antecedent

実用日本語表現辞典

antecedent

別表記：アンティシーデント

「antecedent」とは、先立って起きた物事や事情のことを表す言葉で「先立つ」「先行する」「前例」「前歴」「先祖」などを意味する英語表現である。

「antecedent」とは・「antecedent」の意味

「antecedent」とは、「先立つ」「先行する」「〜に先立って」などの意味がある英単語であり、物事の前に関連する出来事が起きたことを指す言葉である。「antecedent」という英単語には「先立って起きた出来事」という意味があるため、名詞として使用するときには、「先祖」という意味で使用することができる。先祖とは、自分が系統を引く人々のことである。一般的に初代や祖父・祖母よりも前の血縁者のことを指している場合が多い。

「antecedent(心理学)」とは

心理学の分野における「antecedent(心理学)」とは、行動療法や認知行動療法などで使用されるABC分析のAのことを指している。ABC分析とは、ヒトが一連にする行動を3つのパターンに分類して分析するもので、人間がした行動について何が原因で行動を起こして、その結果どうなったのかについて調べていくために使われる。ABC分析のAは「Antecedent（先行刺激）」のことであり、Bは「Behavior（行動）」のこと、Cは「Consequences（生じた結果）」のことを指している。例えば、「ダイエット中なのに誘惑に負けてお菓子を食べてしまったら、太った」というケースを分析すると、先行刺激は「お菓子の誘惑に負けた」、行動は「お菓子を食べた」、生じた結果は「体重が増えた」ということになる。ABC分析は、どのような出来事が原因となって問題が起きてしまったかを分析して、問題を解決に導くことを目的としている。「antecedent」は「〜の時に」「〜したら」という行動が起こる直前の環境を指すので、どうすれば行動を起こすことができるのかまたは起こさないことができるのかについて、理由を探るのに重要であると言われている。

「antecedent(言語学)」とは

言語学の分野における「antecedent」とは、分離先行詞のことを指している。分離先行詞とは、「them」「themselves」「each other」などの代名詞が具体的に指示をしている言葉のことである。関係詞は先行詞の直後に置かれることが一般的であるが、分詞や前置詞などで後置修飾が行われる文章の場合は関係詞と先行詞が離れることがある。実は、分離先行詞が指示する英単語が文脈によって問題なく使用できるケースとできないケースが存在する。同じ意味を持つ先行詞を使用した文章なのに、なぜこのような現象が発生するのかは、たびたび言語家の研究対象となっている。

「antecedent」の語源

「antecedent」の語源は、ラテン語で「先行する」という意味を持つ「antecedere」である。「antecedere」は、「前」を表す単語の「ante」と「行く」を表す「cedere」という単語が組み合わさって出来たとされている。

「antecedent」の発音・読み方

「antecedent」の読み方は、「 アンタァシィードゥントゥ」であり、発音記号は「æntəsíːdnt」である。アクセントは単語の冒頭につき、両頬を左右に引っ張るようなイメージで「ア」と「エ」の中間のような音で発音すると良い。

「antecedent」の使い方・例文

・The event is antecedent to the war.（その事件は、戦争に先立った案件である）
「antecedent」を「先立った」という形容詞で使用した例文である。今になって考えてみれば、その事件が起きなければ戦争は起きてなかったかもしれないということを表現したいときに使用される文章である。

・Antecedent is very difficult.（分離先行詞はとても難しい）
「antecedent」を「分離先行詞」という意味で使用した例文である。分離先行詞は言語学の分野で研究されるほど、理解するのが難しいとされている分野である。この文章では、勉強しているけれど理解することが難しいと感じていること伝えたいことが伺える。

・My antecedents are celebrities.（私の先祖は著名人である）
「antecedent」を「先祖」という意味で使用した例文である。実際には「著名人」という単語よりも実際の人物名を入れて使用することが多い例文と言える。

（2023年3月31日更新）