じきけん
昭和53年(1978)9月に打ち上げられた科学衛星EXOS-B(エクソスビー)の愛称。東京大学宇宙航空研究所(後の宇宙科学研究所、現JAXA(ジャクサ))が開発。名称は地球の「磁気圏」に由来する。近地点と遠地点が大きく異なる楕円軌道をとり、磁気圏のプラズマと波動の相互作用などを観測した。昭和60年(1985)に運用終了。
じき‐けん【磁気圏】
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 15:38 UTC 版)
磁気圏(じきけん、英: magnetosphere)は、天体の層の一つ。
- ^ “2.「ひさき」が明らかにした木星磁気圏の動的描像”. 宇宙科学研究所. 2023年8月31日閲覧。
- ^ 地球の磁気圏に巨大な穴、見つかる Gizmodo Japan、2008年12月
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:59 UTC 版)
海王星の磁気圏は天王星に似ている。その磁場は海王星の自転軸に対して47°も傾いており、磁気軸が海王星の物理的中心から少なくとも海王星の半径の0.55倍(約13,500 km)もずれている。ボイジャー2号が海王星に到着するまでは、先に海王星と同じように傾斜している天王星の磁場は天王星の横向きの自転によるものと仮定されていた。2つの惑星(氷惑星)の磁場の比較において、科学者たちはこの磁場の極端な傾きは惑星内部の流動によるものかもしれないと考えている。この磁場は、薄い球殻状に分布している導電性の液体(おそらくアンモニア、メタン、水が混合している)の中での対流運動によって引き起こされるダイナモ作用によって発生しているかもしれない。 海王星の磁気赤道における磁場の双極子成分は約14 μT(0.14 G)、双極子磁気モーメントは約2.2×1017 T·m3(約14 μT·RN3、ここでのRNは海王星半径を指す)である。海王星の磁場は、双極子モーメントの強度を超える可能性がある強い四重極モーメントを含む、非双極子成分からの比較的大きな寄与があり、複雑な構造を有している。それとは対照的に、地球、木星、土星は比較的小さな四重極モーメントしか持たず、それらの磁場は自転軸からあまり傾いていない。海王星の大きな四重極モーメントは、惑星の中心からのズレと磁場のダイナモ発生の幾何学的な制約による結果であるかもしれない。 磁気圏が太陽風を減速させ始める海王星のバウショックは海王星半径の34.9倍(約86万 km)離れた距離で発生している。磁気圏の圧力が太陽風と釣り合う磁気圏界面は海王星半径の23~26.5倍(約56万6,000~66万 km)離れている。磁気圏の尾部は、海王星半径の少なくとも72倍(約177万 km)、もしくはさらに遠方まで伸びているとされている。
※この「磁気圏」の解説は、「海王星」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「海王星」の記事については、「海王星」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:24 UTC 版)
詳細は「磁気圏#地球磁気圏」を参照 地球磁場は平均3-7/105kTであり、地球の外側まで展開している。この磁場は太陽から吹き付けるプラズマの風(太陽風)とぶつかり、干渉する面(衝撃波面-磁気圏境界面)を形成しながら太陽方向では押しつぶされて地球半径の約10倍、夜側では1000倍程度の閉じた領域を持つ。 20世紀になり、地殻上空約100kmに電波を反射する層(電離層)が発見され、これが長距離通信を可能としたことから磁気圏の研究が進んだ。電離層は大気がイオンと電子に分離している層であり、90-300kmの領域ではオーロラが発生する。
※この「磁気圏」の解説は、「地球」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「地球」の記事については、「地球」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:59 UTC 版)
水星磁場は惑星の周囲で太陽風をそらして磁気圏をつくり、宇宙風化作用(英語版)に抵抗する程度には強力だが、それは地球の大きさに収まる位の範囲でしかない。マリナー10号の観測では、夜側の磁場圏でエネルギーが低いプラズマが観測され、高エネルギー粒子の噴出も見つかった。これは、惑星磁気圏の高い活動を示している。2008年10月6日にメッセンジャーが2度目のフライバイを行った際、惑星磁場と繋がったまま水星半径の1/3に相当する800kmの長さに伸びた竜巻のようにねじれた磁気の束と遭遇した。これは、水星磁場が「漏れやすい」性質を持つことを示す。この竜巻は、太陽風が運んだ磁場と惑星磁場が接触した際に発生する。太陽風の通過とともに繋がった磁場は引き出され、渦のようなねじれ構造を持つ。このような、惑星磁場の磁力管が太陽風によって引っぱり出される現象(磁束輸送事象(英語版))は、磁場の壁に穴を空けてしまい、そこから水星表面に影響を及ぼす太陽風が吹き込む事態を起こす。磁気再結合と呼ばれるこのような現象は珍しくなく、地球でも起こっている。ただし現在の観測では、これが生じる速度は地球よりも10倍も速く、水星が太陽に近いことでもこの速さの1/3程度しか説明できない。
※この「磁気圏」の解説は、「水星」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「水星」の記事については、「水星」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:00 UTC 版)
土星は磁気双極子という単純な対称形をした固有磁場を持つ。赤道付近での強度は0.2ガウス(20マイクロテスラ)であり、木星磁場の約1/20、地球磁場よりも若干弱い。その結果として、土星の磁気圏は木星よりも非常に小さい。ボイジャー2号が磁気圏に突入した際、内部の太陽風は依然として強く、磁気圏の大きさは土星半径の19倍(110万km)の広がりしか持っていなかった。その時は、数時間後には膨張を見せたが、結局たった3日でまた元に戻った。磁気圏は木星と同じく内部に液状の金属水素の層が存在し、ダイナモ効果によって発生している可能性が高い。この磁気圏は太陽風を逸らす効果を持つ。磁気圏の外を公転する衛星のタイタンの大気から供給されるイオン化された粒子は磁気圏内でプラズマ化し、極地で地球のようなオーロラを発生させる。
※この「磁気圏」の解説は、「土星」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「土星」の記事については、「土星」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 04:03 UTC 版)
磁場をもつ恒星は周囲の宇宙空間に磁気圏を展開する。磁気圏による磁力線は恒星の一方の磁極から出て、もう一方の磁極へ入り、閉曲線をなす。磁気圏は磁力線を流動させる恒星風によって閉じ込められた荷電粒子を収容している。恒星の自転に応じて、磁気圏も荷電粒子を引きずりながら回転する。 恒星が光球から恒星風とともに物質を放出するとき、磁気圏は放出された物質にトルクを加える。この結果、恒星から周囲の宇宙空間へ角運動量が移転し、恒星の自転速度を抑える働きが起こる。速い自転をする恒星は質量損失率がより高いため、角運動量の損失がより早くなる。自転速度が遅ければ、角運動量の損失も遅くなる。これにより、恒星は無回転状態へ至ることはないが、徐々に無回転状態へ近づいていく。
※この「磁気圏」の解説は、「恒星磁場」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「恒星磁場」の記事については、「恒星磁場」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 10:22 UTC 版)
2001年にM9型超低温矮星LP 944-20から電波放射バーストが検出されて以降、アレシボ天文台や超大型干渉電波望遠鏡群を用いて電波を放射する別の天体を探索する観測プログラムがいくつも立ち上がった。現在までに、これらの電波望遠鏡で数百の超低温矮星、10を超えるの電波放射超低温矮星が発見されており、これらの観測により、約5-10%の超低温矮星が電波を放射することが示唆されている。注目すべきものとして、温度が800-900 Kの2MASS J10475385+2124234は、既知の最も温度の低い電波放射超低温矮星である。T6.5型褐色矮星で、地球の磁気圏の3000倍以上強い、1.7 kG以上の磁気圏を持つ。
※この「磁気圏」の解説は、「超低温矮星」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「超低温矮星」の記事については、「超低温矮星」の概要を参照ください。
磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 01:48 UTC 版)
ガリレオ探査機は1995年から2000年までの間に6回の近接フライバイを行った (それぞれG1、G2、G7、G8、G28とG29と呼ばれている)。これらの接近観測では、ガニメデが木星の磁場とは独立した固有の磁気モーメントを持つことが明らかになった。磁気モーメントの値は 1.3×1013 T m3 であり、これは水星が持つ磁気モーメントの3倍である。磁気双極子はガニメデの自転軸に対して 176° 傾いており、これは木星の磁気モーメントに対して反対の方向を向いていることを意味する。北磁極はガニメデの軌道平面よりも下にある。この固有磁気モーメントによる双極子磁場の強さはガニメデの赤道で 719 ± 2 nT であり、ガニメデの軌道における木星の磁場強度はおよそ 120 nT である。ガニメデの赤道での磁場は木星の磁場の逆方向を向いているため、磁気リコネクションが発生しうることを意味している。両磁極における固有磁場の強度は赤道の2倍の 1,440 nT である。 ガニメデのオーロラ。オーロラベルトのずれは内部の塩分を含んだ海の存在を示唆している。 固有磁気モーメントはガニメデの周囲の磁場を形作り、木星の磁気圏の中に埋め込まれた小さいガニメデの磁気圏を形成する。ガニメデはこのような特徴を持つことが知られている唯一の衛星である。磁気圏の直径はガニメデの半径の4〜5倍である。ガニメデの磁気圏は緯度 30° 以下の領域の閉じた磁力線の領域を持ち、この中では荷電粒子(電子とイオン)が閉じ込められており、一種の放射線帯を形成している。磁気圏内の主要なイオン粒子は一階電離の酸素(O+)であり、ガニメデに希薄な酸素大気が存在するという事実と合致する。緯度が 30° よりも高い両極域では磁力線は開いており、ガニメデを木星の磁気圏と繋げている。この領域では数十や数百 keV の電子とイオンが検出されており、ガニメデの極周辺で観測されているオーロラを引き起こしていると考えられる。さらに、重いイオンはガニメデの極域に継続的に降り注いでおり、その領域の氷のスパッタリングと暗色化を引き起こしている。 ガニメデの磁気圏と木星のプラズマの相互作用は、多くの点で太陽風と地球の磁気圏の相互作用と似ている。木星と共回転するプラズマはガニメデの磁気圏の後行半球側に影響を及ぼすが、これは太陽風が地球の磁気圏に影響を及ぼす様子と似ている。異なる点はプラズマの速度であり、地球に吹き付ける太陽風のプラズマは超音速であるのに対し、ガニメデの場合は亜音速である。亜音速であるため、ガニメデの後行半球側にはバウショックは形成されない。 ガニメデは固有の磁気モーメントの他に、誘導された双極子磁場も持っている。この磁場の存在はガニメデ周辺での木星磁場の変動と関係している。誘導された磁気モーメントは、惑星磁場の変動する部分の方向に沿って、木星の方向もしくは木星の反対方向を向く。この誘導された磁場は、ガニメデの固有磁場よりも一桁弱い。磁気赤道における誘導磁場の強度はおよそ 60 nT であり、周辺の木星磁場の半分程度である。ガニメデに誘導される磁場はカリストやエウロパに見られるものと似ており、ガニメデも高い電気伝導率を持った水の地下海を持っていることを示唆している。 ガニメデは完全に分化していて金属核を持っていることから、ガニメデの固有磁場もおそらくは地球の磁場と同じメカニズムで生み出されている。すなわち、天体内部での導電性物質の移動の結果として磁場が発生しているというものである。ガニメデ周辺で検出されている磁場は、もし磁場がダイナモや磁気対流によって生成されているとすると、核での組成対流によって引き起こされていると思われる。 鉄の核が存在するにも関わらず、特に類似した天体が磁気圏を持っていないことを考えると、ガニメデの磁気圏には謎が残されている。ある研究では、サイズが小さいことを考えると、核は流体運動が起きている場所まで十分に冷えてしまっているはずであり、従って磁場を維持することが出来ないことを示唆している。一つの説明は、ガニメデの表層を破壊した原因として提案されているものと同じ軌道共鳴によって、磁場も維持することが出来たというものである。この仮説では、過去の共鳴によってガニメデの軌道離心率が上昇してマントルでの潮汐加熱も上昇し、これによって核からの熱流が抑えられ、核を流体に保ち対流が継続したとされている。別の仮説は、現在の磁場はマントルのケイ酸塩岩石の残留磁化によるというというものである。これは、過去に衛星がより活発なダイナモ機構による磁場を持っていた場合に可能である。
※この「磁気圏」の解説は、「ガニメデ (衛星)」の解説の一部です。
「磁気圏」を含む「ガニメデ (衛星)」の記事については、「ガニメデ (衛星)」の概要を参照ください。
「磁気圏」の例文・使い方・用例・文例
磁気圏と同じ種類の言葉
- 磁気圏のページへのリンク