非スーパー特急方式の新幹線対応在来線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 09:58 UTC 版)
「新幹線鉄道規格新線」の記事における「非スーパー特急方式の新幹線対応在来線」の解説
スーパー特急方式は、整備新幹線として認可される工事実施計画の一つの方式である。次の路線はスーパー特急方式ではなく、将来の新幹線路線の敷設も対応した通常の在来線として開業している。なお、これらの路線は新幹線路線を全く新規に作ると建設費が莫大になるため、このような方法を採用した。 北海道新幹線(海峡線):中小国駅 - 木古内駅 青函トンネルとその前後の区間は、整備新幹線計画に合わせて新幹線規格で建設され、1988年(昭和63年)3月13日に北海道旅客鉄道(JR北海道)の海峡線として開業した。線路間隔4.4 m、軌間1,435 mm(標準軌)に対応するスラブ軌道を採用。勾配は±15 ‰以内、曲線半径もR=6,500程度と、新幹線規格の範囲で抑えている。 青函トンネル内は日本国有鉄道(国鉄)時代に製造された旧型特急車両(通常制限最高速度120 km/h)でも140 km/h現示まで出すことが可能であった。保安装置は、開業当時に東北新幹線の全線で使用されていたアナログATC(ATC-2型)と互換性を持つATC-L型を採用していた。 2005年(平成17年)5月22日に北海道新幹線の新青森 - 新函館北斗間がフル規格で着工され、2016年(平成28年)3月26日に開業した。新幹線開業まではレールは軌間1,067mm(狭軌)にボルトで固定されていたが、開業後は新中小国信号場 - 木古内駅間が三線軌条となり、新幹線と在来線が共用している。同時に、架線電圧も交流20,000Vから交流25,000Vに昇圧したため、貨物列車には複電圧電気機関車(EH800形)が新規に投入された。 四国横断新幹線(本四備讃線):茶屋町駅 - 宇多津駅 1988年(昭和63年)3月20日に西日本旅客鉄道(JR西日本)管轄の茶屋町駅 - 児島駅間が開業。同年4月10日に四国旅客鉄道(JR四国)管轄の児島駅 - 宇多津駅間が開業。 茶屋町駅 - 児島駅間は一部で勾配や曲線が新幹線規格に適合していない区間があるため、その区間は別途新幹線用の線路が敷設される。また、児島駅 - 宇多津駅間の鷲羽山トンネル部分と瀬戸大橋の下層には、新幹線と在来線の複々線を敷設する空間が確保されているが、現在は新幹線用の線路は敷設されておらず、在来線の複線のみが敷設されている。なお、架線電圧は直流1500V、保安装置は自動列車停止装置(ATS-SS)である。 四国横断新幹線の建設時は、新幹線と在来線の複々線にする計画であるが、具体的な建設計画は未だ白紙状態のままである。仮に建設決定になったとしても、現状でも瀬戸大橋区間において騒音問題ゆえに最高速度での運転が出来ない状況にある等、難題は多い。
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