麺の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:20 UTC 版)
楊の出身地・咸興の冷麺は、麺と具をヤンニョム(唐辛子たれ)で和えた汁なしの ピビㇺレンミョンが有名だが、咸興冷麺にもユㇰス(肉水:牛肉の出汁スープ)を注いだ汁麺タイプもあった。楊は自分が好きだった汁麺タイプの咸興冷麺を自分の店で提供した。しかしコシの強い麺や辛いキムチは当時馴染みが薄く、特に麺は「ゴムを食べているようだ」などとまったく受け入れられなかった。なお咸興冷麺の麺は、蕎麦粉入りのため灰色を帯びる。この色合いを「食欲をそそる見た目ではない」と感じた楊は麺の生地を蕎麦粉から小麦粉に変え、麺の見た目を白くする。一方、ジャガイモのでんぷん を使ったコシの強い麺や、キムチのトッピング、牛骨ダシ中心の濃厚なスープという「故郷の味の3要素」は守り続けた。やがて盛岡の新しいもの好きな若者たちの間で、そのユニークさが「一度食べたらあとを引く」と評判になり、店には客足が途切れなくなった。ここに「盛岡冷麺」の基本形が完成したといわれる。ただし楊自身は、「盛岡冷麺」でも「咸興冷麺」でもなく「平壌冷麺」という看板を掲げ続けた。平壌の方が大きな街で有名だから、平壌を名乗ったという。
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