4号機原子炉圧力容器矯正事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 4号機原子炉圧力容器矯正事件の意味・解説 

4号機原子炉圧力容器矯正事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:31 UTC 版)

福島第一原子力発電所」の記事における「4号機原子炉圧力容器矯正事件」の解説

この出来事は元バブコック日立社員田中三彦証言により明らかとなった4号機主契約者は日立製作所とされ、『電気新聞』でこれが報じられたのは1971年6月第55回電調審後のことだった。東京電力から日立70kW上の原子炉を受注するのは初であった。この理由として「四号機で日立担当しない東電原発計画はすぐに出力110kW大容量に、更に五十二年度からは出力150kWユニット出力拡大計画されているので、四号機を受注できない日立自主技術開発足場を固める上で東芝遅れをとることになる」という事情を解説している。 4号機原子炉圧力容器バブコック日立呉第2工場製造された。当時日本で最高レベル技術を持つ工場であり、1974年1月にはアメリカ向けに、同国厳し審査パスして原子炉圧力容器出荷する成果挙げていた。しかし、1974年6月、本発電所4号機用の原子炉圧力容器製造工程最終段階に当たる最終焼鈍という過程にて、当時関連法規規定した許容範囲超えて容器楕円形歪んでしまった(人の目では判別不能なレベルであるが、計測する楕円となっていた)。圧力容器再製作した場合工程遅延と損費発生問題があり、パブコック日立はクリープリラクゼーションの原理応用し高温下にて内部から突っ張り棒ステー)にて真円になるよう応力をかけ、容器にかかる力を軽減し矯正する計画立てた。後に原子力撤廃立場明確にする田中三彦はその検討計算のため当時使用料高額だったIBM370の使用許可貰い計算当たったという。矯正作業仏滅避けて実施され歪み規定範囲内収まった。しかし、発注者東京電力はこの作業知らされることはなく、矯正後の検査最初に立ち会ったという(後に公表されてから、朝日新聞取材に対して東京電力申し入れ受けていたとも回答している)。世間一般に対してこの話が公表されたのは、1988年BOX』誌主催反原発シンポジウム席上であった日立技術的に問題ない旨のコメント出したが、田中下記指摘し後遺症」に対す懸念表明している。 予定外の追加焼鈍により靱性低下している可能性がある ステー反力作用した個所にはクリープひずみ発生し、これも靱性低下につながる 圧力容器内部にはステンレス内張りされているが、容器本体との境界部材料強度デリケートである。矯正作業実施したことで亀裂等の問題発生した可能性がある。 ただし4号機自体先行機で生じた不具合改修成果盛り込んだため、1978年8月31日定期検査入り停止した際、当時日本BWR最長283日間連続運転記録打ち立てている。

※この「4号機原子炉圧力容器矯正事件」の解説は、「福島第一原子力発電所」の解説の一部です。
「4号機原子炉圧力容器矯正事件」を含む「福島第一原子力発電所」の記事については、「福島第一原子力発電所」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「4号機原子炉圧力容器矯正事件」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「4号機原子炉圧力容器矯正事件」の関連用語

4号機原子炉圧力容器矯正事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



4号機原子炉圧力容器矯正事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの福島第一原子力発電所 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS