INESレベル3以下の事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 06:20 UTC 版)
「原子力事故」の記事における「INESレベル3以下の事故」の解説
1978年11月2日 東京電力福島第一原子力発電所3号機事故 日本で最初の臨界事故とされる。 戻り弁の操作ミスで制御棒5本が抜け、午前3時から、出勤してきた副長が気付きゆっくり修正し終わる10時半までの7時間半、臨界が続いたとされる。 沸騰水型の原子炉で、弁操作の誤りで炉内圧力が高まり、制御棒が抜けるという本質的な弱点の事故。この情報は発電所内でも共有されず、同発電所でもその後繰り返され、他の原発でも(合計少なくとも6件)繰り返される。1999年志賀原発事故も防げたかも知れず、本質的な弱点なので、世界中の原子炉で起こっている可能性がある。 特に重要なのが、1991年5月31日の中部電力浜岡3号機の制御棒が同様に3本抜けた事故である。中部電力は1992年にマニュアルを改訂した。「国への報告はしなかったが、他電力へ報告した。」と主張した。 事故発生から29年後の2007年3月22日に発覚、公表された。東京電力は「当時は報告義務がなかった」と主張している。 1989年1月1日 東京電力福島第二原子力発電所3号機事故 原子炉再循環ポンプ内部が壊れ、炉心に多量の金属粉が流出した事故。レベル2。 1990年9月9日 東京電力福島第一原子力発電所3号機事故 主蒸気隔離弁を止めるピンが壊れた結果、原子炉圧力が上昇して「中性子束高」の信号により自動停止した。レベル2。 1991年2月9日 関西電力美浜発電所2号機事故 蒸気発生器の伝熱細管の1本が破断し、55トンの一次冷却水が漏洩し、非常用炉心冷却装置 (ECCS) が作動した。レベル2。放出量0.6キュリー。 1991年4月4日 中部電力浜岡原子力発電所3号機事故 誤信号により原子炉給水量が減少し、原子炉が自動停止した。レベル2。 1997年3月11日 動力炉・核燃料開発事業団東海再処理施設アスファルト固化施設火災爆発事故 低レベル放射性物質をアスファルト固化する施設で火災発生、爆発。レベル3。 1999年6月18日 北陸電力志賀原子力発電所1号機事故 定期点検中に沸騰水型原子炉 (BWR) の弁操作の誤りで炉内の圧力が上昇し3本の制御棒が抜け、想定外で無制御臨界になり、スクラム信号が出たが、制御棒を挿入できず、手動で弁を操作するまで臨界が15分間続いた。点検前にスクラム用の窒素を全ての弁で抜いてあったというミスと、マニュアルで弁操作が開閉逆だったと言うのが、臨界になる主な原因であった。レベル1 - 3。 2011年3月11日 東京電力福島第二原子力発電所事故 東日本大震災による地震・津波で原子炉の冷却機能が一時不全状態に陥った事故。 原子力安全・保安院は2011年3月18日にINESレベル3であるとの暫定評価を下した。 2013年5月23日 J-PARC放射性同位体漏洩事故 J-PARCハドロン実験施設にて、装置の誤作動により管理区域内に漏洩した放射性同位体が、排気ファンを回すという人為的な行動によって管理区域外に漏洩した事故。 原子力規制委員会は、2013年5月27日に本件をINESレベル1に相当する事象と暫定的に評価した。
※この「INESレベル3以下の事故」の解説は、「原子力事故」の解説の一部です。
「INESレベル3以下の事故」を含む「原子力事故」の記事については、「原子力事故」の概要を参照ください。
- INESレベル3以下の事故のページへのリンク