高田まちかど交流館
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「第百三十九国立銀行」の記事における「高田まちかど交流館」の解説
百三十九銀行は営業規模を拡大していた昭和初期、15万円の工事費をかけて本店を建て替え、当時はまだ珍しかった地上3階・地下1階の鉄筋コンクリート造の洋風新店舗が1931年10月1日に完成した。竣工当初の本店建物は上越地方随一の大建築で、高田の街に偉容を添えるものであった。第四銀行への合併後も引き続き同行高田支店として利用され、1965年(昭和40年)6月23日の増築を経て、2009年に第四銀行が高田支店を高田営業部へ改組・移転するのに伴い、上越市へ寄贈された。しかし耐震診断により、同建物は事務所から集会施設へ転用するには建築基準法や消防法などに適合するよう改修が必要で、費用も4億5,000万円を要することが明らかになったことから、当面は事務所のままでの使用が決定した。そのため、旧本店建物は最初に改修された増築部分が市の文化振興課事務所に充てられたのを除き、臨時のイベント会場として活用される時期が続いたが、2017年(平成29年)8月より貸館施設とするべく諸法規に適合するよう改修工事が施され、2018年(平成30年)4月7日に「高田まちかど交流館」(たかだまちかどこうりゅうかん)としてオープンした。翌2019年(平成31年)3月には「旧第四銀行高田支店」の名称で、3枚の設計図を附(つけたり)として上越市指定有形文化財に指定された。上越市に現存する鉄筋コンクリート造建築物としては2番目の古さである。 高田まちかど交流館は、イベントなどでの貸館がない場合は無料で館内見学や休憩が可能である。1階の旧頭取室・旧金庫室・旧応接室の3部屋は展示室として開放されており、建物が竣工した1931年当時の写真や新聞記事、百三十九銀行に関する資料などが紹介され、2階展示室では彫刻家で上越教育大学名誉教授の峯田敏郎が市へ寄贈した作品が公開されている。 建物は古典主義様式を備え、外観の1階部分にルスチカ積みの石張りとオレンジ色の煉瓦タイルをあしらってアーチ形の枠付窓を取り付け、2・3階にはイオニア式の石貼4連柱と軒蛇腹を設けている。内部は漆喰仕上げで、配色は壁や天井を白色で、柱頭や格天井回りの縁飾りを茶系色で調和的に統一し、1・2階の吹抜ホール部には6本の柱台付コリント式円柱が立ち並ぶ。また、階段・手摺り・廊下の人造石の研ぎ出しや各部屋の木製建具は当時の優れた職人技を現代にも伝えている。 所在地:新潟県上越市本町三丁目3番2号 開館時間:午前9時〜午後6時まで(ホールは午後10時まで貸館可能) 休館日:毎月第2水曜日および年末年始(12月29日〜1月3日)
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