2018年の世界ラリー選手権
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| ドライバー選手権優勝 マニュファクチャラー選手権優勝 |
|||
| 前年: | 2017 | 翌年: | 2019 |
2018年の世界ラリー選手権(英: 2018 World Rally Championship season)は、FIA世界ラリー選手権の第46回大会である。1月に行われる開幕戦ラリー・モンテカルロから11月に行われる最終戦ラリー・オーストラリアまで全13戦で争われ、WRC2、WRC3、JWRCがサポートシリーズとして開催される。
概要
2017年規定のWRカーが2年目を迎える。
マニュファクチャラー数の増減は無いが、フォードがMスポーツへの支援を厚くしたことにより、エントラントにフォードの名が復活した。またDMACKが活動を縮小し、WRCではスポット参戦になる他、JWRCへの供給を終了。ピレリが代わってJWRCのタイヤサプライヤーとなる。また、9連覇王者セバスチャン・ローブがシトロエンからのスポット参戦という形でWRCに復帰する。
選手権5連覇を継続中のセバスチャン・オジェ(Mスポーツ)は、開幕戦ラリー・モンテカルロで史上初の5連覇を達成すると、第4戦ツール・ド・コルスまでに前年の2勝を上回る3勝をマークして選手権をリードした。ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)は第2戦スウェーデンで優勝すると、シーズン中盤にはポルトガルとイタリアで連勝し、オジェから選手権1位を奪った。オィット・タナック(トヨタ)は第5戦ラリー・アルゼンチンでトヨタ移籍後初優勝を挙げたが、不運やマシントラブルによって多くのラリーでポイントを失った。しかし、タナックはラリー・フィンランド以降の連勝でポイントを積み重ね、残り3戦の時点では選手権でオジェを抜いて1位ヌービルから13ポイント差の2位につけていた[1]。セバスチャン・ローブ(シトロエン)は、復帰後3戦目となったラリー・カタルーニャで総合2位のオジェを2.9秒差で振り切って優勝し、2013年シーズン以来の通算79勝目を挙げた[2]。
最終戦ラリー・オーストラリアの最終日を迎えた時点では、オジェ・ヌービル・タナックの3人にドライバーズタイトル獲得の可能性が残されていたが、最終日のSS22ではヌービルが、続くSS23ではタナックが次々とリタイアし、その時点でオジェの6年連続6度目のドライバーズ選手権優勝が決定した。最終戦ではヤリ=マティ・ラトバラ(トヨタ)がシーズン初優勝を果たし、トヨタがマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。[3]
WRC2ではシーズン5勝を挙げたヤン・コペツキー(シュコダ)がドライバーズタイトルを獲得し、前年度チャンピオンのポンタス・ティデマンド(シュコダ)はクラス2位でシーズンを終えた。カッレ・ロバンペラ(シュコダ)はウェールズ・ラリーGBとラリー・カタルーニャで2連勝を記録し、選手権でもクラス3位に入った。なお、WRC2では勝田貴元(トミ・マキネン・レーシング)が第2戦ラリー・スウェーデンで日本人初優勝を飾った[4]。
2018年のスケジュール
2018年のカレンダーは2017年9月21日にFIAで発表された[5]
| ラウンド | 開催日 | ラリー |
|---|---|---|
| 1 | 1月25日-28日 | |
| 2 | 2月15日-18日 | |
| 3 | 3月8日-11日 | |
| 4 | 4月5日-8日 | |
| 5 | 4月26日-29日 | |
| 6 | 5月17日-20日 | |
| 7 | 6月7日-10日 | |
| 8 | 7月26日-29日 | |
| 9 | 8月16日-19日 | |
| 10 | 9月13日-16日 | |
| 11 | 10月4日-7日 | |
| 12 | 10月25日-28日 | |
| 13 | 11月15日-18日 |
スケジュールの変更
- 観客のコントロールができていないという理由からポーランドがカレンダー落ちし、トルコ開催が8年ぶりに復活。
- ラリーGBとカタルーニャが入れ替えられた。
2018年の参加チームおよびドライバー
2018年シーズンのWRCクラスのエントリーリストは以下の通り
| マニュファクチャラー | チーム | タイヤ | 車番 | ドライバー | コ・ドライバー | 出走Rd. |
|---|---|---|---|---|---|---|
(フォード・フィエスタWRC) |
M | 1 | 全戦 | |||
| 2 | 1–3, 5–13 | |||||
| 4 | ||||||
| 3 | 1, 4 | |||||
| 2–3, 5–13 | ||||||
| 21 | 9 | |||||
| 13 | ||||||
(ヒュンダイ・i20クーペWRC) |
M | 4 | 全戦 | |||
| 5 | 全戦 | |||||
| 6 | 1, 3–6, 9, 12 | |||||
| 2, 6–8, 10–11, 13 | ||||||
| 16 | 6 | |||||
(トヨタ・ヤリスWRC) |
M | 7 | 全戦 | |||
| 8 | 全戦 | |||||
| 9 | 全戦 | |||||
(シトロエン・C3 WRC) |
M | 10 | 1–6 | |||
| 8–11,13 | ||||||
| 12 | ||||||
| 11 | 1–2, 5–13 | |||||
| 3–4 | ||||||
| 12 | 2, 6–7 | |||||
| 5, 8, 10 |
| マニュファクチャラー | チーム | タイヤ | 車番 | ドライバー | コ・ドライバー | 出走Rd. |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フォード (フォード・フィエスタWRC) |
M | 14 | 2 | |||
| M | 43 | 12 | ||||
| フォード (フォード・フィエスタRS WRC) |
D | 18 | 1 | |||
| M | 21 | 2, 6, 10 | ||||
| 22 | 7 | |||||
| D | 21 | 7 | ||||
| D | 23 | 7 | ||||
| P | 82 | 4 | ||||
| M | 83 | 4 | ||||
| シトロエン (シトロエン・DS3 WRC) |
M | 22 | 9 | |||
| D | 24 | 7 | ||||
| M | 81 | 4 | ||||
| M | 83 | 12 |
| マニュファクチャラー | チーム | タイヤ | ドライバー | コ・ドライバー | 出走Rd. |
|---|---|---|---|---|---|
| シュコダ (シュコダ・ファビア R5) |
M | 2,8 | |||
| 2-3,5-6 | |||||
| 3,5,8,12 | |||||
| 6 | |||||
| 12 | |||||
| 1,4,7,9-10 | |||||
| 4,7 | |||||
| 9,11 | |||||
| 10-11 | |||||
| M | 9 | ||||
| D | 2 | ||||
| P | 2,8 | ||||
| P | 2 | ||||
| M | 2,4,6-7,9,11-12 | ||||
| 8 | |||||
| D | 2,9 | ||||
| P | 9 | ||||
| 12 | |||||
| P | 3,6-8 | ||||
| 10 | |||||
| 13 | |||||
| M | 8 | ||||
| P | 2 | ||||
| 2 | |||||
| M | 10-11 | ||||
| 12 | |||||
| 12 | |||||
| P | 4,6,12 | ||||
| 8-9,11 | |||||
| D | 5 | ||||
| D | 5 | ||||
| M | 10 | ||||
| P | 10 | ||||
| D | 11-12 | ||||
| M | 12 | ||||
| フォード (フォード・フィエスタ R5) |
M | 1,9,11 | |||
| 1 | |||||
| 5,13 | |||||
| 8 | |||||
| M | 2-3,5-6,8 | ||||
| 9 | |||||
| 10-11 | |||||
| P | 1-2, 6 | ||||
| P | 2 | ||||
| M | 2 | ||||
| P | 2,6 | ||||
| M | 4 | ||||
| M | 7-8 | ||||
| P | 2,6 | ||||
| M | 4,7-8,12 | ||||
| M | 8 | ||||
| M | 3 | ||||
| D | 5 | ||||
| D | 3-6 | ||||
| P | 9 | ||||
| 11-12 | |||||
| M | 3,5-6,13 | ||||
| P | 7,9-10,12 | ||||
| P | 10 | ||||
| 10 | |||||
| P | 7-8,10 | ||||
| P | 6 | ||||
| P | 10 | ||||
| P | 10 | ||||
| ヒュンダイ (ヒュンダイ・i20 R5) |
M | 2-3,6,8-9,11-12 | |||
| M | 9 | ||||
| M | 12 | ||||
| M | 4,6-9,11-12 | ||||
| M | 4,7-9 | ||||
| M | 6 | ||||
| D | 5 | ||||
| M | 9 | ||||
| シトロエン (シトロエン・C3 R5) |
M | 11 | |||
| M | 12 | ||||
| 4,6-9,11-12 | |||||
| 7-9 | |||||
| M | 10-12 | ||||
| M | 4 | ||||
| M | 9 | ||||
| M | 12 | ||||
| シトロエン (Citroën DS3 R5) |
M | 1 | |||
| フォルクスワーゲン (フォルクスワーゲン・ポロ R5) |
M | 12 | |||
| 12 | |||||
| プジョー (プジョー・208 T16) |
M | 1 | |||
| スバル (スバル・インプレッサSTI N15) |
P | 13 |
| チーム | タイヤ | ドライバー | 出走Rd. |
|---|---|---|---|
(ヒュンダイ・i20 R5) |
M | 1 | |
(シュコダ・ファビア R5) |
M | 2 | |
(フォード・フィエスタ R5) |
MRF | 7-8,11,13 | |
(フォード・フィエスタ R2T) |
P | 8 | |
(シュコダ・ファビア R5) |
M | 9 | |
(トヨタ・ヤリス AP4) |
MRF | 13 |
昨年からの変更点
- オィット・タナックがMスポーツからトヨタに移籍した。シートを失ったユホ・ハンニネンはセーフティクルーとしてトヨタチームに残る[6]。
- Mスポーツはブリアン・ブフィエとテーム・スニネンが3台目を共有する。
- アンドレアス・ミケルセンがヒュンダイのレギュラーとなり、昨年のレギュラーであったダニ・ソルドはターマック、ヘイデン・パッドンはグラベルを中心にシートを共有する。
- シトロエンは9連覇王者セバスチャン・ローブがスポット限定で復帰。クレイグ・ブリーンと2台目を共有する。
- 昨年Mスポーツから参戦していたプライベーターのマッズ・オストベルグとハリド・アル・クァシミは、シトロエンの3台目を共有する。
レギュレーションの変更
- 旧WRカー向けのWRCトロフィーは廃止され、マニュファクチャラー以外のチームも現行WRカーを使用することが可能となった[7]。
- WRC2及びWRC3に設定されていた、フル参戦者が参戦を義務づけられていた3戦が撤廃され、自由に参戦イベントを選べるようになった。またWRC2にフル参戦していないR5車両はミシュラン、ピレリ、DMACK以外からのタイヤ選択が可能となった。
レース結果とランキング
各ラリーの結果
| ラウンド | イベント | 優勝ドライバー | 優勝コ・ドライバー | 優勝エントラント | 優勝タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4:18:55.5 | ||||
| 2 | 2:52:13.1 | ||||
| 3 | 3:54:08.0 | ||||
| 4 | 3:26:52.7 | ||||
| 5 | 3:43:28.9 | ||||
| 6 | 3:49:46.6 | ||||
| 7 | 3:29:18.7 | ||||
| 8 | 2:35:18.1 | ||||
| 9 | 3:03:36.9 | ||||
| 10 | 3:59:24.5 | ||||
| 11 | 3:06:12.5 | ||||
| 12 | 3:12:08.0 | ||||
| 13 | 2:59:52.0 |
ポイントシステム
ポイントは1位から10位までの完走車に与えられる。マニファクチャラー選手権においては、各マニファクチャラーチームが指定する最大3台の車両にポイントの獲得が認められるが、そのうち上位で完走した2台のポイントのみが有効となる。また、2017年規定の現行ワールドラリーカーのみがマニファクチャラーポイントを獲得できる。パワーステージ(通常は最終SS)では1位から5位までの車両にそれぞれ5-4-3-2-1点のボーナスポイントが与えられるが、これらのボーナスポイントはドライバー選手権/コドライバー選手権においてのみ有効となる。
| 順位 | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | 6th | 7th | 8th | 9th | 10th |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ポイント | 25 | 18 | 15 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 |
ドライバーズ・チャンピオンシップ
|
Notes: |
コ・ドライバーズ・チャンピオンシップ
|
Notes: |
マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップ
|
|
脚注
出典
- ^ “Sunday In Finland: Tänak's Turkey Delight”. wrc.com (WRC Promoter GmbH). (2018年9月16日) 2018年9月17日閲覧。
- ^ “WRCスペイン:9連続王者ローブが見せた圧巻の逆転劇。2013年以来となる79回目の美酒に酔う”. AUTOSPORT web. 2018年11月19日閲覧。
- ^ David Evans. “Rally Australia: Tanak retires with one stage left - Ogier wins WRC”. autosport.com. 2018年11月18日閲覧。
- ^ “WRC:トヨタ育成の勝田貴元をラリー・スウェーデンWRC2初優勝に導いた“鬼教官”とペースノート”. AUTOSPORT web. 2018年11月19日閲覧。
- ^ 2018年WRCカレンダーが承認。ラリー・トルコが8年ぶりに復活
- ^ WRC:2018年初戦で2台が表彰台のトヨタ「チームはもっとも力強い状態」。豊田章男社長もコメント
- ^ 2017.12.07 WRC:2018年に向けて規則変更。プライベーターも“史上最速”WRカーで参戦しやすく
外部リンク
- WRC.com - Official Website FIA World Rally Championship
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