1960年代のホラースリラー
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「スラッシャー映画」の記事における「1960年代のホラースリラー」の解説
アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』(1960)は、暴力、性行為、さらにはシャワーシーンなど、映画スタジオでは受け入れられないと見なされていた視覚表現を用いた。この映画は、バーナード・ハーマンによる象徴的な楽曲を特徴としており、しばしばスラッシャー映画やホラー映画で模倣されている。同年に公開された『血を吸うカメラ』(監督:マイケル・パウエル)の物語は、死を迎える瞬間の表情を写真に撮るために、女性を殺す男の視点から描かれている。 『サイコ』は、ジャネット・リーがノミネートされた助演女優賞を含め4部門でノミネートされ、ノーマン・ベイツ役を演じたアンソニー・パーキンスに世界的な称賛が寄せられた。この注目により、人気のある映画俳優達はホラー映画への出演を熱望した。ジョーン・クロフォードはウィリアム・キャッスルの『血だらけの惨劇』(1964) とジム・オコナリーの『姿なき殺人』(1967)に出演した。アルバート・フィニーはMGMの『Night Must Fall』(1964)(1937年のイギリス映画のリメイク)に、 ピーター・カッシングは『狂ったメス』(1968)に出演した。 ロンドンに本拠を置くハマー・スタジオは、サイコの成功に続いて『恐怖』(1961)、『惨殺!』(1963)、『Paranoiac』(1963)、『恐怖の雌獣』(1964)、『Fanatic』(1965)、『妖婆の家』(1965)、『Hysteria』(1965)及び『Crescendo』(1970)を公開した。ハマーのライバルであるアミカス・プロダクションは、『サイコ』の原作者ロバート・ブロックが脚本を務めた『Psychopath』(1968)を公開した。 フランシス・フォード・コッポラのデビュー作『ディメンシャ13』(1963)は、身内の不幸を追悼するために親戚が集まったアイルランドの城が舞台であり、そこで一人ずつ殺害されていく。ウィリアム・キャッスルの『第三の犯罪』(1961)は『サイコ』と『血を吸うカメラ』の両作が削除していた殺人シーンにおけるゴア表現を特徴としている。リチャード・ヒリャードの『夜のけもの』(1963年)は、枝を引きさげて被害者を見る黒手袋をつけた殺人者の視点を示し、 また全裸水泳シーンを呼び物としている。クラウン・インターナショナルの『Terrified』(1963)は、マスクをつけた殺人者を特徴としている。スペインの『象牙色のアイドル』(1969)は暴力的な殺人事件を特徴とし、後の(学校)キャンパスをベースにしたスラッシャーの先駆けであった。
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