macOSのFinder
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 08:46 UTC 版)
「Finder」の記事における「macOSのFinder」の解説
macOSでは、いったんFinderの歴史はリセットされ、Carbonによる完全な新規設計に置き換わった。OSの設計思想の違いを反映し、様々な部分に「旧Finderとは違う」ところが散見される。特にMac OS X v10.0 に搭載されたものは"Finder"という名前を冠しただけの別物といった具合であったが(実際Mac OS X Public Betaでのプロセス名は"Desktop"であり、"Finder"という名称はウィンドウタイトルにかろうじて残っていただけであった)、その後Mac OS X v10.1からMac OS X v10.2にかけて旧Finderの多くの機能(スプリングフォルダ、ラベル機能など)が復活するなど、旧Finderの長所を取り入れて細かい部分の使い勝手に多くの改良が施された。 その後インタフェース面では、Mac OS X v10.3ではiTunesからサイドバーなどの機能を取り入れ、Mac OS X v10.4ではSpotlightの検索機能を統合するなど、徐々に旧Finderとは異なる方向に変化している。2007年発売のMac OS X v10.5ではiTunesやiPhoto風のインタフェースを大幅に取り入れ、Quick Lookなどのプレビュー機能を大幅に強化、メディア再生機能を導入し、従来のファイルブラウザから、メディアブラウザへの脱皮を遂げていった。 旧Finderとの最大の違いは、システムファイルと並ぶOSの根幹からユーザインタフェースの要となる1アプリケーションへと立場を移したことである。ユーザがログインすると同時に立ち上がり、ログイン中は常に起動しているが、Finderのみを再起動することも容易にできるばかりか、Finderを起動しないようにしてより高機能なサードパーティーのソフトウェアを使用するヘビーユーザさえもいる。現在でもデスクトップを統括する重要なコンポーネントではあるものの、以前のようにシステム全体と密着しているわけではなく、あくまでもファイルブラウザ/メディアブラウザの役割に徹している。これはNeXTに由来する、リソースの抽象性・仮想性の高さとも関係しており、SpotlightやQuick LookといったFinderに統合された機能の多くは、他のアプリケーションからも利用できる。 また、旧Finderが体現していたデスクトップメタファの特徴であった、"1フォルダ-1ウィンドウ"の原則を止めたことも特筆すべきであろう。旧Finderでは、あるフォルダに対応するウィンドウは1つしか開くことができなかった。その代わり、フォルダを開いた際、ウィンドウは必ず最後に閉じた時の位置と表示形式で表示されることが保証されていた。これにより、ユーザはあるフォルダが画面上のどのあたりに存在していたかを直感的に記憶しておくことができた。一方macOSのFinderではこの利点は損なわれたものの、"カラム表示"という階層化された表示形式がNEXTSTEPから導入され、1つのウィンドウ内で手軽にフォルダ階層を辿ることが可能となった。
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