アッサンブラージュ【(フランス)assemblage】
読み方:あっさんぶらーじゅ
アッサンブラージュ
アッサンブラージュ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/19 02:39 UTC 版)
アッサンブラージュ(アセンブリッジ、英語:Assemblage)とは、コラージュやパピエ・コレの立体版、すなわち、「立体的なもの」を寄せ集め、積み上げる、貼り付ける、結び付けるなどの方法により制作された美術作品(立体作品)およびその技法。「アサンブラージュ」と表記されることもある。一般の彫刻概念から逸脱するような立体作品である。全体として、ある種の統一性がある場合もあるが、統一性がなく、混沌としていることが特徴の場合もある。
寄せ集め、積み上げる、結び付けるとの意味から、ワインの原酒を混ぜ合わせるという伝統的なワイン造りの技法の名称ともなっている[1]。
歴史

このアート様式の起源は、ピカソのキュビスム[2]の立体作品(1912年-1914年)とも言われている[3]。
ここで、アッサンブラージュを構成する「立体的なもの」とは、既製品でも、自然物でも、何でも構わない。ただ、材料費がほとんどかからないか安くすむということから、大きな作品の場合には、空き缶・空き瓶などの廃品が使われることがある。そのような場合には、「ジャンク・アート」(junk art、廃物美術、廃品美術)の作品ともとらえられる。
作品の外観は、一般の美醜感覚からは、美しいと言えるとは限らず、反芸術的・非芸術的な要素・素材があり、その点において、ダダイスムに連結する。また、シュルレアリスムにおける立体作品でも、彫刻のイメージからははずれており、アッサンブラージュと呼べるようなものがある。(第二次世界大戦前の)ダダやシュルレアリスムの場合には、むしろ、単に「オブジェ」と呼ばれることの方が多いかもしれない。
レディメイド[4]の作品は、すべてアッサンブラージュに含める考え方と、「アッサンブラージュ」という言葉の意味から考えて、既製品「単品」の場合には含めず(例えば、マルセル・デュシャンの「泉」。1917年)、既製品を2つ以上組み合わせた場合に限り含める[5]考え方がある。
主なアッサンブラージュのアーティスト
- アルマン
- ハンス・ベルメール
- ウォレス・バーマン
- アンドレ・ブルトン
- ジョン・チェンバレン
- グレッグ・コルソン
- ジョゼフ・コーネル
- ロザリー・ガスコイン
- ラウル・ハウスマン
- ロマール・アズメ
- ジョージ・ハームズ
- ルイ・ハーシュマン
- ロバート・H・ハドソン
- Irma Hünerfauth
- ジャスパー・ジョーンズ
- エドワード・キーンホルツ
- ナンシー・レディン・キーンホルツ
- ルボ・クリステク
- ジャン・ジャック・ルベル
- ジャニス・ローリー
- オンドレイ・マレス
- マルクス・モイラー
- ルイーズ・ネヴェルソン
- 大平實
- メレット・オッペンハイム
- ヴォルフガング・パーレン
- ノア・プリフォイ
- ロバート・ラウシェンバーグ
- フレッド・H・ロスター
- Betye Saar
- アレクシス・スミス
- ダニエル・スペーリ
- ウラジーミル・タトリン
- ヴォルフ・フォステル
- ゴードン・ワグナー
- ジェフ・ヴァスマン
- ヨハン・ディーター・ヴァスマン
- トム・ウェッセルマン
- H・C・ウェスターマン
- ジェフリー・ヴァランス
脚注
- ^ “ワイン通なら知りたい!アッサンブラージュ(Assemblage)とは?”. アカデミー・デュ・ヴァン ブログ. 2024年10月19日閲覧。
- ^ ピカソのほかにジョルジュ・ブラックらが運動の中心画家である
- ^ “The Collection”. The Museum of Modern Art. 2023年8月3日閲覧。
- ^ レディメイドやプレタポルテは既製服、オートクチュールはオーダーメイドによる仕立服・注文服のことを指している
- ^ 例えば、マルセル・デュシャンの「自転車の車輪(スツールの上に自転車の車輪をさかさまに載せた作品)」。1913年
関連項目
外部リンク
アッサンブラージュ
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「セザール・バルダッチーニ」の記事における「アッサンブラージュ」の解説
彼は1921年、マルセイユの移民地区にイタリア系の親のもとで生まれた。小学校中退後父親の手伝いをし、1935年にマルセイユの美術学校に、ついで1943年にはパリの国立美術学校エコール・デ・ボザールに入学した。 第二次世界大戦後に陶工になる職業訓練を受けつつ創作活動を開始した。高価な大理石やブロンズなどは手に入らなかったため、セザールは友人の工場などで手に入るくず鉄など廃棄物を使い、これらを寄せ集めて溶接して、人物や動物など具象的なイメージの荒々しい印象の彫刻を作った。これにはパブロ・ピカソが同様に廃物を寄せ集めて彫刻を作っていたことからの影響もあるといわれる。こうして作られた彼の一連の作品は高い評価を受けた。 彼はデッサンなしの手作業で、くず鉄のかけらを一つずつ組み合わせてアッサンブラージュを作るなど、触覚による手を使った作業や、素材の物質感や表面などに強い関心や愛情を抱いていた。彼の作品は三次元の彫刻でありながら平面的で絵画的なところがあった。形態も次第にそぎ落とされ、抽象的になっていった。
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