L-159A/B
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 23:36 UTC 版)
「L-159 (航空機)」の記事における「L-159A/B」の解説
基本形でL-159Aは単座型、L-159Bは複座型。チェコ空軍でモスボールされていたL-159Aを改修したドラケン・インターナショナル向けの輸出仕様はL-159E、イラク向けに提案されていた練習機仕様はL-159BQと呼称される。単座型は後席部分に電子機器を搭載することで単座化が図られている。 L-59より僅かに延長された機首にはイタリアのFIAR(現Selex ES)社が開発したグリフォL(英語版)多モードレーダーが搭載され、兵装投下/航法システムは西側標準のMIL-STD-1553Bデジタルデータバスで統合化されている。ハードポイントは胴体下1個所、主翼下片側3個所とL-59より増加し、西側製兵器の運用が可能になった。搭載可能兵器には、顧客の要望に応じてサイドワインダーなどの空対空ミサイルやAGM-65 マーベリック空対地ミサイル、レーザー誘導爆弾、胴体下への偵察ポッドやジャミングポッドなどを装備させることが可能である。これらの装備によりL-159は、近接航空支援、国境監視、実用機転換用戦闘機、戦術偵察、対暴動鎮圧、対艦ミッション、兵装訓練といった用途に使用できるとされている。 アルバトロスIIとも呼ばれるL-159Bは単座型と同様のシステムを備え、軽攻撃だけでなく中/高等訓練やLIFT(戦闘機前段階練習機)といった用途を想定しているが、レーダーは搭載せず燃料搭載量も減少している。 エンジンはハネウェル/ITEC F124を搭載しL-59よりも更なる推力増強が図られ、二重のFADECを備えている。コックピットはグラスコックピットとなり、HOTAS概念やINS/GPS航法装置、機上酸素発生装置も導入され、さらに複合材料とセラミックで装甲されている。また、火災鎮火用に機上不活性ガス発生システムが採用されている。これらのアビオニクスにはアメリカ製のものが多く、供給と機体への統合はボーイング社が行っている。 L-39の特性を受け継いだ頑丈な着陸装置によって未舗装滑走路が運用ができるほか、高揚力翼のおかげで、優れたSTOL能力とBAe ホークよりも優れたパフォーマンスを誇る。また、オプションで空中給油用のプローブも装備させることが可能である。 L-159の西側諸国への輸出活動についてはボーイング社がアエロ社に協力する契約を結んでいるほか、2008年には販売・製造に関してグリペンインターナショナルとの間で相互協力協定に署名している。 L-159A L-159B
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