2020年 - 現在:Appleシリコンへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 14:58 UTC 版)
「Macintosh」の記事における「2020年 - 現在:Appleシリコンへの移行」の解説
2018年4月、ブルームバーグは、Appleがインテル製プロセッサの搭載を中止し、同社のiPhoneに使われているようなARMプロセッサに置き換えるつもりであるとする噂を掲載し、インテルの株価は6%下落した。この噂についてコメントしたザ・ヴァージは、インテルがラインナップの大幅な改善に失敗しており、ARMチップとバッテリ駆動時間で競争できないことから、このような決定は理にかなっていると述べた。 2020年6月22日のWWDCの基調講演において、AppleはMacに搭載するCPUを今まで採用してきたインテル製のものからARMアーキテクチャをベースにした自社設計のAppleシリコン(SoC)に今後2年間で切り替えると発表した。2005年に発表されたPowerPCからインテルへの移行時と同様に、Appleシリコンを搭載したMacは、Rosetta 2と呼ばれる動的コード変換プログラムを使用し、インテル用に設計されたソフトウェアを実行することが可能になっている。Appleは、開発者に対し、1年後に返却することを条件にDeveloper Transition Kit(DTK)を500ドルで提供した。DTKは、iPad ProのA12Z Bionicチップを搭載したMac miniで、ARMアーキテクチャ搭載の次期Macにアプリケーションを最適化するためのものだった。 2020年11月10日、Appleシリコンを搭載して出荷する最初のMacとして、MacBook Air、Mac mini、13インチMacBook Proを発表した。いずれも、これまでAppleが製造してきたどのAシリーズプロセッサよりも高速で、4つの高性能コアと4つの低電力コアを備えたカスタムデザインのApple M1(SoC)を搭載し、MacBook Airでは7コアのGPUオプション、Airのより高価なモデルでは8コアのGPUを搭載し、ProとMiniでは標準装備となっている。さらに、16コアのニューラルエンジンを搭載し、機械学習のパフォーマンスが最大11倍に向上していると発表された。これらのチップは電力消費量が大幅に少ないため、MacBook Pro 13インチのバッテリ駆動時間は最大20時間となっている。発売されてからの評価は非常に好評で、ほとんどのレビュアーが「前世代で使われていたインテルのチップよりも、バッテリ駆動時間が長く、発熱がずっと少なく、ずっと速い」と評価している。また、Rosetta 2は、ほとんどのインテル製アプリケーションで動作し、パフォーマンスの低下もさほどなく、WindowsやマイクロソフトのSurface Pro Xよりも高速なパフォーマンスと採用を実現したと評価されている。 2021年4月20日、7つの新色とApple M1チップを搭載した新しい24インチiMacが発表された。筐体全体が100%再生アルミニウム合金製となり、11.5mmの薄さになった。スクリーンは21.5インチサイズから24インチの4.5K Retinaディスプレイにアップグレードされ、画面の縁がより薄くなった。 2021年10月19日、Appleの新型SoCであるApple M1 ProとApple M1 Maxを搭載した新しい14インチと16インチのMacBook Proが発表された。2020年発売のApple M1搭載13インチMacBook Proは据え置きになり、新たなラインナップとして14インチが追加された。プロセッサがアップデートされ、ディスプレイがミニLEDバックライトでHDR対応となり、画面がProMotionに対応するなど、さまざまな変更点があった。 2022年3月9日、Apple M1 Maxの隠されていた機能である「UltraFusion」を使った別のApple M1 Maxへの接続により新型SoCであるApple M1 UltraもしくはApple M1 Maxを搭載した新しいMac Studioが発表された。Ⅿ1 UltraによりCPUの性能は16コアIntel Xeonを搭載しているMac Proよりも5.3倍の処理性能を持つ。さらに同イベント内で新しいMacディスプレイのStudio Displayも発表された。
※この「2020年 - 現在:Appleシリコンへの移行」の解説は、「Macintosh」の解説の一部です。
「2020年 - 現在:Appleシリコンへの移行」を含む「Macintosh」の記事については、「Macintosh」の概要を参照ください。
- 2020年 - 現在:Appleシリコンへの移行のページへのリンク