インパクト‐ドライバー【impact driver】
インパクトドライバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/27 01:28 UTC 版)
「インパクトレンチ」の記事における「インパクトドライバー」の解説
詳細は「en:Impact driver」を参照 インパクトドライバーは、インパクトレンチと同じく衝撃を利用してねじを回すドライバーであるが、インパクトレンチとは異なり、高い回転トルクと同時にねじその物に垂直方向の打撃力を与える効果を持つ事が特徴である。そのため、錆や焼きつきなどで固着したり、過剰なトルクで締め込まれて人力での脱着が困難なねじを回す用途で用いられる。 インパクトドライバーはねじ頭の形状との相性があり、人力で回した場合にカムアウト(en:cam out)と呼ばれるドライバーの浮き上がり現象が生じやすいプラスネジで特に有効なもので、最初からカムアウトの対策が施されているトルクスや、構造上カムアウト現象よりも回転の中心軸のずれの方が脱着の重要な要素となるマイナスネジでは余り有効であるとはいえない。 手動式のものが一般的で、コアと呼ばれる中心軸の周囲にスリーブと呼ばれる重い部材がスプライン (機械)(英語版)嵌合で取り付けられており、ハンマーでスリーブに与えられた衝撃は、コアに対して垂直方向の打撃力と同時にねじの回転方向に対して強いトルクを発生させる。作業者はねじに対してインパクトドライバーの先端を宛がった後に、回転させたい方向へ一杯までスリーブを回し、スリーブが動かなくなった所でハンマーで打撃してねじに回転力を与える。手動式インパクトドライバーは打撃前にスリーブを回転させる方向によって、トルクを発生させる方向を変更出来るので、締め付け、取り外しの双方の作業が行えるようになっている。 建設業など、より速く、多数のねじの締め付け作業を行う用途向けに、電動や圧縮空気を用いたインパクトドライバーも存在するが、一部を除いて手動式と比べて垂直方向の打撃力は手動式に比較して小さい傾向がある。 一般に軸先端には、電動ドライバーや電気ドリルと同様の、六角軸を差し込んで接続する部分が設けられており、六角軸のビットを接続して使用する。ビットと本体の接続には、ドリルチャックやワンタッチスリーブ(差込部の外側にロック機構を内蔵したスリーブが設けられ、引っ張るだけでビットが脱着できる機構)が使用されている。ビットには二面幅5mm、6.35mm、8mmなどのものが用いられるが、利便性や国内での流通性から、6.35mmのものが圧倒的に多く使用されている。また、使用されるビットには、プラス・マイナスドライバービットやソケットビット(後端に六角軸が付いたソケット)がある。 最近では、インパクトドライバーに電動ドライバー・ドリルの機能(打撃を与えない・クラッチ機構など)や、振動ドリルの機能を備えた商品も販売されている。なお、電動ドライバー・ドリル用のドリル錐をインパクトドライバーに使用すると、簡単に折れる可能性があるため非常に危険である。これも理由はインパクトレンチのソケットと同様に、使用されている材質の硬度と靱性に起因する物で、インパクトドライバーには靱性に富んだ材質・構造の専用のビットを用いなければならない。 インパクトドライバーとインパクトレンチは動作原理上は同じ物であり、機能上も重複する点が多いが、それぞれ得意とする作業内容が異なるために、混同する事は避けるべきである。 手動式インパクトドライバー 電動(バッテリー)式インパクトドライバー インパクトドライバー専用ビット
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