。
- ボリビア
- ボスニア・ヘルツェゴビナ
- カンボジア
- チリ
- コロンビア
- コスタリカ
- チェコ
- コンゴ民主共和国
- デンマーク - デンマーク陸軍が2013年より、現在使用中のLMG M/62汎用機関銃の後継としてHK121と共にトライアルした結果、M60E6が後継種として採用される。
- ドミニカ共和国
- フィジー
- ギリシャ
- ハイチ
- ホンジュラス
- インドネシア
- ヨルダン
- 韓国 - 韓国軍が使用。
- リベリア
- マレーシア
- モロッコ
- ニカラグア
- パナマ
- ペルー
- フィリピン
- ポルトガル
- 台湾 - 57式機関銃としてライセンス生産し、中華民国国軍が使用。
- セントビンセント・グレナディーン
- スペイン
- スーダン
- タイ
- トリニダード・トバゴ
- チュニジア
- ウガンダ
- イギリス - イギリス空軍が使用。チヌークに搭載されている。
- アメリカ合衆国 - アメリカ軍全体が使用。陸軍と海兵隊がM240機関銃に、SEALsがMk.48に置き換えられている。
- ベネズエラ
民兵
登場作品
映画・テレビドラマ
- 『DENGEKI 電撃』
- 冒頭にて、テロリストが使用するベル 212のドアガンとしてE3が登場。アメリカ合衆国副大統領の車列に対しての機銃掃射に使用される。
- 『ウルトラゾーン』
- 「最後の攻撃命令」にて、全長数十メートルに巨大化されたM60が防衛軍の固定砲台として登場。キングジョーに対して使用される。
- 『ガバリン』
- ベトナム戦争での回想シーンおよびラストにて、ビッグ・ベンの悪霊が使用した銃として登場する。
- 『コマンドー』
- 主人公のジョン・メイトリックス大佐が、敵アジトでの戦闘時にアリアス私兵が使用していたE3を奪って使用。構図の都合上、故意に映像を左右反転させた場面がある。
- 『地獄のデビルトラック』
- 暴走した無人のM274トラックに搭載されて登場。M72 LAWを使用して同じく暴走していた無人のトラックを破壊していた人物らに対して発砲する。
- 『地獄の黙示録』
- 主人公、ウィラード大尉が乗船するアメリカ海軍のPBRに搭載されており、カーツ王国民との戦闘やサンパンを臨検する際に使用するほか、アメリカ陸軍第1騎兵師団所属のUH-1に武装として連装のM60C(M6 サブシステム)とドアガンとしてM60Dが搭載されており、ベトコン拠点の村を襲撃する際に「ワルキューレの騎行」を大音量で流しながらM134 ミニガンとともに猛烈な機銃掃射を行う。
- 『戦火の勇気』
- 冒頭のアルバスラの戦いにて、主人公のナサニエル・サーリング中佐が車長を務めるM1A1 エイブラムスの車載機銃としてM60Dが登場。
- 『ターミネーター4』
- UH-1のドアガンとして装備されている。序盤ではジョン・コナーがT-600に襲われた際、墜落したUH-1に搭載されていた本銃をT-600に向けて乱射し、無力化する。
- 『ダイ・ハード3』
- クライマックスにて、テロリストたちが使用するSA 341 ガゼルのドアガンとして登場。主犯格のサイモンが、主人公のジョン・マクレーンが乗るヘリコプターに向けて使用し、不時着に追い込む。
- 『デルタ・フォース』
- デルタフォース隊員たちが使うバギーカーに搭載されており、テロリストに対して使用される。
- 『バイオハザードII アポカリプス』
- ラクーンシティ警察特殊部隊「S.T.A.R.S.」が大通りでゾンビを食い止める際に使用。二脚を折り畳んでいる。
- 『ハンバーガー・ヒル』
- UH-1の搭載機銃としてM60Dが登場。
- 終盤の丘での戦闘の際、ベトナム兵と勘違いしたガンナーがアメリカ兵に向けて凄まじい銃撃を行う。
- 『フォレスト・ガンプ/一期一会』
- ベトナム戦争の回想に登場。フォレストが所属する小隊の分隊支援火器として雨季明けの戦闘に用いられたが、故障して動かなくなったところでロケット砲の直撃を受けて無力化される。
- 『ブラックホーク・ダウン』
- M249とともに登場。第75レンジャー連隊のショーン・ネルソン特技下士官が分隊支援火器として使用するほか、ハンヴィーの搭載機銃としても登場する。また、ソマリア民兵も使用するが、ネルソンが使用した際と銃声が異なる。
- 『プラトーン』
- キングやテックスのほか、第25歩兵師団の兵士が使用する。
- 『フルメタル・ジャケット』
- S-58のドアガンナーがE1を使用。銃はキャビン内にある可動式の台座に乗せられている。また、後半に登場する兵士の1人であるアニマル・マザーは、1人で運用するために銃を右手に持ち、リンクが捻れないよう給弾ベルトを水平にして左腕にかける工夫をしている。
- 『プレデター』
- 主人公のダッチ・シェイファー少佐率いる特殊部隊のメンバーである、マック・エリオット軍曹がE3を使用。
- 『プレデター2』
- ギャングの武器庫に保管されている他、プレデター捕獲作戦でキースの部下が使用する。
- 『ミート・ザ・フィーブル 怒りのヒポポタマス』
- 物語終盤にて、主人公のハイジが舞台上で乱射する。
- 『ランボー』
- 物語後半、主人公のジョン・ランボーが襲った州兵のトラックに積まれていた武器がM60。ランボーは、運転していた州兵から本銃が積まれていることを聞き出した上で強奪し、自分を目の敵にするウィルフレッド・ティーズル保安官が立て籠もる警察署への機銃掃射を行い、最後には待ち伏せからの銃撃を狙って屋根の吹き抜けに潜んでいたティーズルに重傷を負わせる。なお、映画の撮影時に用いられたのは、軍から貸し出された実銃である(項目参照)。
- 『ランボー/怒りの脱出』
- 物語前半、ベトナムへ潜入したランボーを回収するためタイの米軍基地から出撃した、エリクソンが操縦するUH-1の左翼に搭載されているドアガンがM60。搭乗していたライファーがランボーを追跡するベトナム人民陸軍の将兵目がけて機銃掃射を行い、迫撃砲部隊の砲撃を妨害するのに成功するが、マードック司令官の思惑によりランボーを見捨てて去ることとなった。中盤ではポドフスキー中佐率いるソ連の駐ベトナム軍事顧問団が使用するベトナム人民軍のUH-1の左翼にドアガンとしてE3が搭載され、一度は捕えられるも逃走したランボーへの攻撃に使われるが、UH-1が低空飛行した隙を突かれて機銃手を投げ落とされ、UH-1ごと奪われる。その後は捕虜救出時にランボーが銃座から取り外した本銃で戦闘を行い、終盤ではマードックへの報復として、彼の命令に従い自分を見捨てたエリクソンを本銃で殴打し、さらには「最高の兵器は肉体だ」というランボーの自説を否定したマードックが「最高の兵器」と絶賛した基地司令部のハイテク機器を片っ端から蜂の巣にした末、雄叫びを挙げながら弾が切れるまで撃ち続ける。なお、最後の射撃シーンにおいては空薬莢と使用済みの弾帯が本銃から排出される様子が精巧に描かれている。
- 『ワンス・アンド・フォーエバー』
- アメリカ陸軍が使用。前半のフォート・ベニング基地での射撃訓練で使用されるほか、中盤以降のイア・ドラン渓谷の戦いでUH-1の乗員がドアガンとして使用したり、歩兵が敵を掃討したりなど、あらゆる局面で活用される。
- 『大病院占拠』
- 第4話にて病院を占拠した鬼たちがなぜか所持しており、神奈川県警突入部隊への反撃時に本銃を使用。どこから調達したのかは一切不明。
アニメ・漫画
- 『BLACK LAGOON』
- 暴力協会の神父見習い、リカルドが使用する。
- 『エンジェル・ハート』
- 主要人物の1人であるファルコンが使用。
- 『気分はもう戦争』
- 主要人物の1人であるボゥイの愛銃。アフガン戦争から続けて中・ソ戦争でも使用を続けたが、ソ連大部隊と戦闘した第9話で弾切れを起こした後、弾薬入手の困難さからか56式自動歩槍に装備を変更する。
- 『逮捕しちゃうぞ THE MOVIE』
- 中盤で墨東署を襲撃したテロリストへの反撃に二階堂頼子が小早川美幸の私物のエアガンを使い反撃する。
小説
- 『特命武装検事・黒木豹介』
- 「黒豹列島」にて、主人公の黒木豹介が使用。
- 『緋弾のアリア』
- メインヒロインの1人である星伽白雪がサブウエポンとして香港戦などで使用。
注釈
出典
- ^ “Ordnance Notes -- by Bob Stoner GMCM(SW) Ret. M-60 7.62mm Machineguns (including M-60D versions)”. 2005年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
- 1 M60機関銃とは
- 2 M60機関銃の概要
- 3 概要
- 4 弾薬
- 5 派生型
- 6 民生用バージョン
- 7 脚注
固有名詞の分類
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