ディー‐シー【DC】
読み方:でぃーしー
《dendritic cell》⇒樹状細胞
ランゲルハンス細胞
ヒトの免疫系の細胞で、表皮に存在する樹状細胞。表皮に付着した外来抗原を認識して細胞内に取り込み、T細胞に提示して活性化させる。
樹状細胞
細胞表面に樹状突起を多く持つ単球由来の血球。組織内を移動して外来性の異物を細胞内に取り込んで消化し、MHC分子を使って細胞外に抗原を提示してT細胞を活性化する。
細胞名や細胞内の構造オルガネラに関連する用語: | 極体 構成的ヘテロクロマチン 樹状突起 樹状細胞 母細胞 活性化T細胞 液胞 |
樹状細胞
【概要】 細胞質から多数の長い突起を出している免疫細胞の一つ。単球、マクロファージ系列の細胞。警察機構に例えれば、駐在所の巡査。地域に常駐していて、犯罪の現場に真っ先に駆けつけ、犯罪の様子を警察本部に知らせる役割である。ところがCD4抗原を表面に持っているので、現場に駆けつけたときに最初にHIVに感染してしまう。
【詳しく】 皮下、消化管や気道や性器の粘膜下にいる。皮下にいるものはランゲルハンス細胞と呼ばれ、リンパ節にいるものは濾胞樹状細胞と呼ばれる。樹状細胞の役割はリンパ球に抗原提示をすることである。HIVに感染した樹状細胞はHIVを産生し続けるが、細胞死に結びつかない。つまりHIV供給基地(リザーバー)になってしまう。

樹状細胞
(dendritic cell から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 17:18 UTC 版)
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樹状細胞(じゅじょうさいぼう、英: Dendritic cell)は、抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種であり、哺乳類の免疫系の一部を担っている。
皮膚組織をはじめとして、外界に触れる鼻腔や肺、胃、腸管に存在し、その名のとおり周囲に突起を伸ばしている。表皮の樹状細胞はランゲルハンス細胞と呼ばれる。
抗原提示細胞は自分が取り込んだ抗原を、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。抗原を取り込むと樹状細胞は活性化され、リンパ節や脾臓などの二次リンパ器官に移動する。リンパ器官では取り込んだ抗原に特異的なT細胞を活性化する。この活性化は非常に効率的であり、T細胞の活性化において、樹状細胞はマクロファージよりも優れている[1]。 初期の樹状細胞は抗原を取り込む能力(貪食作用)を持った末梢組織の状態であり、未熟樹状細胞と呼ばれる。
その後、リンパ節に移動し、B7分子を発現してT細胞を活性化する能力を獲得するとともに抗原を取り込む能力を失った樹状細胞を成熟樹状細胞と呼ぶ。
また、マクロファージが一般に持っているFcレセプター、およびC3bに対するレセプターについて、一般に未熟樹状細胞はFcレセプターを持っているが[2][3]、しかし成熟樹状細胞はFcレセプター、およびC3bに対するレセプターを持っていない[4]とされる。
また、リンパ節に入ると樹状細胞はケモカイン CCL18 を分泌してT細胞を誘引するとともに、接着分子 DC-SIGN によりT細胞と強く結合するようになる。この状態における成熟樹状細胞は、その形態から相互連結細網細胞 (interdigitating reticular cell) とも呼ばれる。
樹状細胞は発現している表面抗原分子 (CD, cluster of differentiation) によってさまざまなサブセットに分類される。
発見
1973年、カナダの免疫学者・細胞生物学者ラルフ・スタインマン(1943-2011)は、マクロファージとは異なる大型星状細胞(中枢神経系のグリア細胞の一つアストロサイトとは別)を発見し、樹状細胞と命名した。この功績により、スタインマンは、2011年ノーベル生理学・医学賞を受賞した[5]。
樹状細胞の分類
- 骨髄系樹状細胞(myeloid dendritic cell)
- 形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell)
- ランゲルハンス細胞(Langerhans cell)
- 指状嵌入細胞(interdigitating cell)
- ヴェール細胞(veiled cell)
- 真皮内樹状細胞(dermal dendritic cell)
関連項目
- 濾胞樹状細胞 - 今日では樹状細胞と由来・機能の異なる細胞と考えられている。
脚注
- ^ Parham, Peter 『エッセンシャル免疫学』笹月健彦、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年。
- ^ 宮坂昌之・小安重夫 著『標準免疫学』、2016年2月1日 第3版 第2刷、20ページ
- ^ 『樹状細胞のフェノタイプと免疫染色法』獨協医科大学解剖学マクロ講座 松野健二郎 3ページ目、2020年4月18日に閲覧.
- ^ 小山次郎・大沢利明 著『免疫学の基礎 第4版』、東京化学同人、第4版 第5刷 2013年8月1日 発行、105ページ
- ^ “市民公開講座_20180223 からだをまもる免疫の研究”. 樗木俊聡(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野). 2021年3月30日閲覧。
「dendritic cell」の例文・使い方・用例・文例
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