IT系人材派遣会社・関連メーカーの存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/21 00:14 UTC 版)
「デジタル土方」の記事における「IT系人材派遣会社・関連メーカーの存在」の解説
IT産業の元請企業が下請企業に仕事を丸投げしたり、元請け自身が非正規雇用を雇用するにしても過酷な労働条件で末端の従業員を消耗品同然に使い潰して行く搾取型のビジネスモデルの構造はたびたび批判されるが、現代日本においてそういったいびつな産業構造はIT産業が唯一の例外というわけではない。たとえばIT産業にとっても不可欠なツールであるパーソナルコンピュータの通信販売やショップブランドパソコンへのOEM供給を主業とする“直販メーカー”でも同様の状況はいくらでも見られる。 これら業界では製品組立ライン従事以外にもサポート業務のとりわけ特にクレーム処理は非正規雇用や派遣社員に依存しているが、一般的にこのような業務に従事する者に対しては長期間雇用を前提としない低水準の従業員教育が行われ、スキルアップやキャリアアップの機会も事実上ない。また、そのような実情を知らずに劣悪な環境に飛び込んだ者は「非正規労働者が短期間で次々に使い潰されても会社は何事もなく回る」「消えた者の替わりがいくらでも入ってくる」という現実を目の当たりにしながら、結局のところ短期間での使い捨てを前提とした会社組織の最下層で低賃金と過酷な労働に苦しめられる。この様な業界で従業員が置かれている搾取型の使役環境の過酷さは、IT業界のそれとさしたる違いがない。 しかし、とりわけIT産業が厳しい批判に晒され続けている理由は、ITバブル(過剰なIT投資ブーム)の時期から台頭してきたIT系人材派遣会社の実態にある。[独自研究?]IT系人材派遣会社の多くは表向きは上流のSI企業を自称しているが、実態は未経験者歓迎を謳い文句に多くの人材を安価に調達し、さらに上流のSI企業に提供する人材派遣業者に過ぎない。IT系人材派遣会社に入る者の大半はSI企業で働くことによるスキルアップとキャリアアップの機会を期待するが、実際任される仕事の大半は専門性を必要としない長時間のテスト作業であったり、トラブル対応・クレーム処理など、誰もが嫌がる忍耐が必要な仕事で、24時間サービスなどを請け負っている企業の場合には勤務シフトが夜勤中心ということになる場合もある。[独自研究?]またSE未経験者の多くは研修という名目でサービス残業を強要されるケースも多く[独自研究?]、労働者派遣としての適正な管理がなされていない偽装請負であるケースも後を絶たない。このような人材派遣会社が乱立跋扈してきたIT業界は現代の搾取型のビジネスモデルによって成り立っている業種の象徴的存在とされ、ITバブルの時代から数多くの批判に晒されてきた。 より高い信用力と技術力が求められるため一定の企業規模を必要とする上流SIに比べ、小規模組織でも参入が容易でリスクが低く確実なリターンが得られたIT系人材派遣会社は全国各地で乱立し、営業拠点が作られていった。[独自研究?]現在のIT系人材派遣会社の多くは、有効求人倍率が低く就職氷河期の渦中であった1998年から2000年に起こったITバブルの波に乗り急成長を遂げたものや、それらからスピンアウトして立ち上げられたものである。[独自研究?]また、請け負う仕事の量に応じて事業者間で人材を融通しあうことから、元請企業へ人材が届くまでに5つ以上の会社を経由することは今でも珍しくない。[独自研究?]ITバブル崩壊以後は業績悪化を理由に上場企業を中心にM&Aがさかんに行われるも、IT系人材派遣会社の多くは中小のワンマン企業で、乱立した企業群が人材を安価で提供し大量消費財の如く浪費するだけの搾取型ビジネスは今でも根強く残っている。[独自研究?]
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