ControlStyles 列挙体とは何？わかりやすく解説 Weblio辞書

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ControlStyles 列挙体

コントロールのスタイルと動作を指定します。

この列挙体には、メンバ値のビットごとの組み合わせを可能にする FlagsAttribute 属性が含まれています。

名前空間: System.Windows.Forms
アセンブリ: System.Windows.Forms (system.windows.forms.dll 内)
構文

Visual Basic (宣言)

<FlagsAttribute> _
Public Enumeration ControlStyles

Visual Basic (使用法)

Dim instance As ControlStyles

[FlagsAttribute] 
public enum ControlStyles

C++

[FlagsAttribute] 
public enum class ControlStyles

/** @attribute FlagsAttribute() */ 
public enum ControlStyles

JScript

FlagsAttribute 
public enum ControlStyles

メンバ

	メンバ名	説明
	AllPaintingInWmPaint	true の場合、コントロールはウィンドウメッセージ WM_ERASEBKGND を無視することによって、ちらつきを抑えます。このスタイルは、UserPaint ビットが true に設定されている場合だけ適用されます。
	CacheText	true の場合、コントロールは、必要に応じて毎回 Handle からテキストのコピーを取得するのではなく、テキストのコピーを保持します。このスタイルは、既定では false に設定されます。この動作によってパフォーマンスは向上しますが、テキストを同期させておくことが難しくなります。
	ContainerControl	true の場合、コントロールは、コンテナのような機能を果たします。
	DoubleBuffer	true の場合、描画はバッファで実行され、完了後に、結果が画面に出力されます。ダブルバッファリングは、コントロールの描画によるちらつきを防ぎます。DoubleBuffer を true に設定した場合は、UserPaint および AllPaintingInWmPaint も true に設定する必要があります。
	EnableNotifyMessage	true の場合、コントロールの WndProc に送信されたすべてのメッセージに対して OnNotifyMessage メソッドが呼び出されます。このスタイルは、既定で false に設定されます。部分信頼では、EnableNotifyMessage は正常に機能しません。
	FixedHeight	true の場合は、自動スケールされるとき、コントロールの高さが固定されます。たとえば、新しい Font を挿入できるようにレイアウト操作でコントロールを再スケールしようとしても、コントロールの Height は変更されません。
	FixedWidth	true の場合、自動スケールされるとき、コントロールの幅が固定されます。たとえば、新しい Font を挿入できるようにレイアウト操作でコントロールを再スケールしようとしても、コントロールの Width は変更されません。
	Opaque	true の場合は、コントロールが不透明に描画され、背景は描画されません。
	OptimizedDoubleBuffer	true の場合、コントロールは、画面に直接ではなく、まずバッファに描画されます。これにより、ちらつきを抑えることができます。このプロパティを true に設定した場合は、AllPaintingInWmPaint も true に設定する必要があります。
	ResizeRedraw	true の場合は、コントロールのサイズが変更されると、そのコントロールが再描画されます。
	Selectable	true の場合、コントロールはフォーカスを受け取ることができます。
	StandardClick	true の場合、コントロールは、標準の Click 動作を実装します。
	StandardDoubleClick	true の場合、コントロールは、標準の DoubleClick 動作を実装します。StandardClick ビットが true に設定されている場合、このスタイルは無視されます。
	SupportsTransparentBackColor	true の場合、コントロールは、アルファ値が 255 未満の BackColor を受け入れ、透明度をシミュレートします。この透明度は、UserPaint ビットが true に設定され、親コントロールが Control から派生している場合だけシミュレートされます。
	UserMouse	true の場合は、コントロールがマウスの操作を独自に処理し、オペレーティングシステムではマウスイベントが処理されません。
	UserPaint	true の場合は、コントロールは、オペレーティングシステムによってではなく、独自に描画されます。false の場合、Paint イベントは発生しません。このスタイルは、Control から派生したクラスだけに適用されます。
	UseTextForAccessibility	コントロールの `Text` プロパティの値を指定します。設定した場合、コントロールの既定の Active Accessibility 名とショートカットキーが決定されます。

解説

コントロールは、さまざまなプロパティやメソッドでこの列挙体を使用して、機能を指定します。コントロールは SetStyle メソッドを呼び出して、適切な ControlStyles ビットと、ビットを設定する Boolean 値を渡すことによって、スタイルを有効にすることができます。たとえば、Visual Basic の次のコード行はダブルバッファリングを有効にします。

 myControl.SetStyle(UserPaint Or AllPaintingInWmPaint Or DoubleBuffer, True)

AllPaintingInWmPaint ビットが true に設定されている場合、ウィンドウメッセージ WM_ERASEBKGND は無視され、OnPaintBackground メソッドと OnPaint メソッドの両方が、ウィンドウメッセージ WM_PAINT から直接呼び出されます。通常はこの動作によって、ほかのコントロールがウィンドウメッセージ WM_ERASEBKGND をコントロールに送信しない限り、ちらつきを抑えることができます。ウィンドウメッセージ WM_ERASEBKGRND を送信すると、SupportsTransparentBackColor を使用した場合と同じような透明効果をシミュレートできます。たとえば、フラットな外観を設定した ToolBar に、この効果を適用できます。

ダブルバッファリングを完全に有効にするには、OptimizedDoubleBuffer ビットおよび AllPaintingInWmPaint ビットを true に設定する必要があります。ただし、コントロールの DoubleBuffered プロパティを true にしても同じ結果を得ることができます。ダブルバッファリングを有効する方法としては、こちらをお勧めします。

SupportsTransparentBackColor ビットが true に設定され、BackColor にアルファ値が 255 未満の色が設定されている場合、OnPaintBackground は、親コントロールに背景を描画させることによって透明効果をシミュレートします。これによって実現される透明度は、実際の透明ではありません。

メモ
コントロールと親コントロールの間に別のコントロールがある場合、現在のコントロールには、間にあるコントロールが表示されません。

UserMouse ビットが true に設定されている場合は、Control.OnMouseDown メソッド、Control.OnMouseUp メソッド、Control.OnMouseEnter メソッド、Control.OnMouseMove メソッド、Control.OnMouseHover メソッド、Control.OnMouseLeave メソッド、および Control.OnMouseWheel メソッドが引き続き呼び出されます。

StandardClick ビットが true に設定されている場合は、コントロールがクリックされると、Control.OnClick メソッドが呼び出され、Control.Click イベントを発生させます。StandardClick ビットと StandardDoubleClick ビットの両方が true に設定されている場合は、コントロールがダブルクリックされると、そのクリックは DoubleClick イベントに渡されます。次に Control.OnDoubleClick メソッドが呼び出され、Control.DoubleClick イベントを発生させます。ただし、StandardClick ビットおよび StandardDoubleClick ビットの値に関係なく、そのコントロールは OnClick または OnDoubleClick を直接呼び出すことができます。クリック動作およびダブルクリック動作の詳細については、Control.Click および Control.DoubleClick のトピックを参照してください。

UseTextForAccessibility ビットが設定され、コントロールの Text プロパティに値が設定されている場合、そのコントロールの Text プロパティの値でコントロールの既定の Active Accessibility 名とショートカットキーが決定されます。それ以外の場合は、代わりに直前の Label コントロールのテキストが使用されます。既定では、このスタイルが設定されています。TextBox や ComboBox など、特定の種類の組み込みコントロールでは、これらのコントロールの Text プロパティが Active Accessibility に使用されないように、このスタイルが再設定されます。

継承時の注意 標準の Windows フォームコントロールから継承し、StandardClick ビット値または StandardDoubleClick ビット値を true に変更すると、コントロールが Click イベントまたは DoubleClick イベントをサポートしていない場合は、予測できない動作が行われたり、何の効果も得られなかったりします。

使用例

ControlStyles を StyleChanged イベントと共に使用する例を次に示します。

Visual Basic

' Set the 'FixedHeight' and 'FixedWidth' styles to false.
Private Sub MyForm_Load(sender As
 Object, e As EventArgs)
   Me.SetStyle(ControlStyles.FixedHeight, False)
   Me.SetStyle(ControlStyles.FixedWidth, False)
End Sub 'MyForm_Load

Private Sub RegisterEventHandler()
   AddHandler Me.StyleChanged, AddressOf
 MyForm_StyleChanged
End Sub 'RegisterEventHandler

' Handle the 'StyleChanged' event for the 'Form'.
Private Sub MyForm_StyleChanged(sender As
 Object, e As EventArgs)
   MessageBox.Show("The style releated to the 'Form'
 has been changed")
End Sub 'MyForm_StyleChanged

// Set the 'FixedHeight' and 'FixedWidth' styles to false.
private void MyForm_Load(object sender, EventArgs
 e)
{
   this.SetStyle(ControlStyles.FixedHeight, false);
   this.SetStyle(ControlStyles.FixedWidth, false);
}

private void RegisterEventHandler()
{
   this.StyleChanged += new EventHandler(MyForm_StyleChanged);
}

// Handle the 'StyleChanged' event for the 'Form'.
private void MyForm_StyleChanged(object sender,
 EventArgs e)
{
   MessageBox.Show("The style releated to the 'Form' has been changed");
}

C++

private:
   // Set the 'FixedHeight' and 'FixedWidth' styles to false.
   void MyForm_Load( Object^ /*sender*/, EventArgs^ /*e*/ )
   {
      this->SetStyle( ControlStyles::FixedHeight, false
 );
      this->SetStyle( ControlStyles::FixedWidth, false
 );
   }

   void RegisterEventHandler()
   {
      this->StyleChanged += gcnew EventHandler( this,
 &MyForm::MyForm_StyleChanged );
   }

   // Handle the 'StyleChanged' event for the 'Form'.
   void MyForm_StyleChanged( Object^ /*sender*/, EventArgs^ /*e*/
 )
   {
      MessageBox::Show( "The style releated to the 'Form' has been changed"
 );
   }