電気焜炉(電気抵抗)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 02:17 UTC 版)
ニクロム線などの電気抵抗の小さくない導電体に、電流を通してジュール熱を発生させて高温にし、熱伝導や熱放射によって加熱する。 商用電源等の電力インフラが必要。機種によってはエアコンと同様に200Vの専用電源配線が要る。停電時は当然使えない。厨房へのガス配管工事がいらないことや、ガス漏れによる爆発事故・直火からの引火の危険性が少ないといった利点もあることから、ワンルームマンションなどの賃貸集合住宅を中心に多く用いられている。電気こんろ(とくに簡易卓上型)では十分な発熱量が得られないと思われがちだが製品次第であり、据付型電気こんろではガス方式と得られる熱量に一義的な差はない。 熱効率はIH方式より低く利用頻度次第では使用コストが割高になる。運用コスト面はまちまちであり、都市ガスやプロパンガスと比較しても地区電力会社やガス会社の料金体系や契約形態(オール電化契約等)、あるいはこんろの使用状況による。 チャーハンなどあおり調理(フライパンをこんろから離したり振ったりする動作)を要する調理法にはあまり向かないが、ほぼ全ての煮炊きに適する。熱放射が直接得られるため餅焼きや海苔・干物などの炙りも可能。 燃焼のための酸素供給は不要なので、換気は食材からの煙などのためだけに必要。 かつてはコイル状の電熱線が露出している製品(裸発熱線)が主流で、通電中の電気回路が露出していることによる、漏電や感電の危険性があった。そのため今日では、絶縁されている製品が主流となっている。シーズヒーター(金属管に耐熱絶縁被覆電熱線を通して隙間に充填材を詰めた物)式電気こんろは外観がやや太い渦巻き蚊取り線香のようであり、ラジエントヒーターは、IHクッキングヒーターと同様にヒーターがガラストップの下に有り露出しておらず、IHクッキングヒーターをメインとした機種にラジエントヒーターが組み込まれている場合もある。呼称については電熱線が露出しているものを「電気こんろ」、シーズヒーターを「電気クッキングヒーター」と呼んで区別するメーカーもある。 スイッチオフの後も数分から十数分間は余熱により、かなり熱いため注意が必要である。小型電気こんろについては、使用方法の周知不徹底から漫然と安全なものと過信し、加熱面に安易にダンボールや紙袋などを置き何かの拍子に通電され火災が発生する、といった事故が複数報告されており、お詫びCMの放映も含めたリコールを実施する事態に陥っている。
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「電気焜炉」の例文・使い方・用例・文例
- 電気焜炉という調理器具
電気焜炉と同じ種類の言葉
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