CHILDHOOD''S ENDとは? わかりやすく解説

CHILDHOOD'S END

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/27 05:40 UTC 版)

CHILDHOOD'S END
TM NETWORKスタジオ・アルバム
リリース
録音 1984年12月10日 -
1985年4月11日
一口坂スタジオ
CBSソニー六本木スタジオ
スタジオ・テイクワン
セディックスタジオ
CBSソニー信濃町スタジオ
ジャンル ロック
時間
レーベル エピックソニーレコード
プロデュース 小室哲哉
チャート最高順位
TM NETWORK 年表
RAINBOW RAINBOW
1984年
CHILDHOOD'S END
1985年
TWINKLE NIGHT
(1985年)
『CHILDHOOD'S END』収録のシングル
  1. アクシデント (ACCIDENT)
    リリース: 1985年5月22日
  2. DRAGON THE FESTIVAL (Zoo Mix)
    リリース: 1985年7月21日
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CHILDHOOD'S END』(チャイルドフッズ・エンド)は、日本の音楽ユニットであるTM NETWORKの2枚目のスタジオ・アルバム、およびアルバムの1曲目に収録されている楽曲である。

1985年6月21日エピックソニーレコードからリリースされた。CD盤は同年7月1日のリリース。

CD版は初期版と再発版では背面ジャケットの絵が異なっており、初期版は左から小室、宇都宮、木根の3人の白黒写真に曲順が掲載、2013年に発売されたBlu-spec CD2も含めた再発版は歌詞カードの裏面と同じイラストに曲順が掲載されている。

背景

アルバムタイトルは、アーサー・C・クラークの長編小説「幼年期の終り」から取られた。

音楽性

サウンドは前作よりも大幅に変化し、生ドラム、生ギター、エレキギターを多用し、レコーディングもライン録音ではなく、いったんPAを通し、空気に触れた音をマイクで拾う方式をとった為、打ち込み色が薄れている。

前作『RAINBOW RAINBOW』で見られたファンタジー性のある歌詞は、「DRAGON THE FESTIVAL」と「FANTASTIC VISION」に見られるが、他の曲においては現実的な歌詞となっている。

収録曲

A面
全編曲: 小室哲哉。
# タイトル 作詞 作曲 時間
1. CHILDHOOD'S END   小室哲哉
2. アクシデント (ACCIDENT) 松井五郎 小室哲哉
3. FAIRE LA VISE 小室哲哉 小室哲哉
4. 永遠のパスポート SEYMOUR[1] 小室哲哉、木根尚登
5. 8月の長い夜 三浦徳子 小室哲哉
6. TIME 三浦徳子 小室哲哉
B面
# タイトル 作詞 作曲 時間
7. DRAGON THE FESTIVAL 小室哲哉 小室哲哉
8. さよならの準備 三浦徳子 小室哲哉
9. INNOCENT BOY TM NETWORK 木根尚登
10. FANTASTIC VISION 小室哲哉 小室哲哉
11. 愛をそのままに 西門加里 木根尚登

曲解説

  1. CHILDHOOD'S END
    アルバム冒頭を飾るインストゥルメンタル曲。エンディングで次の曲「アクシデント (ACCIDENT)」のイントロがフェードインする。
  2. アクシデント (ACCIDENT)
    3rdシングル。シングル版とはリフレインの前の間奏、アウトロが長いなどアルバムバージョンとなっている。
  3. FAIRE LA VISE
  4. 永遠のパスポート
    小室哲哉と木根尚登による作曲の共作。小室哲哉が作詞した原詞は明日で地球が終わるという意味合いであったが、大幅に書き換えられた。
  5. 8月の長い夜
  6. TIME
  7. DRAGON THE FESTIVAL
    後に4thシングルにリミックスバージョンとしてシングルカットされている。
  8. さよならの準備
  9. INNOCENT BOY
  10. FANTASTIC VISION
    3rdシングル「アクシデント (ACCIDENT)」のカップリング曲。TNC(テレビ西日本)のキャンペーンソングとして使われた(同局の天気予報のBGMとして2017年8月現在も長期に渡り使用されている)。
  11. 愛をそのままに

スタッフ・クレジット

TM NETWORK

参加ミュージシャン

スタッフ

  • 小室哲哉 - プロデューサー
  • 小坂洋二 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 松村慶子 - スーパーバイザー
  • 山口 "three months" 三平 - コ・ディレクション
  • 中山大輔 - エンジニア
  • Hisao "Cat Temple" Kemori - アシスタント・エンジニア
  • 松尾順二 - アシスタント・エンジニア
  • 伊藤康宏 - アシスタント・エンジニア
  • Katsushi Hatakeyama - アシスタント・エンジニア
  • 中林慶一 - アシスタント・エンジニア
  • 宮田信吾 - アシスタント・エンジニア
  • Mitsukazu Tanaka - デジタル・エディティング
  • 笠井“鉄平”満 - マスタリング・エンジニア

リリース履歴

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1985年6月21日 EPIC・ソニー LP
CT
28・3H-166
28・6H-138
40位
2 1985年7月1日 EPIC・ソニー CD 32・8H-41 -
3 1991年9月5日 EPIC・ソニー CD ESCB-1204 -
4 1996年6月17日 EPIC・ソニー CD ESCB-1752 -
5 2000年3月23日 エピックレコード CD ESCB-2114 -
6 2004年3月31日 エピックレコード CD ESCL-2522 - CD-BOXWORLD HERITAGE DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX』(完全生産限定盤)収録
紙ジャケット、24bitデジタルリマスタリング仕様
7 2007年3月21日 ソニー・ミュージックダイレクト CD MHCL-1035 - 紙ジャケット、デジタルリマスタリング仕様(完全生産限定盤)
8 2013年2月20日 ソニー・ミュージックダイレクト Blu-spec CD2 MHCL-30008 224位 デジタルリマスタリング仕様

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 作詞家である麻生香太郎のペンネームである。

幼年期の終り

(CHILDHOOD''S END から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/17 01:18 UTC 版)

幼年期の終り
Childhood's End
著者 アーサー・C・クラーク
訳者 福島正実1964年
沼沢洽治1969年
池田真紀子2007年
発行日 1952年
1964年
発行元 バランタイン社(Ballantine Books)
創元推理文庫ハヤカワ文庫光文社古典新訳文庫
ジャンル SF小説
ファーストコンタクト
アメリカ合衆国
イギリス
言語 英語
コード
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幼年期の終り』(ようねんきのおわり、Childhood's End)はイギリスSF作家アーサー・C・クラークの長編小説。宇宙の大きな秩序のために百数十年間にわたって「飼育」される人類の姿と、変貌する地球風景を、哲学的思索をまじえて描いた作品[1]アメリカ合衆国1952年に刊行されたのち、クラークの代表作としてのみならず、SF史上の傑作として国際的に広く愛読されている[1]

概要

母体となったのはアーサー・C・クラークが1946年7月に執筆した短編小説『守護天使』 (Guardian Angel) [注釈 1]である。当初「アスタウンディング」誌に投稿したが不採用となり、改稿の上「フェイマス・ファンタスティック・ミステリーズ英語版」誌の1950年4月号に掲載された[2]。『守護天使』はのちの『幼年期の終り』第1部とほぼ同様のストーリーであるが、ディテール、結末などが異なる。

この『守護天使』をもととしつつ、敬愛するオラフ・ステープルドン風の「予見可能なユートピア」「人類のさらなる進化終末」といったヴィジョンを取り入れて大きく膨らませた長編小説として、1952年に脱稿し、同年刊行された。クラークにとっては5作目の長編小説となった。

内容

プロローグと3つの部で構成されている。

プロローグ
米ソの宇宙開発競争が熾烈さを増す20世紀後半のある日[注釈 2]、多数の巨大な円盤状の宇宙船が、世界各国の大都市上空に出現する。
第1部「地球とオーバーロードたちと」
宇宙船に搭乗する異星人の代表はラジオ放送の電波を通じ、自分はカレルレン (Karellen)[注釈 3] という名であること、今後の地球は自分たちが管理下に置くことなどを宣言する。突如現れた異星人の存在に混乱する地球人だったが、カレルレンらはこれといって地球を支配・侵略するような素振りは見せず、むしろ異星由来の優れた知識と科学力を地球人に授け、文明の発展を後押ししてゆく。それにより既存の国家機構や地球文化は失われたが、人々はあらゆる苦悩から解放され、楽園のような世界が実現することとなった。地球人はこの異星人を「オーバーロード(上帝)」 (Overlord) と呼んだ。
カレルレンたちオーバーロードは、地球人として唯一オーバーロードの宇宙船への立ち入りを許された国際連合事務総長・ストルムグレンを通じて地球人を指導していたが、地球人に決して生身の姿を見せようとはしなかった。カレルレンは宇宙船内におけるストルムグレンとの会談においても壁越しでしか会話をせず、人々はそれを不満に思っていたが、やがてカレルレンは地球人に対し、50年後に生身の姿を公開することを約束する。ストルムグレンは定年退官直前の最後の会談のとき、カレルレンの姿を見ようと一計を案じ、実行に踏み切るが、その結果については黙して語らなかった。
第2部「黄金時代」
第1部より50年後。それまで長きにわたって各地の大都市上空にあったオーバーロードの宇宙船は、ニューヨーク上空のものを除いて忽然と姿を消す。ニューヨークの郊外に降り立ったオーバーロードは、約束通り全世界の人々の前に生身の姿を見せる。その姿形は地球人がこれまで宗教画などに描いてきた悪魔とまったく同じ、という衝撃的なものであったが、やがて地球人たちはその姿を受け入れ、オーバーロードと共存しつつ、オーバーロードによって与えられた平和で豊かな生活を享受する。その反面、地球人独自の文明進化の試みは抑制され、特に宇宙開発が禁じられたことに不満を持つ人々がいた。そのひとりの天文学者、ジャン・ロドリックスは、オーバーロードの母星に密航しようと企て、彼らの宇宙船に積み込まれたクジラの剥製標本に潜り込む。
第3部「最後の世代」
オーバーロードに反発する一部の芸術家や学者たちは、地球人固有の心性を守ろうと、太平洋上の火山島に独自のコミュニティを作る。ある時、このコミュニティに住む子供たちに、念動力のようなものが発現し、一切睡眠を取らなくなるなどの異変が起こり始めた。彼らは、宇宙を統括している大きな精神体・「オーバーマインド」 (Overmind) の一部にやがて進化する新たな知性の種であった。この地球人の変化を、地球人の自滅を予防しながら見届けることこそがオーバーロードの使命であり、それはオーバーマインドによって命じられたものだった。子供たちの異変の報告を受けたカレルレンは、人類へ向けて最後のラジオ演説を行ない、火山島の子供たちを別の大陸に集住させる。
80年後、ジャンが地球に帰還する。亜光速の宇宙船内で過ごしてきたため、相対性理論の教える通り、ジャンはさほど年を取っていないが、彼を迎えたのは変わり果てた地球の姿であった。カレルレンや、ジャンと旧知のオーバーロード・ラシャヴェラクは、ジャンが今や最後の地球人であること、「オーバーマインド」に関する知る限りの真相、「オーバーマインド」と一体化しつつあるかつての「子供たち」の状況、「子供たち」が一体化を始めた場合の地球の運命をジャンに語る。数か月後、ラシャヴェラクの頼みを受けて地球に残ったジャンは、地球を脱出したオーバーロードの宇宙船に向かって、地球全体の「物質としての終焉」の状況を報告する。

評価

発表から2か月の間に21万部の売上を記録し、また批評家たちからも好意的な評価を得た。また、クラークのファンの多くは『幼年期の終り』を彼の最高傑作だと考えているという[3]。日本の純文学作家の三島由紀夫も『幼年期の終り』を読み、「随一の傑作と呼んで憚らない」と評している[4]

影響

「人類の進化」というテーマ、「宇宙人による人類の飼育」というアイデアなどは、この作品において総括された。その影響力は、SF内部に留まらず純文学やサブカルチャーの世界にも及んでいる。

書誌情報

映像化

2013年、Syfyによるミニシリーズドラマとしての制作が発表され[5]、2015年12月14日から3夜連続で、同チャンネルで『幼年期の終り』が放送された。

脚注

注釈

  1. ^ 創元推理文庫および新潮文庫版『太陽系オデッセイ』収録。
  2. ^ 冒頭部分は1990年の新版において、クラーク自身によって書き直され、21世紀のある日、多国籍の火星探査隊出発目前という設定に変更された上で、第1部第1章に編入されている。
  3. ^ 日本語訳書におけるカレルレンの名には版によって揺らぎがあり、『守護天使』では「カレレン」、光文社古典新訳文庫版では「カレラン」と表記されている。

出典

  1. ^ a b 福島 1979
  2. ^ 光文社 2007
  3. ^ McAleer, Neil. "Arthur C. Clarke: The Authorized Biography", Contemporary Books, Chicago, 1992. ISBN 0-8092-3720-2
  4. ^ 「小説とは何か 十」( 1970年3・4月号)。34巻 2003, pp. 732–737に所収
  5. ^ Syfy to Adapt Childhood's End, Ringworld, The Lotus Caves and More!

参考文献

関連項目





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