PC-98版ゲーム
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「東方Project」の記事における「PC-98版ゲーム」の解説
東京電機大学生で結成されたサークル「Amusement Makers」内で、1996年から1998年にかけて活動したブランド「ZUN Soft」から、PC-9800シリーズ上のMS-DOS用のゲームとして、5作品が発表された。この時期に発表された5作品は「旧作」と称される。PC-98版を謳っているが、OS非依存という訳ではなくMS-DOSとその互換OS上でしか動かない。 これらの作品は、「Amusement Makers(旧)公式サイト」で2002年9月まで販売されていた。『靈異伝』を除く4作品の体験版は、2016年11月現在でも同サイトからダウンロード可能である。 ZUNの大学卒業と就職に伴い、第5弾『怪綺談』をもって、『東方Project』作品は一旦休止することとなった。 東方靈異伝 〜 The Highly Responsive to Prayers.(1996年 東京電機大学理工学部鳩山祭(大学祭)発表) 『東方Project』第1弾。読みは「とうほう れいいでん」。当作品は固定画面のブロック崩しゲームである。自機は博麗靈夢。 全20面で構成されているが、5面クリア時に「地獄ルート」か「魔界ルート」を選択し分岐する。5の倍数の面にはボスキャラクターが配置されている。通常の面では、ボールに相当する「陰陽玉」を弾き、フィールド上の全てのパネルを通過させてめくるとクリア。ボス面では、ボスの攻撃を避けながら、陰陽玉をボスにぶつけて既定の体力を削るとクリアとなる。 この作品は元々、ZUNが1995年にプログラムの練習がてら作った習作のひとつで、ブロック崩しになったのは作りやすそうだったため。当初は販売の予定は無かった。コミックマーケット等の同人イベントでの販売は、次回作『封魔録』と同じくC52が初である。 東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.(1997年8月 C52発表) 『東方Project』第2弾・「とうほう ふうまろく」。縦スクロールシューティングゲームとしての初めての作品である。 全5面の通常ステージと、全1面のエクストラステージから成る。自機は博麗靈夢のみだが、選択可能な武器タイプは3つあり、それぞれエンディングも異なる。東方Projectの主人公格のひとりである霧雨魔理沙が初登場した作品。 東方夢時空 〜 The Phantasmagoria of Dim.Dream.(1997年12月 C53発表) 『東方Project』第3弾・「とうほう ゆめじくう」。アーケードゲーム『ティンクルスタースプライツ』のシステムを借用した対戦型シューティングゲームである。本作と同様に『ティンクルスタースプライツ』からシステムを借用した東方Project作品に、『花映塚(かえいづか)』(2005年)がある。 ストーリーモードでは、性能の異なる複数の機体から自機を選び、全9面からなるステージをクリアするとエンディングとなる。 ZUNによれば、販売数は『東方幻想郷』の半分以下であるという。 東方幻想郷 〜 Lotus Land Story.(1998年8月 C54発表) 『東方Project』第4弾・「とうほう げんそうきょう」。ゲームシステムは第2弾『封魔録』と同じく1人用シューティングゲームに戻り、「低速移動」と「かすりボーナス(後のグレイズ)」のシステムが追加された。通常ステージ全6面、エクストラステージ全1面。自機は『封魔録』でも自機だった博麗靈夢に、同作でボスキャラクターだった霧雨魔理沙が加わった。『夢時空』で自機だった登場人物は、靈夢と魔理沙以外は続投していない。 ZUNによれば、販売数は200-300本ほど。 東方怪綺談 〜 Mystic Square.(1998年12月 C55発表) 『東方Project』第5弾・「とうほう かいきだん」。前作に引き続き、全6面の通常ステージと全1面のエクストラステージからなる。自機は博麗靈夢と霧雨魔理沙に、『封魔録』のラストボスだった魅魔と『東方幻想郷』のラストボスだった幽香を加えた4人になった。「Music Room」には、本作品のBGMのほか、過去4作品のBGMも一部アレンジが加えられた上でほぼ全て収録されている。 この作品をもって『東方Project』の開発は一旦終了した。
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