2015年大地震の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 04:34 UTC 版)
「ヒラリー・ステップ」の記事における「2015年大地震の影響」の解説
「ネパール地震 (2015年)」も参照 2016年、前年4月に起きたネパール地震の影響でヒラリー・ステップの地形が変化している可能性が示された。ただし当時ステップは厚い雪で覆われていたため詳しいことは分からなかった。登山家のケントン・クール(英語版)はヒラリー・ステップが「12~15フィート [3.7~4.6メートル] の高さしかない」と記述している"。2017年5月、登山家のTim Mosedaleを含む登山者は、「ヒラリー・ステップはもはや存在しない」と報告しているが、地形の変化がどこまで及び、どう解釈すべきかについてはまだ初期の段階にあった。 地震発生を跨いだ2013年と2016年を含め、6回のエベレスト登頂経験のあるDavid Liañon Gonzalezもまたステップの地形が変化したことを報告している。ネパールの主要な登山家の中には、ステップ自体は影響を受けておらず、以前より厚い雪に覆われていると報告した者もおり、ネパール山岳協会の会長であるアン・ツェリン・シェルパもその一人だった。しかしながら、彼は2017年後半に開かれた写真展で2006年から2016年に撮影された写真を見た後に、少なくともステップ上方の一部に変化が生じていることを認めた。 エドモンド・ヒラリーの息子で登山家でもあるピーター・ヒラリー(英語版)は、ステップについて写真を元に意見を求められた。彼はステップが部分的に現存することを認めたものの、何らかの変化が生じたと考えているようだった。特に、新しい表面を露出させた砕けた岩石らしきものが写っていることを指摘している。2017年6月はじめには、より多くの登山者による報告と写真証拠が集まり、登山家・ガイドのギャレット・マディソン(英語版)は変化が起きたのは確実と結論した。15回のエベレスト登山経験のある登山ガイドのデイブ・ハーン(英語版)も、写真を見て変化が生じたことに同意した。いくつか岩石が消失し、新鮮な表面を持つ岩石により新しく刻まれた傷跡が認識されるとともに、このランドマークが失われたことに対する特別な悲しみが山岳コミュニティーの間に広まった。ハーンはこのステップがヒラリーとテンジンに対してどれほどの賛辞だったかについて、また彼がステップを登るときに常に二人について思いを馳せていたことについて述べている。 2017年後半、山岳ガイドのラクパ・ランドゥはネパール観光局でヒラリー・ステップのエリアがどのように変化したのかを示す写真展を開いた。ランドゥは2005年以降に、大地震前後を含めて複数回エベレストに登っていると同時に、訓練を積んだ写真家でもあり、このステップの歴史を写真で提示した。彼は、ネパールとチベットに甚大な被害を与えた大地震によってステップは砕かれて、なくなってしまったと述べている。
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