過塩素酸 過塩素酸塩

過塩素酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/29 22:51 UTC 版)

過塩素酸塩

過塩素酸塩(かえんそさんえん、: perchlorate)は過塩素酸イオン (ClO
4
) を含むイオン結晶であり、火薬爆薬にしばしば使用される強力な酸化剤である。炭素硫黄、有機物および金属粉などとの混合物は摩擦、衝撃などにより激しく爆発する。日本の消防法では危険物第1類(酸化性固体)に該当する。

塩素酸塩水溶液の電解酸化および、過塩素酸に金属酸化物を溶解することにより製造される。

多くのものは吸湿性で水に易溶であるが、カリウムKClO4ルビジウムRbClO4セシウムCsClO4 およびテトラアルキルアンモニウムR4NClO4 などは水に対する溶解度が比較的小さい(水100 gに対し1-2 g程度)。

主な用途は固体ロケットの推進剤中の酸化剤である。過塩素酸カリウムが最初に用いられるようになり、現在では過塩素酸アンモニウムが最も重要な塩となっている。過塩素酸リチウムは重量当たりの酸素量が最も多く、固体推進剤としての利用が調査されているが、実用には至っていない。

関連項目


  1. ^ a b Merck Index 13th ed., 7232.
  2. ^ a b D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)
  3. ^ FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  4. ^ a b 化学大辞典編集委員会 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  5. ^ シャロー 『溶液内の化学反応と平衡』 藤永太一郎、佐藤昌憲訳、丸善、1975年
  6. ^ 『改訂4版化学便覧基礎編Ⅱ 無機化合物水溶液のモル伝導率』 日本化学会、1993年
  7. ^ L. Suidan, J. K. Badenhoop, E. D. Glendening and F. Weinhold, J. Chem. Educ., 72, 583 (1995).


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