焼戻しとは? わかりやすく解説

やき‐もどし【焼(き)戻し】

読み方:やきもどし

[名](スル)焼き入れをした金属を、焼き入れ温度より低い温度再加熱する操作。鋼を粘り強くするために行うが、高速度鋼などでは硬度が増す。


焼戻し

英語表記tempering

焼入れした鋼を200以上または400600再加熱して硬度下げ粘り強さを出す処理。

凡例同義語は⇒、類似語は→、関連語は?で示す。

焼入れ・焼戻し

一般に知られている焼入れ処理のこと。
焼入れをすることにより、硬度強度)が上げることが出来るため、 切削しやすく、熱処理後は高強度という部品製作することが可能になります

焼入れのみの部品硬いだけで衝撃的な荷重に弱いという弱点をもってます。
この衝撃対す弱さ改善するため、比較的低い温度再度熱処理をすること により衝撃対す強さ持たせます
但し、焼き戻しを行うと多少硬度低下してしまいます。

焼戻し(T)

Tempering焼入れにより硬く脆くなった鋼に、靱性粘り強さ)を与える処理で、鋼をある温度加熱して急冷します。焼戻しだけということは殆どなく、「焼入れ」+「焼戻し」→(調質)で処理するのが一般的です。焼戻し温度が低いほど鋼は硬くなるが、脆いので、強度をあまり落とさない靭性高めるための処理温度として、以下の2種類がある。
低温焼戻し・・200前後耐摩耗性高める)
高温焼戻し・・400600強度靭性高める)

焼戻し

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/08 06:00 UTC 版)

焼戻し(やきもどし、英語: tempering)とは、焼入れあるいは溶体化処理されて不安定な組織を持つ金属を適切な温度に加熱・温度保持することで、組織の変態または析出を進行させて安定な組織に近づけ、所要の性質及び状態を与える熱処理[1][2]焼き戻し焼もどしとも表記する[3][4]


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焼戻し

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 10:33 UTC 版)

和語の漢字表記

(やきもどし)

  1. やきもどし漢字表記



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