日本列島
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人類
4000万年前まで日本海が存在せず、日本列島は大陸の一部であった。約7万年前に、北方からはマンモス、ヘラジカ、トナカイ、ヒグマ、ナキウサギ、キタキツネなど、南方からはナウマンゾウ、オオツノシカ、カモシカ、ニホンジカ、ツキノワグマ、ニホンザルなどが移り住んでいた。動物たちと同じく、それらを追って大陸の旧石器時代人も大陸から移り住んできたと推定される。その後、日本列島が大陸より切り離されることにより、それら動物や人類も独自の進化を遂げることになる。
斧形石器による推定
1973年(昭和48年)、東京都府中市武蔵台の武蔵台遺跡と千葉県の三里塚55地点遺跡で刃部を研磨した磨製の斧形石器が発掘された。出土層準は約40,000 - 30,000年前の立川ローム第X層中であり、分布は列島全域に亘る。これら刃部磨製石斧は現時点で世界最古の磨製例であるが、3 - 4万年前に集中し、その後は草創期まで出現しない。しかしこれら磨製石器の出土によって、日本列島の旧石器時代の人類の生息が示される[12]。
化石人骨による推定
火山灰に覆われた日本は、酸性土壌のため、化石が残りにくく、化石人骨の発見も少ない。
かつては愛知県豊橋市で発見された「牛川人」が最も古い(約20万年前の旧人)とされていたが、2001年(平成13年)の再鑑定によって、人骨である可能性がほぼ否定されている(ナウマンゾウなどの獣骨と見られている)。
今世紀初頭にこれまで化石人骨とされてきた標本の再鑑定が実施された後では、本州で発見された最古の人骨は、静岡県浜松市で発掘された浜北人(約1万4,000年前)である。
比較的良好な保存状態で発見された沖縄県八重瀬町港川採石場で発見された港川人は、1万8,000年前の新人である。後期更新世か後期旧石器時代に当たる。眼窩上や眉間の隆起が発達したやや原始的で頑丈な頭と顔、小柄な体格、華奢な上半身比較的頑丈な下半身の特徴を持ち、縄文人に繋がる特徴を備えているという。
遺伝子による推定
日本人に約35%の頻度で見られるY染色体ハプログループD1a2系統は日本列島に初めて到達した現生人類のタイプと考えられており、おおよそ3.7-3.8万(最大限5万、最小限2万[13])年前に日本列島で誕生したとされる[14]。
注釈
- ^ 【参考】 これらの中で「世界の島の面積順位」第30位までの島 (出典 List of islands by area より)
第3位・ボルネオ島)インドネシア・マレーシア・ブルネイ 3ヶ国の領土である島)、第7位・本州(日本最大の島)、第11位・スラウェシ島(インドネシアで面積第4位の島)、第15位・ルソン島(フィリピン最大の島)、第19位・ミンダナオ島(フィリピンで面積第2位の島)、第21位・北海道(日本で面積第2位の島)、第23位・樺太島(ロシア最大の島)。 - ^ 同地域には「千島列島」をはじめ多くの島々がある。このページの『日本列島 周辺の島々(極東・沿海部の島々)』の写真と説明を参照。
- ^ 平面形が弧の形をし、弧状に伸びる島の列なりであり、大洋底との間に海溝またはトラフが存在するものをいう。
<出典> 米倉伸之「日本列島とその周辺の大地形」/ 米倉伸之・貝塚爽平・野上道男・鎮西清高編者『日本の地形1 総説』東京大学出版会 2001年 2ページ。 - ^ 『広辞苑』『大辞林』などでは、「日本列島」の定義を、北海道島・本州島・四国島・九州島とそれらに付随する島々から成る列島としている。
- ^ 『広辞苑』(岩波書店、2018年1月第七版発行)の「日本列島」の項目の定義によれば、「北海道・本州・四国・九州および付属島嶼(とうしょ)から成る列島。アジア大陸の東縁に沿って弧状をなす。地形学的には、千島弧・東北日本弧・西南日本弧・伊豆マリアナ弧・琉球弧などを広くあわせていう。」と記されている。
- ^ 谷岡武雄・山口恵一郎監修・三省堂編集所編『コンサイス日本地名事典 第3版』(三省堂、1989年12月発行)の「千島列島」の項目によると、「カムチャツカ半島と北海道島の間にある弧状列島。南東側を北太平洋、北西側をオホーツク海にわける。おもな島はシュムシュ島・アライト島・パラムシル島・オンネコタン島・シャスコタン島・マツワ島・ラショワ島・ケイト島・シンシル島・ウルップ島・択捉島・国後島。1875(明治8)年樺太千島交換条約により日本領土となったが、日本はサンフランシスコ平和条約で領土権を放棄」となっている。
- ^ 『広辞苑』(岩波書店、2018年1月第七版発行)の「千島列島」の項目によれば、「北海道本島東端からカムチャツカ半島の南端に達する弧状の火山列島。国後(くなしり)・択捉(えとろふ)(以上南千島)、得撫(うるっぷ)・新知(しむしる)・計吐夷(けとい)・羅処和(らしょわ)・松輪(まつわ)・捨子古丹(しゃすこたん)・温祢古丹(おんねこたん)(以上中千島)、幌筵(ぱらむしる)・占守(しゅむしゅ)・阿頼度(あらいど)(以上北千島)など。第二次大戦後ソ連のちロシアの統治下にある。クリル列島。」と記載されている。
- ^ アジア大陸の東部は、地殻の変動により3000万年前から分裂・拡大してきた地域と考えられている。この大陸の東辺部にできた断裂の1つが、1900万年前から日本海の位置で起こった。次第にその断裂が大きくなり、日本海の原型ができあがっていった。そして1500万年前までに日本海は現在の大きさまで拡大した(佐原真、ウェルナー・シュタインハウス監修、独立行政法人文化財研究所 奈良文化財研究所編集 『ドイツ展記念概説 日本の考古学(普及版) 上巻』学生社 2007年 P.20)。
- ^ 観音開きモデル説を裏付けるものとして、堆積当時の磁極が記録される地層の地磁気模様の偏角の変化などがある。
- ^ 【参考】 日本最古の歴史書 『古事記』 (712年献上) では、日本を「大八島国」(おおやしまのくに)と呼び、次の「八つの島」の総称としている(国産み#島産み)。
登場順に、現代の呼称表記で、淡路(あわじ)、四国、隠岐(おき)、九州、壱岐(いき)、対馬(つしま)、佐渡、本州、以上 8島。(この後さらに6島が紹介される。これら14島の原文での呼称表記は『古事記』・『日本書紀』の比較表を参照)
また、『日本書紀』(720年完成)では、日本を、「大八洲国」(おおやしまのくに)と表記している。
なお、「大八島国・大八洲国」の意味は、「八つの島から成る国」ではなく、「多くの島から成る国」とされる。(*)
すなわち、古代日本そして日本の神話において、「八」は聖数、漠然と数が大きいこと、多いこと、その例えとして用いられた 8#その他 8 に関すること。(例: 「八重桜(やえざくら)」、「八百万(やおよろず)の神 多くの神 」、「千代(ちよ)に八千代(やちよ)に 永遠に 」、「八雲(やくも) 幾重にも折り重なった雲 」、等々)
(*) 広辞苑・大辞林・大辞泉等も、「多くの島から成る国」をその意味としている。
出典
- ^ 右下に南西にある沖縄周辺を記載しているので、実際の位置とは異なる。
- ^ 大辞林第3販 項目「日本列島」
- ^ “日本列島”, 世界大百科事典, 平凡社, (2009)
- ^ 大辞林 第三版 日本列島、デジタル大辞泉 日本列島
- ^ 世界の火山, 内閣府
- ^ 谷岡武雄・山口恵一郎監修・三省堂編集所編『コンサイス日本地名事典 第3版』(三省堂、1989年12月発行)の「日本列島」の項目に基づく。
- ^ Microsoftエンカルタ総合大百科2003「日本」の項目よりNCID BA85593287。オンライン版(2007年2月20日閲覧)[リンク切れ]。
- ^ 佐原真、ウェルナー・シュタインハウス監修、独立行政法人文化財研究所 奈良文化財研究所編集 『ドイツ展記念概説 日本の考古学(普及版) 上巻』学生社 2007年 P.20-21
- ^ 佐原真、ウェルナー・シュタインハウス監修、独立行政法人文化財研究所 奈良文化財研究所編集 『ドイツ展記念概説 日本の考古学(普及版) 上巻』学生社 2007年 P.22
- ^ 佐原真、ウェルナー・シュタインハウス監修、独立行政法人文化財研究所 奈良文化財研究所編集 『ドイツ展記念概説 日本の考古学(普及版) 上巻』学生社 2007年 P.29-30
- ^ 米倉伸之・貝塚爽平・野上道男・鎮西清高編著『日本の地形1 総説』東京大学出版会 2001年 2ページ
- ^ 小田静夫「旧石器時代の磨製石斧」
- ^ YFull YTree v10.03.00
- ^ Shi, Hong; Zhong, Hua; Peng, Yi; Dong, Yong-li; Qi, Xue-bin; Zhang, Feng; Liu, Lu-Fang; Tan, Si-jie; Ma, Runlin Z; Xiao, Chun-Jie; Wells, R Spencer; Jin, Li; Su, Bing (October 29, 2008). "Y chromosome evidence of earliest modern human settlement in East Asia and multiple origins of Tibetan and Japanese populations". BMC Biology (BioMed Central) 6: 45. doi:10.1186/1741-7007-6-45. PMC 2605740. PMID 18959782. Retrieved November 21, 2010.
- ^ 日本近海は生物多様性のホットスポット 〜全海洋生物種数の14.6%が分布〜
- ^ 日本近海に海洋生物3万3000種、多様性は世界有数
- ^ 生物多様性ホットスポット|JAPAN HOTSPOT-生物多様性情報サイト
- ^ 白尾元理・小畦尚・斎藤靖二著『新版 日本列島の20億年 - 景観50選 -』 岩波書店 2009年 7ページ
- ^ 白尾元理・小畦尚・斎藤靖二著『新版 日本列島の20億年 - 景観50選 -』 岩波書店 2009年 6ページ
- ^ 大和大峰研究グループ著『大峰山・大台ヶ原山 -自然のおいたちと人々のいとなみ-』築地書館 2009年 61ページ)
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