食害の防止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:43 UTC 版)
内生菌と共生する植物は食害にある確率が低くなり、共生植物を摂食した草食動物はその生産性を小さくする。食害防止の機構はいくつか存在する。害虫の場合、Acremonium coenophialumに内部共生された植物をアブラムシRhopalosiphum padi L. は忌避する(食害抑止)、害虫の摂食量を減少させる 、トマトに寄生したコナジラミ類の成虫への発生率の減少 、ジャガイモ害虫Phthorimaea operculellaの幼虫の生育と生存率の減少、成虫の産卵率の減少などである。 鳥類やウサギ 、鹿などの脊椎動物にも防御効果があり、その抑止と毒効果には同じパターンが見られる。土壌生息性の線虫や根食昆虫は内生菌によりその数を減らす。いくつかの研究では、内生真菌と共生する植物を与えられた草食動物(ヨーロッパイエコオロギAcheta domesticus L. やツマジロクサヨトウSpodoptera frugiperdaの幼虫、コクヌストモドキTribolium castaneum)が絶滅した事例がある。 しかし、内生真菌の防御は普遍的に有効ではなく、多くの草食昆虫では生活史の一つ以上の期間で防御物質の影響を受けない。多くの場合、成虫は幼虫よりも防御物質に対する感受性が低い。ネオティホディウム属は草食動物による宿主植物の摂食を抑止するが、その効果の程度は同一地域においてもばらつきがあり、むしろネオティホディウム属の宿主であっても非宿主と区別されずに草食動物に摂食される場合の方が多い。
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