LGBTアイコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 06:12 UTC 版)
「ワンダーウーマン」の記事における「LGBTアイコン」の解説
マーストンの初期の作品は、言外に「女性同性愛の潜在要素」が含まれていることで悪名を馳せた。フレデリック・ワーサムは『無垢への誘惑』で彼女を「バットマンと同様のレズビアン」だと言及した(ワーサムはバットマンも同性愛者だと考えていた)。それ以降の数十年にわたって、DCコミックスは彼女のセクシュアリティになるべく触れないよう試み、コミックブック作家とアーティストはワンダーウーマンのエロティックな遺産について暗示以上のことは行わなかった。 グラント・モリソンの2016年のコミック『ワンダーウーマン:アース・ワン』では、「リバース」時点での正典とは異なる平行世界の出来事ではあるが、ダイアナがブロンドの女性から肩を抱かれて頬にキスをされる姿が描かれた。 ワンダーウーマンにとって「人を愛するのは、ただその人を愛するということ」であり、さらに「自分はただ自分自身」であるため、「性的なラベルをつけられる」必要はないと感じている。女性のみが人口を占める社会から来たので、「世間の目」だと「レズビアン」になるものは彼女たちにとっての「ストレート」であったのかもしれない。「彼女の文化は始めから完全に異性愛規範の足かせから自由であるため、彼女はいかなる性別における性役割さえももっていない」。彼女とアマゾン族の女性イオがお互いに相互の好意を抱いていたことで、ワンダーウーマンはクィアまたは両性愛であることが暗示された。 2016年、『センセーション・コミック』48号では、オーストラリア人のイラストレーター、ジェイソン・バドワーによって同性婚式を執り行うワンダーウーマンが描かれた。「私の国は女性だけの国。私たちにとってこれは「同性婚」ではない。これはただの結婚」と彼女はスーパーマンに主張した。バドワーはアメリカ合衆国の50州で平等な結婚を確立した6月のオーバーグフェル対ホッジス裁判に触発され、このアイデアをDC社に伝えたところ、「素晴らしい」という反応を得たという。『シドニー・モーニング・ヘラルド』のインタビューで、彼は編集者が「『とても良い!大好きだ!やろう!』という感じだった。あれはほとんどあっけないものだった」と述べた。「ダイアナの母(女王)は、少なくともこういう結婚式を公認していたし、執り行った機会もあった」とバドワーは述べた。「これはただこのことに感謝する人びとのためにダイアナが引き受けた王室の務めのように思われる」。 ワンダーウーマンの女優ガル・ガドットはリブートにおける性的指向の方向性に好意的に反応し、ダイアナのセクシュアリティは女性だけのセミッシラで育ったことが影響したと同意した。 ワンダーウーマンの同性愛者の権利に対する支持は、2016年9月にさらに一歩進んだ。この時、コミックブック作家のグレッグ・ルッカがDCリバースのリブートによるとワンダーウーマンはカノン(公式設定)においてバイセクシャルであると発表した。ルッカは彼の意見として、彼女はクィア「でなければならない」し、「明らかに」美しい女性に囲まれた島で同性愛関係をもっていたと述べた。この見方は、別世界を扱ったカノン外の作品『アース・ワン』におけるグラント・モリソンの描写に沿ったものだった。そしてワンダーウーマン作家の同僚ゲイル・シモンは断固としてルッカの声明を支えた。ファンからの「安直な後付け設定だ」といった反発の量に驚き、ルッカはスーパーマンが真実を大事にしているのと同じくらい、女性との合意上のセックスはワンダーウーマンにとって大事なものだと返答した。
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