食害と対応策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 14:30 UTC 版)
クリの実を食害するのでクリの害虫であり、『日本の栽培栗においては、最も重要な害虫の一つ』とされる。幼虫はクリの種子内部を食うだけでなく、その間の糞も全てその内部に蓄積するためにこれが発酵して悪臭を放つ。また食害が進むと種皮の外からも色が変わって被害がわかるようになる。種子1つに通常数匹、多い場合は10匹も幼虫が入る例がある。卵が産卵されただけで孵化しない場合は食味に影響がないが、一度卵が孵化してその幼虫により1匹に食害されただけで、その種子全体に悪臭がおよび商品価値が大きく損なわれる。 上記生活史の点から被害を受けやすいのは9月中旬以降に収穫するもので、それ以前に収穫の早生グリには被害はあまり見られない。このことから早生グリを好む食品加工業者も少なくない。卵や若齢幼虫の時期には外から被害の有無がわからないため、1970年代から2000年代頃には収穫後の燻蒸処理で対応することが多かったが、ニホングリの良さである芳香を損なうという致命的欠陥と地球環境保全の観点から世界的に臭化メチルが使用禁止になったことから燻蒸処理をすることは少なくなった。現在ではそれに替わって、0度付近高湿下での保存による技術が用いられることが多くなっている。
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