魔界転生衆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 03:47 UTC 版)
「十 〜忍法魔界転生〜」の記事における「魔界転生衆」の解説
死期迫ってなお、超絶の気力体力を持ちながら、自身の生に強い後悔の念を抱いている者が森宗意軒の指を仕込まれた『忍体』と呼ばれる女性と交合し、死後一か月を経て新たな肉体を持って魔人として再生した者たち。いずれも生前がどれほど優れた人格者であっても、虐殺を好む残忍な性格へと変貌している。原作では、(十兵衛と対決する場面を含む)ほとんどのシーンで柿色の頭巾を被り、素顔を隠しているが、本作では道中の移動時以外はほとんど着用していない事が多い。 天草四郎(あまくさ しろう) 寛永15年の島原の乱の戦場跡にて転生した。最初の転生者。転生時の年齢は最年少。 転生衆の中では最も小柄な若者。両耳に上下逆向きの十字架のピアスをつけている。 「忍法髪切丸」を用いる。棒に髪を巻き付けて、飛ばして巻き付けたり、切断による攻撃を行ったりというもので、原作の術とは異なる。忍法を発動する際には、後光に黒翼と戦場跡と無数の亡骸が投影される。 宗意軒の一番弟子であり、魔界転生の秘術を使用できるため、十兵衛を転生させようと、他の転生衆から離れて暗躍するシーンが多い。十兵衛にも存在を知られていない。 十兵衛とは粉河寺で戦う。 田宮坊太郎(たみや ぼうたろう) 正保2年、尾張柳生の屋敷にて転生した。3番目の転生者。四郎の次に年少。長髪の美青年。転生衆の中では細身。 柳生流の剣士であり、十兵衛の直弟子・弟分である。如雲斎とも面識があった。田宮平兵衛の一族に連なり、同様の柄の長い刀を用いる。 仇討ちを果たした後、死病に冒され、女と会わなかったことを後悔していた。 十兵衛とは那智山青岸渡寺で戦う。 宮本武蔵(みやもと むさし) 熊本にて享年62。4番目の転生者。 細川家300石、天下無敵の剣豪。島原の乱に参戦したが、既に剣術の時代ではなく、まるで用をなさなかった。 セリフが少なく、思考には謎が多い。 なお、他の転生衆たちが死亡した時点の年齢の肉体で転生しているのに対して、彼のみは全盛期の頃の年齢に若返って転生している(因みに原作では、享年である62歳の肉体で転生していることが明言されている)。 十兵衛とは船島で戦う。 『山風短』第二幕「剣鬼喇嘛仏」にも登場しており、巌流島の決闘から大坂の陣のころ(元和元年=1615年前後)の彼が描かれている。 荒木又右衛門(あらき またえもん) 2番目の転生者。原作では島原戦場跡にて四郎に先駆けた最初の転生者だが、本作では省略されている。 柳生流の剣士。政治的な理由により謹慎を受け、不満を持っていた。 十兵衛とは鍵屋の辻で戦う。 柳生如雲斎利厳(やぎゅうにょうんさい としよし) 禿頭、顎に2つのほくろ、独特の髭の、入道然とした男。老いてなお筋肉質である。 序盤は語り部のような役割を務め、7人の中では最後に転生した。 尾張藩500石の剣士。柳生石舟斎の正当で腕も上回ると自負するも、世間からは江戸柳生の方が評価されていることに不満があった。 十兵衛とは二度戦う。初戦の道成寺で右眼を斬られて独眼となり、和歌山城天守閣で再戦する。 柳生但馬守宗矩(やぎゅうたじまのかみ むねのり) 胤瞬と同時に5番目の転生者。柳生十兵衛の父。転生後は後ろ髪が4つ(上の二つは長く、下の二つは短い)に分かれている。高禄と将軍家指南役という地位を得たが、剣士として不満があった、また若いころ、出世のために女を捨てた。転生前から大納言と面識があった。転生衆側の人物では珍しく、コミカルなシーンが幾つか存在する。 十兵衛とは柳生の庄・法徳寺の柳生家墓所で戦う。 『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』(慶長19年=1614年)、『Y十M 〜柳生忍法帖〜』から引き続いての登場。 宝蔵院胤舜(ほうぞういん いんしゅん) 宗矩と同時に6番目の転生者。大柄な僧侶。禁欲により高めた槍術が、四郎の忍法にあっさり敗れてしまった。 転生後は眉が十字槍のような形状に変化している。女人を笑いながら嬲り殺しにするなど、内面も変貌している。 十兵衛とは三段壁で戦う。
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