Tennis for Two
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 03:45 UTC 版)
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DuMont Labオシロスコープ タイプ304-Aで。
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ジャンル | テニスゲーム |
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対応機種 | 単独マシン |
開発元 | ブルックヘブン国立研究所 とウィリアム・ヒギンボーサム |
発売元 | 非売品 |
人数 | 2人 |
メディア | データ読み書き無し |
発売日 | 1958年10月(開発者以外に公開された日) |
売上本数 | 1台 |
その他 | 研究所外の一般人が遊んだ初のテレビゲーム |
『Tennis for Two』(テニス・フォー・ツー)は、1958年に開発されたコンピュータゲームである。
アメリカの物理学者、ウィリアム・ヒギンボーサムによって開発された最初期のコンピュータゲームとされるもののひとつ[1]である。『電視遊戯大全』および『電視遊戯時代』では、このゲームを世界初としている。世界で初めて「研究でコンピュータを使っている人だけでなく、不特定多数の人に遊ばれた」「遊んだ人も大いに楽しんだ」「ブラウン管表示を使う」「リアルタイムインタラクティブ性のある」ゲームである(ただし「コンピュータ」ゲームとしては、現在一般的なディジタルコンピュータではなく、アナログコンピュータを使ったゲームである)。
「Tennis for Two(二人でテニスを)」のタイトルは、アメリカの楽曲および映画「二人でお茶を」に由来すると思われる(なお『~大全』及び『~時代』では名前はなかったとしている)。
『Tennis for Two』が出来るまでの背景
ヒギンボーサムはニューヨーク州アプトンにある連邦原子力研究機関、ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven Naitonal Laboratory、通称BNL)計測器部門の責任者で、日本に落とされた原子爆弾の計画「マンハッタン計画」にも関わり、レーダーシステムの改良を担当していた。しかし地元住民には原子力に対する不安があった為、研究が安全である事をアピールしようと、研究所を毎年秋に一般公開していたが、内容は機材や写真だけで、住民には退屈としか思えなかった。
そこでヒギンボーサムは、楽しみながら研究を理解してもらうのが一番と考え、同部所の技術者であるロバート・ボブ・ドボラックと共に、3週間でこの展示を完成させ、1958年10月、展示会に来た見学者に実際遊んでもらった。
ゲームの概要・操作方法
一般的なピンポンテニスゲームは『オデッセイ』やアタリの『ポン』の様に、真上から見下ろした視点でラケットが上下に動く。だが『Tennis for Two』は横から見た視点で、地面をあらわす横のラインと、ネットをあらわす縦の短いラインが描かれ、ボールは放物線を描いて下に落ちる。
使用する操作装置はボタン1(ゲームリセット)、つまみ(ボールの落下する放物線角度を変える)、ボタン2(打ち返す)である。点数表示は無い。ボールを打ち返す音は付いていたが、音声や動画は記録されていない(再現(後述)された装置による動画を見ると、リレースイッチが働いてボールが跳ね返る(輝点を制御する電圧の変化が逆転する)ため、そのリレーの動作音が聞こえている)。
ハードウェア面を説明すると、オシロスコープ(直径5インチ/13センチ)をモニターとして用い、スイッチを箱に取り付けたコントローラから操作する。本体は冷蔵庫ないしタンス大のアナログコンピュータ2~3台と、それらをリレー等で組み合わせた配線から成る。
アナログコンピュータを利用しているので、精密にはアナログコンピュータゲームとなる。
その後の『Tennis for Two』
『Tennis for Two』は大評判となり、これを遊ぶ為に何時間も並ぶ人が出た程だった。翌1959年にはより大きな15インチオシロスコープで公開され、重力の違う惑星上ではどう違ってくるかという様子も展示された。しかし翌年までには別の研究に使う為、解体された。
電子回路の特許を20個持っていたヒギンボーサムは、『Tennis for Two』については権利を主張する事が無かった。またこれを継続しようとする者や、ゲームビジネスに使おうとする者も現れず、『Tennis for Two』の存在は長年埋もれたままになった。
1982年2月頃、ビデオゲームに関する裁判でヒギンボーサム自身が証言したのが、再度脚光を浴びるきっかけになったと言われている。世界初のゲーム歴史研究家と言われるDavid Ahlが同年11月、コンピュータ雑誌に記事を載せた事で、広く知られるようになった。
復元
1997年には、オペアンプICを使用して(元の機材のアナログコンピュータは真空管を使っていた)復刻、公開された。2010年12月にオリジナルの機材による復元と一般公開について発表された[2](なお、『テレビゲームとデジタル科学展』で展示されたものは、実物に似た表示を見せるだけのレプリカであった。同展では『スペースウォー!』も同様の展示であったが、そちらはエミュレータを使用したもので、遊ぼうと思えば遊べる状態だったという)。
雰囲気を楽しむだけであれば、ソフトウェアによるシミュレーションにより、ネット上のフラッシュサイトなどで遊ぶことができる。
脚注
- ^ 最初期のコンピュータゲームやビデオゲームは非公式かつ同時多発的に作られたものが多く、どれを「最初」とするかは研究者の立場や見解に依る。たとえば1952年の『OXO』は、資料によってさらに古いことが確認できるゲームのひとつであるが、既存の遊び(いわゆる○×)を再現したもので、しかしコンピュータとの対戦という要素がある、など。詳細はコンピュータゲームの歴史を参照。
- ^ http://scienceblogs.com/brookhaven/2010/12/14/resurrecting-one-of-the-worlds/
参考文献
- 『電視遊戯大全』『電視遊戯時代』
- それは『ポン』から始まった:赤木真澄 アミューズメント通信社 ISBN 4-9902512-0-2 C3076
外部リンク
「Tennis for Two」の例文・使い方・用例・文例
- 5 月15 日の午前8 時30 分から午後3 時まで、Oceanview公園で開催される、毎年恒例のWalk for Petsについてのお知らせです。
- イベントによる収益金の半分は、捨てられたペットのための保護施設であるHome for Petsに使われ、残りはさまざまな動物福祉団体に分配されます。
- 年次監査を行うために、Bradford and Partnersの会計士たちが10 月10 日の午前10 時に当社を訪ねてくる予定です。
- Bradfordの新人会計士2 名が今年の監査を担当すると連絡がありました。
- こんにちは、Bradfordさん。
- 昨日Bradfordさんが受け取られたデスクランプについてお電話を差し上げています。
- 取り違えてしまって申し訳ありませんが、あのランプは別のお客様に送られるはずのもので、誤ってBradfordさんに配送されました。
- Bradfordさんが受け取るはずだった商品は、Anne Keeganさんからの贈り物のご注文でした。
- タックマンモデルとは、チームビルディングにおける5段階、すなわち形成(Forming)、混乱(Storming)、統一(Norming)、機能(Performing)、散会(Adjourning)を示すモデルである。
- 着手する; 〔…の〕端緒を開く 〔for〕.
- 紺 《Oxford 大学およびその選手の色標》.
- 〔音楽会などへの〕優待券, 招待券 〔to, for〕.
- 等位接続詞 《and, but, or, for など; ⇔subordinate conjunction》.
- 【文法】 相関語 《either と or, the former と the latter など》.
- [for a] holiday to [in] France last year. 昨年は休暇をとってフランスへ旅行した.
- (最も奥の), foremost (真っ先の).
- 新大学, 1960 年以降に創設された大学, 板ガラス大学 《Oxford, Cambridge のような石造りの ancient universities, 19 世紀に創設された London 大学のような赤れんが造りの redbrick universities に対して言う; 建築様式がふんだんに plate glass を使ってモダンなことから》.
- コンセプション岬 《California 州にある》.
- être for this policy? この政策はどんな存在理由があるのか.
- から Oxford へ通ずる)オックスフォード街道.
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