General Purpose Machine Gunとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 工学 > 航空軍事用語 > General Purpose Machine Gunの意味・解説 

【汎用機関銃】(はんようきかんじゅう)

General Purpose Machine Gun. (GPMG)

  1. 機関銃のうち、軽機関銃としても重機関銃としても使用できるものをいう

    二脚用いれば軽機関銃となり、三脚銃架据え付ければ重機関銃として使うことができる。
    分隊支援火器として使われることもあるが、射手装弾手の2名で行動しなければならず、移動しながら撃つには重過ぎるため、ある程度の不自由さつきまとう

    ドイツMG34MG42が有名であり、アメリカではこれらの影響受けたM60つくられた。

  2. イギリスなどでは特にMAGのことを指す。

汎用機関銃

(General Purpose Machine Gun から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/17 08:06 UTC 版)

MG34機関銃: 手前のものは軽機関銃として二脚に架され、奥のものは重機関銃として三脚に架されている

汎用機関銃(はんようきかんじゅう、: General purpose machine gun, GPMG)は、二脚架や三脚架、銃架などを使用できる多目的用途の機関銃[1]銃の部品や付属品の一部を変更することで軽機関銃重機関銃などとして使い分けることができ、中機関銃の別称としても扱われる[2]

概要

第一次世界大戦の開戦直後、西部戦線において戦線が膠着し、戦いが塹壕鉄条網に代表される陣地戦に移行すると、陣地防御において機関銃が極めて有効であることが明らかになった[3]陣地攻撃に先立つ入念な準備砲撃でも防御側の機関銃を完全に撲滅することは困難で、そしてたった1挺の機関銃でも旅団規模の突撃をも食い止めることができた[3]。これに対抗するため、攻撃を行う歩兵部隊は細分化して散開し、地形・地物を利用しながら前進するようになっていった[3]。そして疎開隊形の歩兵部隊とともに前進して攻撃に加われる機関銃として登場したのが軽機関銃であり、従来の機関銃は重機関銃と称されるようになった[3][注 1]

大戦での機関銃の活躍を受けて、戦間期にも軽量化に主眼をおいた改良・開発が進められた[5]。この時期に登場した多くの機関銃のうち、チェコスロバキアで開発されたブルーノZB26軽機関銃は「無故障機関銃」として定評があり、順次に改良されつつ各国でライセンス生産された[6]。特にイギリス版のブレン軽機関銃は、ルイス軽機関銃のほかにヴィッカース重機関銃の代替も部分的に兼ねており、汎用機関銃のコンセプトの先取りでもあったが、完全な汎用化には至らなかった[7]

その後、更に多用途化を推し進めたものとして登場したのがナチス・ドイツMG34機関銃であった[7][4]。これは汎用機関銃(Einheitsmaschinengewehr)として、二脚に架すれば軽機関銃、三脚に架すれば重機関銃、対空用銃架に架すれば対空機関銃軍用車両に搭載すれば車載機関銃と、多目的の用途に使い分けることができるというものであり[4]、重機関銃の保有禁止というヴェルサイユ条約による制限を回避できる上に、極めて効率的な設計でもあった[3]第二次世界大戦でのドイツ陸軍は、MG34を軽機関銃として各歩兵分隊に1挺ずつ配備するとともに、重機関銃としても歩兵大隊の重中隊に12挺を配備していた[3]。またその発展型のMG42も同様に広く用いられたが、こちらはプレス加工を多用することで生産コストの低減に成功しており、用兵面だけでなく生産面でも画期的な銃であった[5]

大戦後の西側諸国もドイツ軍の方針を踏襲して、分隊用の機関銃として汎用機関銃を用いるようになっていった[5]。しかし汎用機関銃は銃本体も弾薬も重く嵩張るため、これを分隊レベルで用いると、特に徒歩行軍の機会が多い熱帯雨林山岳地域での戦闘では不利になるというデメリットがあった[8]。このためもあって、東側諸国では分隊レベルには軽機関銃の配備を継続し[5]、汎用機関銃は中隊レベルの装備とされていた[9]。また西側諸国でも、ベトナム戦争を通じてこれらのデメリットが認識されると、分隊レベルには軽機関銃(分隊支援火器)を配備するように回帰していった[8]。現在では、歩兵部隊における汎用機関銃は主に小隊以上のレベルで用いられるようになっている[10][注 2]

汎用機関銃一覧

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ またその後、重機関銃のうち空冷式で比較的軽量なものは中機関銃と称されるようになり、大口径であったり水冷式であったりするために重く嵩張るものが重機関銃のカテゴリに残された[4]
  2. ^ ただしイギリス軍では、2018年の決定に基づき、L86軽支援火器(LSW)ミニミ軽機関銃をともに廃止するかわり、分隊レベルにもL7汎用機関銃を配備することになっている[11]

出典

  1. ^ 弾道学研究会 2012, p. 761.
  2. ^ Machine gun”. ブリタニカ百科事典 (2020年5月19日). 2021年5月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 樋口 2008.
  4. ^ a b c McNab 2018, pp. 8–10.
  5. ^ a b c d 床井 2006, pp. 8–16.
  6. ^ 床井 2006, pp. 113–115.
  7. ^ a b Grant 2013, pp. 77–78.
  8. ^ a b McNab 2020, pp. 182–184.
  9. ^ 床井 2006, pp. 18–21.
  10. ^ McNab 2018, pp. 67–72.
  11. ^ “British Army to scrap old infantry weapon systems”. UK Defence Journal. (2018年8月8日). https://ukdefencejournal.org.uk/british-army-to-scrap-old-infantry-weapon-systems/ 2021年5月31日閲覧。 

参考文献

  • Grant, Neil (2013). The Bren Gun. Osprey Weapon Series. Osprey Publishing. ISBN 978-1782000822 
  • McNab, Chris (2018). The FN MAG Machine Gun: M240, L7, and other variants. Osprey Weapon Series. Osprey Publishing. ISBN 978-1472819673 
  • McNab, Chris 『ミニミ軽機関銃-最強の分隊支援火器』〈Osprey Weapon Series〉床井雅美 (監修), 加藤喬 (翻訳)、並木書房、2020年 (原著2017年)。ISBN 978-4890633999 
  • 床井雅美 『最新マシンガン図鑑』〈徳間文庫徳間書店、2006年。ISBN 4-19-892527-5 
  • 樋口隆晴「ドイツ軍機関銃戦術」 『ミリタリー基礎講座 2 現代戦術への道』〈歴史群像アーカイブ Vol.3〉学習研究社、2008年、34-42頁。ISBN 978-4056051995 
  • 弾道学研究会 編 『火器弾薬技術ハンドブック』防衛技術協会、2012年。 NCID BB10661098 

関連項目


「General-purpose machine gun」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「General Purpose Machine Gun」の関連用語

General Purpose Machine Gunのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



General Purpose Machine Gunのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
この記事はMASDF 航空軍事用語辞典++の記事を転載しております。
MASDFでは航空及び軍事についての様々なコンテンツをご覧頂けます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの汎用機関銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS