麹造りと醴酒とは? わかりやすく解説

麹造りと醴酒(こざけ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:39 UTC 版)

日本酒の歴史」の記事における「麹造りと醴酒(こざけ)」の解説

『古事記』には応神天皇(『新撰姓氏録によれば仁徳天皇)の御世来朝し百済人の須須許里(すすこり)が大御酒おおみき)を醸造して天皇献上したという記述がある。『新撰姓氏録によれば、この献上行なったのは兄曽曽保利と妹曽曽保利二人ということになっており、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}この二人を酒の神として祀る神社もある[要出典]。百済からの帰化人用いた醸造法ということであれば、それは麹によるものであったとみられる醴酒 しかし、この献上より前にも麹による酒造法は日本存在しており、応神天皇19年吉野国樔(くず)が醴酒(こざけ)を献上したという記述見られる。「国樔」は「国主」「国栖」とも書き奈良時代以前日本各地散在していた非農耕民で、その特異な習俗のため大和朝廷からは異種族扱いされていた人々である。『延喜式』の記述によれば、その国樔献上した酒でも醴酒という米と麹を使用して造るであったことがうかがえるので、麹による醸造法当時既に全国的に普及していたと見られる養老1年717年)には美濃国から献上され醴泉醴酒造ったとの記述『続日本紀』にある。 また、麹の種類問題もある。現在中国や朝鮮半島酒造用に用いられているのは麦麹餅麹)がほとんどであり、その中身クモノスカビケカビ中心であるが、日本酒米麹バラ麹)であり、その中身純粋なコウジカビである。朝鮮半島経由で麹による酒造法が伝えられたのであれば、それは当然麦麹であったはずで、日本マッコリのような麦麹用いた酒が存在した記録がない以上、朝鮮半島起源説成り立たない稲麹 近年では、稲こうじ病により稲穂自然に発生したカビの塊、すなわち稲麹利用したのが日本における麹の起源であるとする説もある。小泉武夫調査によれば問い合わせた25府県全部で、かつては稲麹をもとに麹を作っていたという話を聞いたことがあるという回答を得ることができ、山形県麹屋からは第二次世界大戦以前までは実際に稲麹得ていたという証言得られた。小泉実際に稲麹用いて酒造試みた結果日本酒に近い風味のものを作り出すことに成功している.しかし稲麹バッカクキン科稲こうじ病が稲籾に作る胞子固まりであり、コウジカビとは全く関係がない。たまたま稲麹コウジカビ混入していたと考えるべきである.また,野生コウジカビの類にはアフラトキシンオクラトキシン産生するものがあり、むやみに野外コウジカビ利用すべきではない。

※この「麹造りと醴酒(こざけ)」の解説は、「日本酒の歴史」の解説の一部です。
「麹造りと醴酒(こざけ)」を含む「日本酒の歴史」の記事については、「日本酒の歴史」の概要を参照ください。

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