2002年の試験開門とは? わかりやすく解説

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2002年の試験開門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:52 UTC 版)

諫早湾干拓事業」の記事における「2002年の試験開門」の解説

これらの反対運動受けて2001年武部勤農林水産大臣当時)は干拓事業抜本的な見直し表明し2002年4月から28日間の短期間堤防開門し、その前後合計8か月間にわたって環境調査が行われた。開門は、調整池海水面から-1mから-1.2mまでの水位を保つ形で水門制御され海水調整池導かれた。これにより調整池大部分塩分濃度上昇して海水に近い塩分濃度になった。しかし、開門によって調整池淡水魚死滅しただけで、有明海環境の改善認められなかった。九州農政局では、開門試験結果コンピュータ使用した海水モデルでの検討をまとめ、2003年平成15年11月調査報告書作成した内容以下の通りであった開門によって調節池堤防付近に躍層形成水深によって塩分濃度異なる層が形成されること)が起こり堤防近くの底層には酸素飽和度40%以下に低下した酸素層が一次的形成された。 調節池富栄養化した海水によって希釈されCOD栄養塩類濃度低下した。しかし、環境への負荷収支はむしろ増大する傾向がみられた。調節池での植物プランクトン活動活発化し、光合成などによる有機化合物発生量増加した諫早湾表層海面において、塩分濃度2/3程度にまで低下する現象開門間中2度観察された。 堤防からの排水による海面汚濁は、諫早湾の奥に限局し、諫早湾中央部分にまでは到達しなかった。 調節池植物プランクトンは、海水性のものが増えたが、開門終了後には徐々に元の汽水淡水性植物プランクトン優位に戻った諫早湾植物プランクトンには大きな変化はなかった 「海水流動性」の評価では、潮流変化諫早湾内に限局しており、有明海全体への海水流動性影響認められなかった。 「水質」の評価では、諫早湾外の有明海では、水門開閉関わらず水質変化認められなかった。調節池水質浄化機能窒素化合物換算)は、有明海全体0.5%にすぎず、調節池淡水化ないし海水化されていよう有明海全体への影響はないと判断され堤防閉め切りによる有明海全体水質影響はないとされた。諫早湾においても、堤防近くCOD上昇したが、湾中央湾口ではCOD変化はなかった。 「貪酸素減少」についての検討でも、干拓地からの排水は、有明海全体広範囲躍層原因になっていないと判断され堤防閉め切り佐賀県沖で発生している貪酸素現象要因はなっていないとされた。 海底の「底質」の評価では、コンピュータ解析諫早湾口の一部領域で、底質細粒化する傾向がみられたが、実際環境モニタリング調査では、現地海域底質細粒化する一定の傾向認められなかった。 これに対して短期開門調査では「有明海海洋環境影響検証できない」という意見もあった。2006年農水省は「今後開門調査行わない」との方針表明した当時農林水産大臣は、中・長期調査行わない理由として、開門によって海底ヘドロによって漁業被害発生することが懸念され、その対策600億円以上の多額の費用が必要とされ、代替となる他の方法開門影響検討することになった説明している。

※この「2002年の試験開門」の解説は、「諫早湾干拓事業」の解説の一部です。
「2002年の試験開門」を含む「諫早湾干拓事業」の記事については、「諫早湾干拓事業」の概要を参照ください。

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