anneal
「anneal」の意味・「anneal」とは
「anneal」とは、金属やガラスなどの材料を加熱し、その後ゆっくりと冷却することである。この工程は、材料の内部構造を改善し、硬さや耐久性を向上させるために行われる。例えば、鉄を加熱し、その後冷却することで鉄の内部構造が変化し、より強固な材料が得られる。「anneal」の発音・読み方
「anneal」の発音は、IPA表記では /əˈniːl/ となる。IPAのカタカナ読みでは「アニール」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「アニール」と読む。発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。「anneal」の定義を英語で解説
「Anneal」 is a process in which a material, such as metal or glass, is heated and then slowly cooled to improve its internal structure and enhance its hardness and durability. For example, heating and then cooling iron changes its internal structure, resulting in a stronger material.「anneal」の類語
「Anneal」の類語としては、「temper」や「harden」がある。「Temper」は、金属を加熱し、その後急速に冷却することを指す。一方、「harden」は、材料を硬くする一般的な表現である。「anneal」に関連する用語・表現
「Anneal」に関連する用語としては、「quench」や「forge」がある。「Quench」は、金属を高温に加熱した後、急速に冷却することを指し、これにより金属は硬化する。「Forge」は、金属を加熱し、その後形状を変えることを指す。「anneal」の例文
1. The blacksmith anneals the iron to make it stronger.(鍛冶屋は鉄を強化するために焼きなましを行う。)2. Annealing glass can prevent it from cracking.(ガラスを焼きなましすると、割れるのを防げる。)
3. The process of annealing can change the properties of the material.(焼きなましの工程は、材料の性質を変えることができる。)
4. Annealing is an important step in the production of steel.(焼きなましは、鋼の生産における重要なステップである。)
5. The goldsmith annealed the gold to make it more malleable.(金細工師は金をより加工しやすくするために焼きなましを行った。)
6. Annealing can improve the durability of the material.(焼きなましは、材料の耐久性を向上させることができる。)
7. The jeweler annealed the silver before shaping it into a ring.(宝石商はリングに成形する前に銀を焼きなましした。)
8. The process of annealing requires careful control of temperature.(焼きなましの工程は、温度の慎重な制御を必要とする。)
9. Annealing can reduce the brittleness of the material.(焼きなましは、材料のもろさを減らすことができる。)
10. The copper was annealed to improve its conductivity.(導電性を向上させるために、銅は焼きなましを行った。)
アニール
焼なまし
(アニール から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 08:23 UTC 版)
焼なまし(やきなまし、英語: annealing)、焼鈍し、焼き鈍し、焼鈍(しょうどん)、アニーリングとは、材料の加工硬化による内部のひずみを取り除き、組織を軟化させ、展延性を向上させる熱処理である[1]。目的に応じて多くの種類・方法が存在する。焼きなましと「き」の送り仮名をつける表記もあるが、本記事では日本産業規格(旧日本工業規格)、学術用語集の表記に準ずる[2][3]。
金属の焼なまし
完全焼なまし
最も一般的に行われるのが完全焼なましである。鋼をできるだけ柔らかくすることができる[4]。単に焼なましと言えば、この完全焼なましを指す場合が多い[5]。不必要な残留応力の除去や[6]、鋳鋼品や熱間鍛造品などで結晶粒が粗大化したものを標準組織に回復させる[5]。
保持温度は、亜共析鋼の場合は鉄 - 炭素系平衡状態図のA3線より20 - 30℃高い温度で、過共析鋼の場合はA1線より20 - 50℃高い温度で行う[5]。この温度で十分時間保持することで、組織をオーステナイト化させる。その後、100℃/h以下のゆっくりとした冷却速度で徐冷を行う[4]。通常は炉中で冷却する炉冷で行われ、炉外で行う場合は灰中で冷却される[5][6]。徐冷により、完全焼なまし後は柔らかい層状パーライト組織などが得られ[5]、鋼の標準組織となる[1]。

応力除去焼なまし
応力除去焼なましは、鍛造、鋳造、冷間加工、溶接、機械加工などで生ずる残留応力を除去するために行われるもので、ひずみ取り焼なましとも呼ぶ[7]。また、熱処理の中では低温で行うことから、低温焼なましとも呼ばれる[8]。鋼は、その再結晶温度を超えると再結晶が発生し、ひずみの無い結晶に戻り残留応力が解放される[8]。これを利用して応力除去焼きなましでは、残留応力除去を行う。
保持温度は、再結晶温度約450℃以上からA1線約730℃以下までの間で行われる[4]。加熱温度が高いほど残留応力の除去量が大きくなるが、一般には約500 - 650℃で加熱保持される[8]。鋳鉄の場合は約500 - 700℃[9]、溶接による残留応力除去の場合は約600 - 680℃[10]で保持される。
その他
その他の焼なましの種類として、球状化焼なまし、中間焼なまし、拡散焼なまし、等温焼なまし、軟化焼なましなどがある。
半導体の焼きなまし
半導体の加工プロセスにおいても焼きなまし工程が存在する。これはシリコン基板にヒ素やリンなどの不純物注入した後に注入した不純物原子をシリコン格子と共有結合させることで電気的に活性化するために行う処理である。半導体の加工プロセスにおいてはこの処理の呼称として「焼きなまし」という日本語よりも英語に由来する「アニール」「アニーリング」が使われる。
半導体の場合、それよりも前の工程で注入されてある別の不純物が焼きなましの加熱によって拡散してしまい半導体としての電気的特定が悪化してしまうため、焼きなまし工程は可能な限り短くする努力が行われる。短時間の焼きなまし工程を「ラピッドサーマルプロセス」という。
その他の例
放射性元素によりメタミクト化した非晶質の鉱物の結晶構造を復元するためにアニーリング(焼なまし)が行われることがある。
脚注
- ^ a b 日本機械学会 編『機械工学辞典』(第2版)丸善、2007年、1307頁。ISBN 978-4-88898-083-8。
- ^ JIS B 6905 p.2
- ^ “オンライン学術用語集検索ページ”. 学術用語集. 文部科学省・国立情報学研究所. 2014年9月21日閲覧。
- ^ a b c 熱処理技術マニュアル p.40
- ^ a b c d e 熱処理ガイドブック p.121
- ^ a b 機械工作法Ⅰ p.183
- ^ 機械工作法Ⅰ p.184
- ^ a b c 熱処理ガイドブック p.122
- ^ “誰でも分かる鋳物基礎講座”. 日本鋳造工学会関東支部. 2014年7月23日閲覧。
- ^ 溶接学会 編『溶接・接合技術入門』(第3版)産報出版、2010年、265頁。 ISBN 978-4-88318-151-3。
参考文献
- 日本工業標準調査会(編)、1995、『JIS B 6905 金属製品熱処理用語』
- 大和久重雄、2008、『熱処理技術マニュアル』増補改訂版、日本規格協会
- 日本熱処理技術協会、2013、『熱処理ガイドブック』4版、大河出版
- 朝倉健二・橋本文雄、2002、『機械工作法Ⅰ』改訂版、共立出版 ISBN 4-320-08105-6
関連項目
外部リンク
- 『工学入門シリーズ 熱処理』(1962年) - 文部省(現・文部科学省)の企画の下で日経映画社(現・日経映像)が製作。再生開始後9分23秒から16分15秒までの間、焼なまし法の説明となっている。『科学映像館』より
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