De110形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 09:28 UTC 版)
「ツェントラル鉄道Deh120形電車」の記事における「De110形」の解説
スイス国内の列車をパターンダイヤ化するBahn+Bus 2000計画によって、ブリューニック線では直通列車を主にHGe101形による牽引する列車とし、区間列車はシャトルトレイン化することとなった。しかし、シャトルトレイン用新形車両調達のための資金が不足したため、1992-93年に、区間列車用に転用されていたDeh4/6形のうちDeh4/6 903、906、908、910、912号機を粘着区間専用のシャトルトレイン牽引機に改造してDe110 000-004号機とし、併せてDe4/4II 913号機も同様の改造を行った上でDe110 005号機に改番して計6機を用意しており、その主な改造内容は以下のとおりとなっている。ラック式台車を始めとするラック区間用の機器、電機品の撤去 制御車からの遠隔制御用重連総括制御装置および61芯の電気連結器の設置 シャトルトレインの先頭となる前位側の運転台の機器更新と座って運転する形態への改造、運転室側面窓へのバックミラーの追加、前面下部左側の前照灯横への標識灯への設置 台車軸ばねへのオイルダンパーの設置 電気配線の更新 主制御装置をプログラマブルロジックコントローラを使用したものに改造 主制御装置に粘着区間での発電ブレーキ回路とサイリスタを使用した励磁装置の追加 空転検知装置の追加 保安装置の近代化 側面中央部の冷却気導入口を雨水、風雪の侵入防止対策を強化したものに交換 ラック式台車の撤去に伴い、空気ブレーキ装置、手ブレーキ装置は以下の通り改造されている。自動空気ブレーキは運転室のMFO製のブレーキ弁により、各台車毎に設置されたブレーキシリンダーにより各動輪に作用するほか、列車全体に作用。 入換用直通ブレーキは運転室のブレーキ弁により各動輪に作用。 手ブレーキブレーキは運転室のブレーキハンドル操作により、各動輪に作用。 改造はStadler Railによってマイリンゲン工場および同社ブスナング工場で実施されている(製造番号L-220 - 227)。当初はStadler RailおよびABBが改造を担当する計画であったが、途中でABBが辞退したため同社単独での施工となり、また、後述のルツェルン-シュタンス-エンゲルベルク鉄道のDe4/4形も同時に類似の改造を実施している。 De110形と編成を組むシャトルトレイン用の客車も従来の機材を改造して使用することとなり、Typ III系のAB 401-412形のうち6両をStadler Railで運転室設置・制御車化改造(製造番号L-228 - 233)したABt 900-905形および同じTyp III系の2等車のB 701-755形のうち12両をシャトルトレイン用に改造したB 501-512形が用意されている。 後述のルツェルン-シュタンス-エンゲルベルク鉄道のDe4/4形を含め、粘着区間専用の機体は正面の窓周りを黒色に塗装してラック式のDeh120形との識別としており、これはツェントラル鉄道塗装となった後も継続されている。また、2000年頃には前位側の正面貫通扉横の手摺を扉横の縦型のものから大型のものを斜めに設置するように追加改造をし、2004年には信号保安装置をZSI127(ドイツ語版)に換装している。 粘着式専用に改造され、シャトルトレインとして運行されるDe110 005号機、スイス国鉄塗装、ヘルギスヴィル駅 シャトルトレイン用のDe110 001号機、正面の斜めの手摺や標識灯が増設され、窓回りが黒となっている、マイリンゲン駅、2003年 De110形とともシャトルトレインとして運行される制御客車のABt 901号車、スイス国鉄塗装、ヘルギスヴィル駅 同じく1/2等制御客車のABt 904号車、中間客車に運転台を設置する改造を実施したもの、2003年
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