8.8 cm FlaK18,36,37 の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:23 UTC 版)
「8.8 cm FlaK 18/36/37」の記事における「8.8 cm FlaK18,36,37 の登場」の解説
当時ボフォース社で量産、英国などに輸出された高射砲は口径が75mmであった。そこで、クルップ社設計チームはこれをベースに、ドイツ軍標準口径8.8cmに拡大、より量産に適したものに改良することにした。 1928年には8.8 cm FlaK 18を開発、これは1分間に15-20発という優れた発射速度を発揮した(当時の標準的発射速度に比べれば、倍である)。FlaK 18とは1918年に生産開始、もしくは部隊配備した高射砲を意味するが、ヴェルサイユ条約で新規開発と保有が禁じられていた兵器であったため、この砲は第一次世界大戦中に既に生産開始されていた、という欺瞞工作として命名された(これは高射砲に限ったことではない)。そして1935年の再軍備後のドイツ軍の制式高射砲として採用、空軍と陸軍に配備された。なお、ドイツでは、高射砲は元来空軍管轄の火砲であり、8.8cm高射砲も陸軍より多く、生産数の3/4が配備された。後に陸軍高射砲部隊(Heeresflak)も数を増やし、大戦中期より機甲師団に編入されてもいる。歩兵師団の管轄下のものは少なく、独立重対戦車(戦車駆逐)中隊に配備され、対戦車砲という扱いで例外的に配備されたものであり、対空射撃に必要な指揮標定装置や時限信管付対空榴弾は持たず、本来の高射砲としての運用はできなかった。 続いてクルップ社は、FlaK 18のスペイン内戦での実戦経験をもとに改良した8.8cm FlaK 36を開発した。主な特徴は、発射方向の切り替えを電源で行うことができ、砲身交換も簡単にできるよう改良された点である。また、砲車も改良され、砲の前後に関係なく取り付け可能となり、移動を迅速にした。ただし、コンクリート砲床などに固定設置された事例もあり、こちらは8.8cm FlaK 36/2と称された。砲架生産が追い付かなかったために余剰が発生した8.8 cm FlaK 41の砲身に、アダプターを介してFlaK 36の砲架と取り付けた8.8 cm FlaK 36/41というバリエーションも存在した。 さらに派生型として、観測点から砲へ射撃諸元を送る、機械式アナログコンピュータ内蔵の射撃指揮装置「コマンドゲレート(Kommandogerät)」を加えた8.8cm FlaK 37も開発され、主に多種目標を相手にする野戦用としてFlaK 36が、固定陣地での防空任務専用としてFlaK 37が配備された。 なお、8.8 cm Flak 18, 36, 37の砲身はそれぞれに互換性があり、古い砲架に新型砲身、あるいはその逆での使用例が確認できる。また、FlaK 41実用化までの暫定処置として、薬室を拡大して砲口制退器付きの新型砲身に換装した8.8 cm FlaK 37/41が登場したものの、完成した頃にはFlaK 41が量産に移行しており、製造数は試作品12門に留まった。 装甲貫徹力比較対象砲弾角度射程略称 弾薬 重量 初速 弾着角 100m 500m 1,000m 1,500m 2,000m 8.8cm FlaK 188.8cm FlaK 368.8cm FlaK 37 Pzgr 9.5kg 810m/s 60° 97mm 93mm 87mm 80mm 72mm Pzgr.39 10.2kg 800m/s 60° 127mm 117mm 106mm 97mm 88mm Pzgr.40 7.5kg 935m/s 60° 165mm 137mm 123mm 8.8cm KwK 36 Pzgr.39 10.2kg 773m/s 60° 120mm 110mm 100mm 91mm 84mm Pzgr.40 7.3kg 930m/s 60° 171mm 156mm 138mm 123mm 110mm
※この「8.8 cm FlaK18,36,37 の登場」の解説は、「8.8 cm FlaK 18/36/37」の解説の一部です。
「8.8 cm FlaK18,36,37 の登場」を含む「8.8 cm FlaK 18/36/37」の記事については、「8.8 cm FlaK 18/36/37」の概要を参照ください。
- 8.8 cm FlaK18,36,37 の登場のページへのリンク