M60機関銃 弾薬

M60機関銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 09:10 UTC 版)

弾薬

M60シリーズは、多様な弾薬を発射することができる。最も一般的なのがM61徹甲弾(AP弾)、M62曳光弾、M80通常弾、そして、M63模擬弾とM82空包である。弾芯がタングステンでできた新しいM993徹甲弾もM60で使用することができるが、部隊にはかなり後まで支給されなかった。空包を連射で発射する場合には発射速度に応じてM13またはM13A1空包アダプター(Blank Firing Adapter=BFA)を取り付ける必要がある。これらの弾薬は、すべてNATO標準の金属製分割リンクで供給される。

M60の標準的な戦闘時の弾薬配列は、4発のM80通常弾に対して1発のM62曳光弾である。4:1の配置は射手が標的に対し「着弾を歩かせる」ことを可能とする。しかし、曳光弾は通常弾と重量が異なり、曳光剤の燃焼にともなって軽くなってゆくため、必ずしも通常弾と同じ弾道を描くとは限らない。曳光弾は最短300mで燃え尽きてしまうため、曳光弾が見えなくなるはるか先の800mを超える範囲に通常弾が着弾していることがある。この問題は7.62mm、およびこれより小さい口径(5.56mmを使用するM249軽機関銃など)では共通の問題である。

歩兵分隊では基本的に、一丁あたり600-900発を携帯する。これは、およそ2分間弱の連続射撃ができる弾数である。一人よりも射手と弾薬手の二人で運用した方が効果が高いが、人員の関係で分隊でいちばん体格のよい者が機関銃手に任命され、本銃と弾薬を携行した。映画にみられる弾帯を体に巻きつける方法は、リンクのねじれなどが頻発し、実用的でなかった。

弾薬一覧

  • M61徹甲弾(AP = Armor Piercing)
  • M62曳光弾(tracer)
  • M80通常弾(ball)
  • M82空包(blank、空包発射用アタッチメントの取り付けが必要)
  • M63模擬弾(dummy)

これらはM13 リンクで連結される。リンクは射撃後に自動的に分解され、空薬莢とは別の開口部から排出される。


注釈

  1. ^ ただし、これらは「西側諸国製の機関銃」に限った話であり、東側諸国を含めた場合はM60と同クラスの弾薬を用いる重量9,000gのPKが最も軽い。
  2. ^ 長銃身型も銃身の全長自体は通常型と同様で、延長された部分は銃身およびガスチューブとしての機能はない、単純な筒である。これは同軸機銃として装備した場合、車両によっては位置的に銃口/ガス排出孔が車外に出ないため、発砲炎と作動後のガスを車内に排出してしまうことに対処するためである。

出典

  1. ^ Ordnance Notes -- by Bob Stoner GMCM(SW) Ret. M-60 7.62mm Machineguns (including M-60D versions)”. 2005年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。






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