2代目987型(2004年 - 2012年)
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「ポルシェ・ボクスター」の記事における「2代目987型(2004年 - 2012年)」の解説
2004年秋のパリサロンで発表された第二世代ボクスター。997型911と並行して開発され、部品点数にして50%〜55%を997型と共有しており、シャシーは986型と同じ。ヘッドライトは986型のような涙目型ではなく、911(997型)とカレラGTの中間のようなやや尖った楕円形に変更された。フルモデルチェンジによりボディ剛性や足回り、内外装、全てにおいて先代986型を凌ぐ実力を有している。987型のボクスターは、2005年に発売されたケイマンのベースとなった。側面の空気取り入れ口はデザイン上は拡大されているが実効サイズとしては986型と不変であり、右側は電動ファン経由でエンジンルームの換気に使用され、左側はエンジン本体の吸気用である。フロントサスペンションには新設計のクロスバーが装着され、リアサスペンションは軽量化と横剛性の向上が図られた。トレッドも24mmから35mm拡大(仕様による)された。また50km/hまでなら走行中でも電動ソフトトップの開閉が行えるようになった(ただしロック操作は依然として手動)。 PSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)と呼ばれる横滑り防止システムが986ではオプション設定であったが、987では標準装備になった。このシステムは手動でオンとオフができ、またスポーツクロノシステムを装備すれば、その作動基準を引き上げることができるようになった。PSMとは、走行中に危険な状況になった場合に車の姿勢を安定させるシステムで、コンピュータが自動車の進行方向、車速、ヨーレート、横Gなどを常に計測し、オーバーステアもしくはアンダーステアが発生すると、PSMは4輪個別にブレーキをかけて本来の走行ラインに戻すように作用する。 さらに、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)をオプションで追加が可能。このシステムは、加速度や操舵角、車速やエンジン出力などをパラメーターにコンピューター制御でショックアブソーバーの減衰力を5段階に自動調整するシステム。ノーマルとスポーツの2モードを選べ、それぞれのモードの中で減衰力を無段階に四輪独立で制御する。一般的なアクティブサスペンションというよりは、アクティブダンパーのような動作となり高速走行性のみならず、市街地での乗り心地を大幅に改善した。 スポーツクロノパッケージはノーマルとスポーツにより、2種類の専用のスロットル制御マップを変更し、エンジンレスポンスを飛躍的に向上させるとともに、PASMの作動基準を引き上げ、ダンパーを大幅に硬くセッティングするシステム。また、ダッシュボード上に1/100秒までタイム計測が可能なアナログメーターとデジタルメーターが一体になったディスプレイが追加される。 2006年11月22日には生産台数が20万台に到達。20万台目の車両は、メテオグレーメタリックのボクスターSで、米国へ輸出された。ボクスターSの米国での価格は547000ドルに設定されていた。
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