356/2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 04:51 UTC 版)
試作2号車はクローズドボディのクーペとして製造され、1948年7月に完成した。エンジンはリアに移動されている。 量産化に際し車体はクーペとカブリオレの2種となり、後部に補助シート2席を追加し、フロントは中央2分割窓となっており、シャーシは鋼板プレス、溶接組みたてのプラットホーム型と、リアエンジンレイアウトとなった。これは座席やラゲッジスペース確保による実用性の向上と、フォルクスワーゲンとの構造、部品の共通化によるコストダウンが目的である。 エンジンは引き続きフォルクスワーゲン用369型をベースとしたが、スポーツカーカテゴリの1,100ccクラスへ出場できるよう内径φ73.5mm×行程64mmで1,086ccに縮小した。出力は当初35hpだったが、1949年11月以降はシリンダーヘッド改良、ソレックス26VFJキャブレターで40hp/4,200rpm、6.5kgm/3,300rpmとなった。電装系は当時のVWと同じく6V。最高速度は140km/h。 サスペンションはVWと同じ4輪独立トレーリングアームと横置きトーションバースプリングで、ブレーキはドラム。ボディはアルミ製でシャーシに溶接された。プラットホーム型シャーシは、補強が不要なほどの強度を備えており、カブリオレでも追加補強はない。 この時代の少量生産車に多く見られたことだが、ボディを製造する工場や時期の違いによる細部の差異がある。グミュント工場で生産されたが、ボディを外部の複数の会社が架装した車両も多数あった。そのためにメッキモールの仕様や、アルミ製バンパーもオーバーライダー付きとなしがあり、ランプ類もボッシュ製とヘラー製があり、ライト下のウインカーレンズやリアのテールランプには複数の形状がある。腕木式の方向指示器の仕様も存在した。内装もインパネ形状にメーター類や、シートも左右独立のタイプやベンチシート仕様もあり、後席も左右独立や一体型、カーペットを敷いただけの車両もある。 プロトタイプ以外に約49台が生産されたが、この時期のグミュント製車両は手探り状態で製造販売されていたようなもので、増加試作車同然ともいえる。全長3,870mm、全幅1,660mm、全高1,300mm。
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