方響 方響の概要

方響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 08:06 UTC 版)

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方響
各種表記
繁体字 方響
簡体字 方响
拼音 fāngxiǎng
発音: ファンシアン
日本語読み: ほうきょう
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歴史

方響は北周の時代(6世紀後半)に存在し、16枚の鉄板から成り立っていたという[1]。また、南朝のの「銅磬」という楽器が方響の一種であったかもしれないともいう[2]

の燕楽でも方響は用いられた[3]。日本では吉備真備が735年に唐から持ち帰って聖武天皇に献上した楽器の中に方響がある[4]正倉院には鉄方響(てつのほうきょう)と称する方響に使われた鉄板9枚が現存し、1875年(明治8年)に作られた模造(復元)品を東京国立博物館が所蔵する[5]

でも燕楽で使われた[6][7]雅楽では使われなかったが、の雅楽の一種である丹陛楽では方響が使われている[8]

現在日本では、正倉院復元楽器としての方響が前述の1875年(明治8年)に作られたものをはじめ複数存在するが、方響の伝承曲は現存していないため、西洋音楽系の楽曲の編曲や現代音楽等に利用されている。

参考文献

  • 楊蔭瀏『中国古代音楽史稿』上冊、人民音楽出版社、1980年。
  • 楊蔭瀏『中国古代音楽史稿』下冊、人民音楽出版社、1981年。

関連項目


  1. ^ 陳暘『楽書』巻125・方響。「『大周正楽』載、西涼清楽方響、一架十六枚、具黄鍾・大呂二均声。」
  2. ^ 『旧唐書』音楽志二「梁有銅磬、蓋今方響之類。方響、以鉄為之。修八寸、広二寸、円上方下。架如磬而不設業、倚於架上以代鐘磬。人間所用者纔三四寸。」
  3. ^ 楊(1980) pp.254-255
  4. ^ 『続日本紀』天平七年夏四月「辛亥、入唐留学生従八位下下道朝臣真備献(中略)鉄如方響写律管声十二条。」
  5. ^ 西川明彦 「《正倉院宝物関連資料紹介》東京国立博物館所蔵金工・刀剣模造品」 『正倉院紀要』 33号、39頁、2011年https://shosoin.kunaicho.go.jp/api/bulletins/33/pdf/0333030062 
  6. ^ 楊(1980) p.414
  7. ^ 楊(1981) p.725
  8. ^ 楊(1981) p.1006


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