QuakeIII Engine
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「Quake Engine」の記事における「QuakeIII Engine」の解説
詳細は「:en:id Tech 3」を参照 1999年リリース。id Tech 3とも呼ばれる、Quake III Arenaのために開発されたエンジン。ゲーム自体が1対1、もしくは少数対少数に特化した物となったため、それに合わせたチューニングがされている。Quake Engine初のサーバーブラウザー内蔵となった。 QuakeIIエンジンで導入されたライトマップ作成時のラジオシティ計算を今作では敢えてせずにレイトレーシングのみにする事で、シャープな照明と影が表現されるようになった。また、ソフトウェア処理によるごく限定的な頂点シェーダーが導入された事や、テクスチャのブレンドモードやクランプモード、スクロールなどを容易にコントロール出来る簡易シェーダーシステムが導入された事により、アーティストの自由度が大幅に向上した。また、起動時にガンマテーブルを1-bitぶんオーバーブライトする事により、下位1-bitを犠牲にしつつも擬似的に0.0-2.0の輝度の高ダイナミックレンジ表現が可能となった。 マップやオブジェクトの描画に関しては、Quake&QuakeIIエンジンではイミディエートモードによる描画だったが、QuakeIIIエンジンからはCompiled Vertex Arrayが利用されるようになり(ハードウェアT&Lサポート)、マップやキャラクター等の殆どの頂点情報はビデオカードのメモリ上に静的に配置され効率的に描画されるようになった反面、CPUによるキャラクターの頂点モーフィング計算が出来なくなったため、キャラクターのアニメーションは僅かに滑らかさが劣る物となった。しかしQuakeIII:Team Arenaでは頂点スキニングがサポートされたため(MD4モデル)、前作と比べてもアニメーションの質は格段に向上した。 QuakeIIIエンジンから完全なハードウェアT&Lとなり、ソフトウェアレンダリングが不能となっている。そのためにOpenGLモードでの描写が出来ないグラフィックボードでは起動しなくなっている。 元のゲーム性から生まれた仕様により、大規模マップでの描写が苦手であり、QuakeIII用マップでも大規模マップになるとPCのパフォーマンスが優れていてもフレームレートが低下し始めるのに加え、フレームレートが125と333になるとなぜかジャンプ力が上がるというバグを抱えている。このバグはid software側や大会オフィシャル側でも公認となっており、ほとんどのプロゲーマーが最大fpsを125に設定していた。 3作連続でオープンソース化されており、現在Open ArenaやUrban Terrorといったゲームが利用中。
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