【YF-23】(わいえふにじゅうさん)
Northrop YF-23A "Blackwidow2"
アメリカ空軍のATF計画によって試作された戦闘機のひとつ。
1986年にノースロップが主契約社となり、マクダネル・ダグラスとの共同計画により開発がスタートした。
YF119ターボファンを搭載したPAV-1(機体コールサイン:Gray Ghost)と、YF120ターボファンを搭載したPAV-2(機体コールサイン:Spider)の2機が試作され、1990年に完成した。
本機の外観上の大きな特徴は、曲面を多用した雄大な外形とV尾翼である。
これにより、機動性こそYF-22に劣るものの、超音速巡航性能とステルス性では優っていたといわれる。
ピッチ及びヨーの制御はV尾翼をそれぞれ同方向又は逆方向に稼働することで制御し、90度回転させることでエアブレーキとして機能するようになっている。
しかしながら1991年4月にYF-22の採用が決定され、本機は不採用になった。
一説には「整備性や運用価格の面でYF-22に劣っていたため」といわれる。
特に同社のB-2と同様に機体表面を極限まで滑らかにする設計が仇となり、高コストを招いたという見方が強い。
この敗北がきっかけとなり、ノースロップはグラマンとの合併を余儀なくされ、マクダネル・ダグラスはボーイングに吸収された。
不採用決定後、2機の試作機はエンジンやアビオニクスを抜き取られ、エドワーズ空軍基地で野ざらしにされていた。
数年後、PAV-2はノースロップ・グラマンの技術者に引き取られ、現在ではカリフォルニア州ホーソーンのウエスタン航空博物館に保存されている。
現在、この機体はメーカーにより回収され、レストア中であるという。
エアショー向けと言われるが、FB-22との競争に対抗する為との見方もある。
スペックデータ
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