市町村 要件

市町村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 05:52 UTC 版)

要件

市となる要件

町村がとなるためには、以下の要件を満たさなければならない(8条第1項)。

  • 人口5万人以上。ただし1965年(昭和40年)以降は、市町村の合併の特例に関する法律平成16年法律第59号の新法では第7条)の規定が適用されれば3万人以上。
  • 中心的市街地に全戸数の6割以上がある。
  • 商工業その他の都市的な業態に従事する者およびそれと同一世帯に属する者の数が全人口の6割以上。
  • 当該都道府県条例で定める都市的施設その他の都市的要件を備えている。

町となる要件

村がとなるためには、その村の属する都道府県が条例で定める各要件(人口、連坦戸数あるいは連坦率、必要な官公署等、産業別就業人口割合等)を具備する必要がある(8条2項)。人口要件は、5000人とする県が最も多く、次いで8000人とする府県が多い。

なお、村の要件については特段の定めはない。町となる条件を満たしていなければ、自動的に村である。

町となるための人口要件

下限 都道府県(※村の有無は、2010年/平成22年現在)
村あり 村なし
1万5,000人  栃木県
1万0,000人  岩手県  群馬県  東京都  新潟県  福井県  香川県
8,000人  青森県  山形県  福島県  長野県  大阪府
 奈良県  島根県  高知県  大分県  沖縄県
 石川県  静岡県
7,000人  佐賀県
5,000人  北海道  宮城県  秋田県  茨城県  埼玉県
 千葉県  神奈川県  山梨県  岐阜県  愛知県
 京都府  和歌山県  徳島県  福岡県  熊本県
 宮崎県  鹿児島県
 三重県  滋賀県  山口県  愛媛県
4,000人  鳥取県  広島県  長崎県
3,000人  富山県  岡山県  兵庫県

原則として単独町制の場合であり、合併促進のために特例を設けている都道府県もある。

市・町への移行

町・村が市に、または村が町になるためには、関係市町村の申請に基づいて都道府県知事都道府県議会の議決を経て決定し、直ちに総務大臣に届け出る(8条3項)。

移行は義務ではない。たとえば茨城県美浦村東海村は、いずれも町となる要件(茨城県の人口要件は5000人)を満たしているが、町にはなっていない。

廃置分合等による「移行」

町または村を廃し、同時に市または町を新設すれば、町または村から市または町に「移行」したように見える。しかしこの場合、たとえ(「市」「町」「村」部分を除いた)名前が同じでも、旧町・村と新市・町は別個の地方公共団体であり、法人格は連続していない。

実際には廃置分合(合体・編入、いわゆる市町村合併)などによってこのようなケースが生じるが、新設自治体が市や町の要件を満たしていてもそれを選択するのは義務ではない。平成の大合併で初の「村」の新設となった熊本県南阿蘇村は、旧3村の合併によって町となる人口要件(5000人)の倍以上の人口を有しながら、阿蘇山南郷谷の自然環境や農村のイメージを重視して村であることを積極的に選択した。

町・村への「降格」

移行による「降格」

市への移行後にその要件を満たさなくなった市が町や村に、または町への移行後に要件を満たさなくなった町が村になる場合も、前述の市・町への移行と同様の手続きを取る(8条3項)。市が町や村に、または町が村になれば、一部の業務を都道府県の管轄に移管することができる。これにより負担が軽くなるメリットが見込めるが、一方で業務軽減に応じて地方交付税の交付額が減額されたり、職員の名刺や印刷物の表記変更などの事務量が発生するデメリットがある。

地方自治法上、市町村間に「格」の違いや上下関係は存在しない。従って「降格」や「昇格」といった概念もないが、市が町・村よりも格上、町が村よりも格上と感じる意識は住民の間に存在している[4]。こうしたことから、住民や職員のモチベーション、地元への愛着、イメージ等に与える負の影響を避けるため、そもそも町や村への移行が検討されることもまずなく、2019年(令和元年)現在まで行われた例は一つもない。たとえば、ピーク時には人口約4万6000人を数えた北海道歌志内市は、後の過疎化によって町となる人口要件(5000人)をも下回っているが、村にはなっておらず、深刻な財政難に陥り2006年(平成18年)に町への移行が本格的に検討された北海道夕張市でも結局選択されなかった[5]

廃置分合等による「降格」

市または町を廃し、同時に町または村を新設すれば、市または町から町または村に「降格」したように見える。しかしこの場合、たとえ(「市」「町」「村」部分を除いた)名前が同じでも、旧市・町と新町・村は別個の地方公共団体であり、法人格は連続していない。実際には他の廃置分合や境界変更を伴う場合にこのようなケースがあり、たとえば以下の例が挙げられる。

神奈川県渋谷町→渋谷村(現・大和市
町域の一部が他市に編入され、残った町域で町が廃され同時に村が新設された。
長野県宮田町→駒ヶ根市宮田村
他の自治体と合併して市となった後、再度分離独立して村が新設された。

「降格」が回避されたケースとしては、加美町がある。平成の大合併の際、宮城県加美郡では中新田町小野田町宮崎町色麻町の4町が合併して加美市を作る構想があった。しかし、途中で色麻町が合併協議を離脱したため、合計人口が3万人を割り込んで市制の条件を満たさなくなり、さらに中心部の建物の密度が県条例で定める町の要件に満たなかったので、合併によって逆に村に「降格」するのではと取り沙汰された。市町村間に「格」の違いや上下関係は存在しないが、たとえば西日本新聞社のニュースでも「降格」「昇格」という用語が用いられたり、「残念」「みっともない話」とする市民の声が取り上げられていた。県条例を改正した結果、最終的に加美町として新設合併することとなった[4]


注釈

  1. ^ a b c ロシア実効支配している北方領土に属する色丹村泊村留夜別村留別村紗那村蘂取村の6村は含まない
  2. ^ a b c いずれも平成の大合併により誕生した町である。

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