Neotyphodium spp.(ネオティホディウム)
ネオティホディウム・エンドファイト
[Neotyphodium spp.=Epichloë spp.]
分類:子のう菌門,核菌綱,ボタンタケ目,バッカクキン科
主に本州以北に分布し,数多くの寒地型イネ科植物(C3植物)に寄生する。チモシー,カモジグサ類など一部の植物ではがまの穂病を引き起こすが,多くの場合生活環を通して菌体が植物体外に現れることはない。感染植物は外観上は変化がなく,むしろ病害虫耐性,環境ストレス耐性が高まる。菌が麦角アルカロイドを産生するため,家畜毒性がある。感染植物は種子にも菌糸を内在し,次世代に伝わる。芝草では感染植物が「耐虫性品種」として市販される。
性状(機能):植物内生菌(エンドファイト),植物病原菌
病徴→JPEG(40kb)
形態: 有性世代: Epichloë属。感染植物の止葉を取り囲むように橙黄色の子座を生じる。子座表面には楕円形の子のう殻を埋没して形成し,内部には円筒形の子のう及び無色,糸状,大きさ100×1μ程度の子のう胞子を形成する。 無性世代:植物組織内の菌糸は分岐せず,くびれる。無色のフィアライド上に,無色,楕円形~レモン形,大きさ6×3μ程度の分生子を横になる形で1個形成する。人工培地上での生育はきわめて遅い。 |
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フィアライド上の 分生子 |
葉鞘組織内の菌糸(染色後) | 葉鞘組織細胞間隙を這う菌糸 |
標本番号 | 菌種 | 宿主和名 | 宿主学名 | 症状 | 採集地 | 採集年月日 | 採集者 |
135-1-27 | Neotyphodium sp. | アオイチゴツナギ | Poa viridula | エンドファイト | 山梨県下部町 | 2001.6.26 | 月星隆雄 |
135-1-28 | 〃 | ウシノケグサ | Festuca ovina var. ovina | 〃 | 山梨県鰍沢町(十谷) | 2001.6.27 | 〃 |
135-1-29 | 〃 | ミヤマヌカボ | Agrostis flaccida | 〃 | 栃木県那須湯本町 | 2002.6.7 | 〃 |
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