アドビ‐アールジービー【Adobe RGB】
AdobeRGB
AdobeRGBとは、Adobe Systemsが定義した色空間(カラースペース)のことである。1998年に発表された。DTPなどの場面において多く用いられている。
色空間とは、色の組み合わせによって色彩を表現するために、要素色が数値で定義された体系のことである。一般的に、ディスプレイなどの発光する表示媒体ではRGB(Red, Green, Blue)が用いられ、印刷物のように光反射による表示媒体ではCMYK(Cyan, Magenta, Yellow, blacK)が用いられる。RGBの中にもふたつの規格がある。ひとつは国際電気標準会議(IEC)によって規定されたsRGB(standard RGB)であり、国際的な標準規格としてWindowsをはじめ多くのハードウェア・ソフトウェアにおいて用いられている。そしてもう一方のRGB色空間が、Adobe Systemsの定めたAdobeRGBである。
sRGBは基本的にCRTディスプレイで色を表現することを想定しているため、表現できる色の範囲には一定の限りがある。AdobeRGBは、sRGBに比べても遥かに広い範囲の再現領域を持ち、きめの細やかな色彩の表現が可能となっている。印刷物に対する適合性や色構成の厳密性も高く、特にDTPの分野などでは長らくAdobeRGBが標準的に用いられている。ただしAdobeRGBを再現できる機器は比較的高価であり、もっぱら業務用の機材で採用されている。
最近では、一般のディスプレイやデジタルカメラなどにAdobeRGBが採用されるケースが増えており、デジタルカメラで撮影した写真画像をAdobe Photoshopなどのフォトレタッチソフトで編集し、印刷までを行なっても、想定されたとおりの色表現を行なうことが可能となってきている。
ただ、sRGBモニタにのみ対応しているディスプレイでAdobeRGBを編集する場合には、ディスプレイにはsRGBで表示されることとなる。AdobeRGBで撮影してsRGBで表示させると、表示が多少くすんでしまう。逆にsRGBで撮影したものをAdobeRGBで表示させると、彩度が上がってしまうなどの困難がある。
参照リンク
Adobe RGB (1998) color image encoding - (英文)
Adobe RGB
Adobe RGB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 09:06 UTC 版)
Adobe RGBはアドビによって提唱された色空間の定義で、sRGBよりも広い(特に緑が広い)RGB色再現領域を持ち、印刷や色校正などでの適合性が高く、DTPなどの分野では標準的に使用されている。
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「Adobe RGB」の例文・使い方・用例・文例
- RGBモデルという,グラフィックディスプレーの色の指定方法
- AdobeRGBのページへのリンク