-60シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/21 08:16 UTC 版)
スーパー60シリーズと呼ばれる最終進化型の-60シリーズには、-61、-62、-63の三種類が製造された。1965年に開発が発表されている。なお、これまでDC-8の特徴の1つとされたものの、整備のしにくさが問題視されていた座席内蔵の酸素マスクおよび照明ユニットが廃止され、他の多くの機材同様にオーバーヘッドストウェッジ内蔵のものに改められ、窓のカーテンも廃止され遮光シェードに改められた。 -61は-55の最大離陸重量や最大積載燃料を変えずに胴体を約11メートル延長した大容量・中距離機で、主にアメリカ国内線や日本国内線、アジア域内線をはじめとする中・近距離幹線に多く使われた。 -62は-55の胴体を2m延長すると共に主翼の翼端を改良し、エンジンポッドも空力特性の改良を加えたものにカットバックパイロンを採用、1万キロ近くという当時としては最も長い航続距離を誇った中容量・超長距離機で、東京-サンフランシスコ間の無着陸太平洋横断飛行や、東京-モスクワ間の無着陸飛行が可能となり、日本航空やスカンジナビア航空、タイ国際航空など多くの航空会社で長距離国際線の花形となった。 -63は-61型の胴体と-62型の主翼を組み合わせた大容量・長距離機で、その積載容量の大きさから旅客型より貨客混載型や全貨物型の方が多く製造された。-63型はボーイング747登場前は長距離用機として世界最大の旅客機(最大離陸重量換算)であり、主脚の長さなどの問題によりボーイング707の胴体延長をできないボーイングをいらだたせ、ボーイング747の開発が行われる動機の一つとなった。 なお-63型は、最初の設計段階では-71型として計画されていた。また、ヨーロッパ域内の短距離路線向けに、-63型の航続距離を2000マイル程度に抑えた機体を製造する計画もあり、-73型として検討されていたが、実現しなかった。。 さらに-62と-63には、エンジンをパワーアップしたJT3D-7を搭載したハイレンジ仕様(通称:-62H、-63H)も生産された。
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