15項目の和平計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:15 UTC 版)
「2014年ウクライナでの親ロシア派騒乱」の記事における「15項目の和平計画」の解説
「:en:Trilateral Contact Group on Ukraine」も参照 6月20日、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が15項目の和平計画(Fifteen-point peace plan)を発表した。6月20日から1週間の停戦を要請したこの計画には、分離主義者に占拠している建物を明け渡してもらい、権力をキエフの中央政府から地方分権化して、ロシア語の権利を保護する目的があった。以下がその15項目である。 交渉参加者全員の安全を保証 武器を置き、重罪を犯さなかった人達に対する恩赦 人質の解放 ウクライナ-ロシア間国境に10kmに及ぶ緩衝地帯の創設。違法な武装勢力の撤退 ロシア側傭兵とウクライナ側傭兵が脱出する安全な通り道 軍縮 戦闘行方不明者(MIA)の実態を合同パトロールする部隊の創設 ドネツィクおよびルハーンシク地域で違法占拠された行政施設の解放 地方行政府の機能回復 ドネツィクおよびルハーンシク地域における中央テレビ・ラジオ放送の復旧 権力の地方分権(執行委員会の選出、ロシア語の保護、憲法改正案を通じて) 選挙前のドンバス知事および議員達の調整 早期の地方選挙および議会選挙。 地域での雇用創出プログラム 産業および社会インフラの復興 ロシアのプーチン大統領はこの計画に一部支援を申し出たが、交渉に分離主義者を入れるようポロシェンコに要請した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ポロシェンコの和平計画が「最後通牒のように見える」と発言した。ポロシェンコは以前、武装した分離主義者との交渉を拒否した。ウクライナにて特別監視任務をするOSCE監視団は6月21日にドネツク人民共和国の代理人と会談し、この和平計画について討議した。当共和国は停戦を拒否すると代理人は語り、ドネツク人民共和国政府の主な要求は「ドンバスからのウクライナ軍撤退」および当共和国の国家承認だと述べた。しかし6月23日にドネツィクで行われた、分離主義者、ウクライナ当局とロシア当局、OSCEとの最初の和平交渉の後、ドネツク人民共和国のアレクサンダー・ボロダイ首相は我が軍隊は停戦に応じるつもりだと述べた。この声明の直後、スラビャンスクにいる分離主義者がウクライナ軍のヘリコプターMi-8を撃墜し、搭乗者全員が死亡した。その翌日ウクライナ大統領府は、この停戦が反政府勢力によって少なくとも35回破られたとの声明を発表した。ポロシェンコ大統領も停戦破棄を検討していると語り、ボロダイは「停戦になってはいない」と発言した。 それにもかかわらず、ポロシェンコは破棄予定6月27日から停戦を3日間延長した。この行動に対し、キエフの抗議者たちは停戦破棄を要求するため大挙して街頭に出た。この停戦は政府と分離主義勢力の衝突にほとんど影響を及ぼさなかったが、少なくとも5人の政府軍兵士が停戦中に死亡した。7月までにこの和平案は途中で崩壊し、双方がお互いの度重なる違反を非難した後ポロシェンコは停戦を破棄した。ウクライナ軍19人が死亡したロケット砲撃を受けて、ポロシェンコは分離主義者に「人民兵は我が兵士それぞれの命に対し、数百の命で贖ってもらうことになる。責任を免れるテロリストは一人も存在しないだろう」と報復を誓った。
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